あぶのーまる 意味。 「あぶのーまる」に関連した英語例文の一覧と使い方(7ページ目)

松岡晴香 敏感あぶのーまる 動画独占配信

あぶのーまる 意味

pixiv. php? 真っ暗な中で、声だけが聞こえる夢を。 「お母様ぁ」 夢を見た数は、片手を越えた。 「お母様、ねぇ」 不思議と、怖くはない。 漠然と、不安に駆られていた。 [newpage] 触手の怪物に拐われ、芥川くんと寛に助けられ、そのまま三人で恋仲になって、早一週間。 一日目は動くどころではなく、二日目は司書さんに報告し、三日目に自然主義の先生方に追い回され(何故か僕は芥川くんに横抱きにされてた)、その後に(降ろしてもらってから)夏目先生と同席していた正岡先生に報告し、四日目には図書館中にほぼほぼ広まり、五日目に顔を出しに来た館長さんが司書さんから話されたことで完全に広まった。 夏目先生と正岡先生には暖かい目で見られ、吉川さんと室生さんには「手酷くされたらすぐに言え」と肩に手を置かれながら強く言われ、物陰からは探るような視線を感じたかと思えば消え、谷崎さんからは妙な感想を聞かれ、森先生からは体の不調を問われ、とにかく方々から多種多様な反応をもらったが、悪いものはなかった。 ………ああ、そういえば、宣言通りに指輪を買ったんだった。 重ね付けできるデザインのものを、二つ。 寛と、芥川くんから、一つずつ。 今の僕の左の薬指には、手袋の上で二つの指輪が淡く光っている。 ………本当は見せびらかすようで恥ずかしいから手袋の下に付けたかったが、そしたら二人から「絶対手袋の上から付けろ」と強く言われた(後手袋の大きさを考えたら無理だった)のでこうなった。 潜書の時以外は、蒼い石と緑の石が飾られている指輪を常に付けるようにして。 (………付き合っている、ん、だよね。 僕は) どこの乙女だ、とか言われそうだが。 薬指で輝く指輪を見るだけで、心が浮き上がり暖まる。 あの二人に、僕は愛されている。 それだけで、嬉しくなる。 「お母様」 「っ!」 びたり、と、足が止まった。 辺りに人の気配はなく、振り返っても誰もいない。 「………またか」 二人と、恋仲になって一週間。 異形の卵を産み落としてから、一週間。 初めは、夢の中だけで。 最近に至っては、起きていても。 その声は、僕の耳に届いていた。 「………誰なんだろう」 それは、年端もいかぬ、子供の声。 親に縋るような、幼子の声が。 他の転生している先生方と同じように、僕の子供は転生していない。 それに、僕を母などと呼ぶものはそもそもいない。 ………いない、筈。 「………談話室にでも行こう」 一人でいるからこんなことを考えるんだ、そう切り換えて、足を進めた。 「久米さん」 談話室に入ってすぐに、部屋にいた谷崎さんに話しかけられた。 「谷崎さん………」 ………いやいや待て、待つんだ僕、聞くにしても人選というのがある。 ………………でも、谷崎さんなら、少しは………? 「………あの、谷崎さんに聞きたい事があるのですが」 「はい、何でしょう?」 お、怒らないでほしいな……… 「今の姿になって、女性に間違えられたことなど………ありますか?」 「はあ」 谷崎さんは聞いた直後は何だそれはと言いたげな顔をしていたが、少しして考えると 「日頃女性の足について考えることはありますが、女性に間違えられたことはありませんね。 一度荷風先生と街に出た事はありますが、その時はそもそも話し掛けられませんでしたし」 と、答えてくれた。 「そうですか………妙なことを聞いてしまって、すみません」 それはあまりの美貌に話し掛けることすら出来なかっただけなのでは………と思ったが、口にはしない。 「お母様ぁ」 「……………」 今のは、幻聴?それとも、本当に……… 「久米さん」 「は、いっ!?」 返事を返すより早く谷崎さんに腕を引かれ、ソファーに座らされる。 「………何か隠しているでしょう」 「隠し事なんてしていませんよ」 「では、何故しきりに目を逸らそうとするのです?」 「………この姿になってからの癖ですよ」 ………言い訳にしても、苦しいものだと思う。 谷崎さんもそう感じたようで、深い溜め息を吐くとドアまでスタスタと歩いていき、開けると同時に顔を出して人を呼び止めた。 「ああ、春夫さん。 丁度いいところに。 ちょっと人を呼んできてくれます?」 「は?あんたが呼びに行けばいいじゃないか」 「私が行くよりも春夫さんが行った方が早いので。 それに、見張っていないと逃げられてしまいますし」 「自力で呼びに行くのが億劫なだけだろ!」 ………芥川くんと、寛を呼ぶ気だろうか。 「お母様」 (また………聞こえる………) あれ、なんで………眠、く……………… 「………………………ぃ、おい、久米!」 「………ん………?」 肩を強く揺さぶられ、目を開ければ、そこには心配そうな顔で僕の顔を覗き込む芥川くんと寛がいた。 「………どうしたの、二人とも。 そんな顔して」 「聞きたいのはこっちの方だよ。 春夫に呼び出されて来てみれば、久米が魘されながら眠っていたんだもの」 「え………?」 魘されていた………?僕が………? 「なあ、顔色悪いぞ?眠れてないんじゃないか?」 「流石に部屋に押し掛けるのはどうかと思ってたけど、一人で眠るのが怖いなら今夜から三人で寝るよ?」 「いや眠れてはいるから」 恋人とはいえ僕の部屋に許可なく押し掛けるのはやめて。 「じゃあ、何かあった?」 「ぅ………」 部屋を見渡せば、談話室には僕と芥川くんと寛の三人しかいない。 ………谷崎さんが何かしてくれたのだろうか。 「………………………二人とも、確認だけど………見たんだよね。 僕が、その、化物の………たま、ご………を………………」 「………うん」 「そのせい、なのかは分からないのだけど………ここ最近、たまに、誰かに呼ばれている声が聞こえて………」 「声?」 「うん。 「久米!?おいどうしたんだいきなり!?」 二人を押し退け、談話室を出て、ある場所に向かって歩き出す。 「呼んでる、行かないと、僕が、行かないと」 「久米!待ってよ!誰が呼んでるっていうの!?」 「呼んでるんだ、僕のこと、お母様って、呼ぶ子が」 早く、早く、あの子を、あの子の元へ行かなければ 「………ここだ」 着いたのは、有碍書が置かれている部屋。 僕は中に入ると、迷いなく一つの本を手に取った。 それは、所々洋墨で汚れた、白い本。 「早く、行かないと」 後ろから、焦った声が、二人分、聞こえる。 「お母様」 ああ、今、行くよ。 本を開き、溢れてくる光に身を任せ、僕は本の中へ呑まれていった。 [newpage] 「………………………ぅ………………?」 目を開ければ、そこは色が薄い森の中で。 僕は、森の中で、一人で膝をついた体勢で地面に座っていた。 「どうして………僕は、ここに………」 頭の中が霞がかかったように不鮮明で、よく思い出せない。 たしか、子供の声が聞こえて、それから、それ、か、ら………………………? (僕は、何を………?) 思い出せない、何か、酷く焦っていたのは覚えている。 「………えっ?」 そこにいたのは。 芥川くんの、侵蝕されている本の最奥にいる敵の衣装を、全部真っ白にしたような服を着た、 今の僕の顔を幼くした顔立ちの、幼い女の子だった。 背丈は徳永さんより少し低いくらいで、紫の瞳だけが色を主張する、現実味の薄い少女が、そこにいた。 「お母様!ああ、やっと会えたわ!」 「え、えっ?お母様?僕が?」 「そうよ!うふふ、お父様が教えてくれた通りだわ!」 お父様って誰、と思っている間に、少女が僕の首へ抱き付いてきた。 「ああ、お母様、会いたかったわ、ずっと、会いたかったの」 「君、は………」 「お母様、あったかーい」 触れてくる手は冷たくて、柔らかさのある人形のようで。 「お母様、私のこと、ぎゅーってしてくれないの?」 「え、えっと」 どうしよう、どうすればいいんだ、この子は一体何、僕は、どうすれば ヌゾォッ 「あっ、お父様!」 「お父様?って………ひぃっ!?」 何かが這うような音がして、少女が向いた方を見ると、そこにはあの、忌まわしい触手が数本蠢いていた。 少女の手が離れると同時に後退り、直ぐ様腕で身を守ろうと縮こまり、目を固く閉じる。 だが、待っても何もこない。 恐る恐る目を開き、触手がいた方を見ると、 「お父様!お母様が来たのにどうして逃げるの!?」 びったんびったん 「お父様!逃げちゃだめ!もー!」 何故か触手の方も逃げようとしていて、力ずくで押さえ付けている少女の腕の中でもがいていた。 えっと、これはどうすれば……… 「あの………」 とりあえず立ち上がり、にーげーちゃーだーめー!と、まだ格闘している少女の側に寄り、声をかける。 すると、触手はビックウゥと跳ねたかと思ったら、凍り付いたかのように固まった。 「なあに?お母様」 「君は、何者なんだい?」 「え?何者って………お母様とお父様の娘よ?」 「えっと、そうじゃなくて」 ああもうどうすれば 「「久米っ!」」 後ろから僕を呼ぶ声がして、振り返れば、そこには武器を持ってこっちに走ってくる芥川くんと寛がいた。 ………うわぁ、絶対怒ってるよ、あれ。 「ここにいたのかい、随分探し………て………」 「やっと見つけ………た………」 「「小っちゃい久米がいる!?」」 まずそこなの? 「久米、この子どうしたの?久米の子供なのかい?」 「分裂したのか?それとも本当に産んで」 「二人ともまず落ち着こう!?僕男だからね!?」 いやそれらしいことはやったけど 「………ねえ」 まだ固まったままの触手を捕獲したままの少女が、僕を見上げながら声をかけてきた。 「あの人たちって、お父様が教えてくれた、お母様の王子様たち?」 「「「は?」」」 「お父様はね、暗くてじめじめしたところにいたの」 一先ず話をしよう、と切り出した僕たちは、逃げないように触手を細い腕で捕まえながら座る少女を囲むようにして座り、少女の言葉に耳を傾ける。 「灯りは少なくて、物もあんまりなくて、あるのはお外に繋がっているドアだけ。 そこに、お父様はひとりでいたの」 当然のように少女は僕の隣に座っていて、少女は話しながら触手を撫でていた。 「それでね?時々、お外から人が来て、お父様に向かって人を投げるの」 「人を?」 「そうよ。 その人はね、お母様と同じになるの。 お母様と同じように、お父様の子供を産むのよ」 僕たちが顔色を悪くするのも構わずに、少女は話し続ける。 「でもね、お父様は、私以外の子供をみたことないの。 だって、産まれそうになったら、投げてきた人がお母様ごと持っていっちゃうんですもの。 それで、お母様を持っていっちゃったら、また別の人を投げるのよ。 今度はこれだって」 少女の顔に、表情はない。 「ひどい話よ。 お父様にも心はあるのに、あの人たちは心なんか無いように扱ってくるんですもの!お父様だって悲しいって思うわよ!お父様が教えてくれたわ、みんな、みんな、怖がってたって、たすけて、いやだ、って、叫んでたって。 でも、お父様は助けられないの。 お父様は、子供を産ませるようにしか造られてないの。 そうするようにしか造られてないから、お父様には、お話しするためのものがないの」 ただ、淡々と、話し続ける。 「あれ?じゃあ君は、どうやってお父さんとお話しをしているんだい?」 「うーん………私はお父様の子供だから、お父様に触ってたら、お父様が考えてることが分かるのよ」 ね、と少女が触手を再度撫でれば、触手は答えるように少女の頬を撫でた。 「お父様は、せめて痛くないように、苦しくないようにって、痛みを鈍らせる液とか、苦しくないように撫でたりとか、色々したの。 でも、お話しできないから、怖がらせないことは無理だったの」 そう言うと、少女は僕の手に触れてくる。 「お母様、こっちの手、貸して?」 「………何をするの」 「悪いことじゃないわ。 痛いこともしないわ」 じっ、と見上げられた僕は、仕方なく右手を出すと、強い力で手首を押さえられた。 まるで、逃げられないようにするかのように。 「お父様、ほら」 動かせない右手の平に、触手の先が触れる。 ぐりぐり、と何度か擦り付けられた後、触手の先がすらすらと滑り、何かを綴りだした。 『ご め ん な さ い』 「………えっ」 驚く僕の手から、触手と少女の手が離れる。 「お父様はね、お母様と繋がって、お母様の欠片を取り込んで、やっと、気持ちを伝える術を手に入れたの。 お父様はね、怖かったの。 暗い場所から放り出されて、気付いたらこんなところにいて、怖くて、悲しくて、そんなときに、お母様を見つけたの」 僕と同じ、紫色の目が、僕を見上げてくる。 「気付いたらお母様を引き込んでて、本能そのままに、お母様を孕ませた。 そして、私が産まれた」 ………ああ、髪質も、雀斑まで同じだ。 「お母様は、お父様自身が初めて好きになったものなの。 でもね、お母様がお父様を好きになれないことは、お父様も分かっているわ。 だって、お母様には、素敵な王子様が二人もいるんですもの。 お母様を助けにくる、素敵な二人が」 少女の目が、芥川くんと寛に向けられる。 「ねえ、あなたたちは、お母様のこと………すき?」 ………見えなくても、なんとなく二人の表情が分かりそうな気がする。 「好きに決まってるよ。 誰にもあげたくないくらいにね」 「もちろん好きに決まってるさ。 手離し難い程にはな」 そう、と呟くと、少女はまた僕を見上げる。 「お母様、私と、お父様に会いに来てくれてありがとう。 とっても嬉しかったわ。 でも、もうお別れしないといけないの」 「………お別れ?」 「お母様、王子様たちと仲良くね」 そう言って微笑むと、少女は立ち上がって何処かへと向かおうとした。 「早く帰って。 ここには、危ないのが出るの」 「危ないの?それはどんなのだい?」 「それは………………!?」 突然、少女の目が大きく見開かれる。 「お父様っ!?」 そう叫ぶと、少女は勢いよく走っていった。 「待って!」 「久米!龍!追うぞ!」 三人で少女の後を追うけれど、少女は先をどんどん進んでいく。 どうにか付いていって、走っていって。 「な………」 そこにあったのは。 触手が壁のようになっていて。 その向こうに、侵蝕者が群れとなって迫ってきている光景だった。 「どうして………こんなところに………」 「ここも本の中だからか?とにかく倒すしかないな」 「見てて嫌になる数だけどね………仕事だから、仕方ないけど」 と、そのとき、僕に向けて侵蝕者の攻撃が飛んできた。 「久米!」 「!」 避けようとするが、間に合わない。 ザスッ 「………?」 あれ、痛みがこない。 「どうして………えっ」 前を見ると、 そこには、矢のような形の文字だったものを絡め取っている、触手があった。 「危ない!」 気付いたら、僕は触手の前に出ていた。 パシュン 「うぅっ………」 まずい、一撃喰らってしまった。 「久米!何やってんだ!」 「ごめん!ただ、こうしたくて!」 どうしよう、斬っても斬っても減ってる気がしない。 触手も触手で追い払おうとしているけど、あまり効いているようには見えない。 「どうしたら………っ」 「ねえ」 「ん?」 芥川くんが声に釣られて振り返り、僕も芥川くんが見ている方を向く。 「あれって、お母様たちの敵?」 そこには。 「………うん、そうだよ」 「あれ、お母様たちも傷付けるの?」 「そうだね、僕たちも傷付くよ」 「そう」 感情が全て抜けた顔の、少女が立っていた。 「じゃあ、殺しちゃっていいのね」 ダンッ ぼそり、と呟いた言葉を残し、人間離れした強さで地面を蹴って飛び上がる。 少女の体が宙を舞って、くるりと回って。 ダダダダダダッッッ 少女の両手に握られた二丁の銃が、火を吹いた。 「「「………えっ?」」」 スタッ 銃弾は侵蝕者を撃ち抜き、半分ほどに数を減らす。 その群れの前に着地した少女は銃を消すように何処かへ隠すと、腰に巻かれているリボンへ手を掛けた。 「私、お父様とお母様を傷付けるもの、大嫌いなの」 しゅるり、とリボンが解けて、たなびくと共に、形が変わる。 少女の手には、先端に僕の武器にある鈎爪部分と同じものが付いた、僕の武器と同じ持ち手で、持ち手と鈎爪を白い艶やかなロープのようなもので繋いでいる、鞭が握られていた。 「アンタたち、みんな、みんな、死んじゃえばいいのよ!」 ブォン、と音を立てて、鞭が振り回される。 バババババンッ その一閃だけで、残っていた全ての侵蝕者が叩き落とされ、形を崩し、洋墨となって消えていった。 「………ねえ、寛、僕の見間違いでなければ………鞭の長さ、伸びてなかったかい?」 「いや………気のせいだろ、多分気のせいだ、範囲的に鞭が伸びないと不可能な大きさだが、きっと気のせいだ」 パシッ、と鞭を纏めて鳴らすと鞭はリボンに戻って、ひとりでに少女の腰に巻き付く。 「お母様!どう?私すごい?褒めてくれる?」 「うん、すごいよ。 えらいえらい」 「えへへ~」 ふわふわしている少女の髪を撫で回すと、少女は幸せそうにふにゃっと笑う。 そこへ触手も一本すり寄ってきて、少女の頬や首筋を撫でてきた。 「お父様も褒めてくれるの?」 お返し~、と言いながら触手に頬擦りする光景に、僕は何時しか愛しさを感じていた。 ………あんな形でも、親としての繋がりがあるからだろうか。 「お父様ー、くすぐったいよー」 ………………あれ? 「………………お父様」 なにか、違和感が……… 「どうして、何もお話ししないの?」 少女の首筋に這う触手を、つうっと目で追う。 ダッ 「お母様!?」 芥川くんも、寛も、少女も置き去りにして、触手が伸びる先へと走る。 不自然な程に道は続き、道標のように触手が一本伸びていく。 それと、先へと進む度に、嫌な予感と不安が増していた。 「はっ………はあ………はぁっ………」 息を切らし、辿り着いた先は、いつかの舞台のように丸く開けた場所で。 「………………そんな」 そこにあったのは。 疎らに、洋墨で汚れた触手を垂らして、表紙も、中身も洋墨で汚れている、元は白かったであろう本が、宙に浮いている光景。 触手を掻き分け、本の下まで移動して、腕を差し出せば、本が腕の中へ落ちてきた。 「こんな、ボロボロになって………」 あの子も言っていた、ここには危ないのが出る、と。 つまり、危ないのがいると気付く度に、この触手があの子を守っていたのだろう。 文字通り、身を呈して。 ズ ズッ 数本の触手が、僕の体へ縋る。 その内の一本が手に乗り、僕は反射的に手に乗った触手を握っていた。 これは、この方に、投げ付けられてきた悪意の記憶だ。 「あなたは………どうして、僕を………」 地面に座り込み、本を抱える僕の頬を、ぬぞり、と触手が撫でる。 きっと、他のものを見たら、すぐに箝げ替わる程度のものだ。 なのに。 ギュウッ 「………………っ、ぅ」 どうして、こんなにも、愛しく、感じてしまうのか。 慌てて腕の中の本を見れば、洋墨の黒い滲みが大きくなっていた。 「久米!………おい、どうした」 「久米!………その、本は」 「お母様、それ………」 どうやら、置いてきたみんなが追い付いたようで、後ろから声が聞こえてきた。 「寛、芥川くん………これ………」 「………もしかして、あの怪物の本体?」 「うん。 侵蝕者の攻撃のせいで、こんな、ボロボロに………」 ふと、辺りを見れば、木々が白い文字となって解けていく。 「チッ、早くずらかった方がいいな。 おい、行くぞ!」 「行くって………どこに行くっていうんだい。 入り口がどこだったか分からないのに!」 「お母様、立って、ここにいてはいけないわ」 あの子が僕の手を掴んで立たせようとするけれど、足が動かない。 「お母様!」 「久米!」 「久米!」 一先ず立たせよう、そう考えたらしい二人の手も僕の肩に触れる。 すると、抱えている本を中心に、淡い光が溢れてきた。 「えっ………?」 光はどんどん強くなり、僕たちを包み、ついには何も見えなくなった。 「………………………ぅ………ん………?」 慎重に、ゆっくりと目を開けると、そこは薄暗い部屋の中だった。 「………戻ってこれたんだ」 「はー………一時はどうなるかと思ったぜ」 どうやらここは、有碍書を保管している部屋らしい。 「お母様、ここは………」 「ここは………えっ?」 聞こえてくるとは思っていなかった声が聞こえて、驚いて顔を上げれば、そこには困惑している少女が僕の顔を覗きこんでいた。 「い、一緒に来れたのかい!?」 「ええっと………私にもわからないわ。 だって、あの場所以外知らないもの。 ねえ、ここはどこ?」 どう教えるべきか悩んでいると、ドアの向こうが騒がしくなり、けたたましくドアが開かれる。 「ここかっ!」 開けてきたのは、肩で息をしている司書さんだった。 「………見つかってよかったです。 妙な反応があったので、急いで探してたんですよ?」 「司書、無理に敬語にしなくてもいいからな?俺たちとっくにアンタの素を知ってるんだぞ?」 「私のけじめのようなものですので」 呼吸を落ち着かせている司書さんへ、僕は直ぐ様本を抱えたまま詰め寄る。 「司書さん!」 「はい?」 馬鹿げている、などと言われるかもしれないが。 僕の頭は、このことでいっぱいだった。 「お願いします、この方を、助けてください!」 そう叫んで、僕は帽子が落ちるのも構わずに頭を深く下げ、酷い状態の本を差し出した。 [newpage] ここ どこだろう じぶんは なんだっけ なまえはない かいぶつ とか ばけもの とか いわれてた ずっと まっくろのところにいて ずっと こどもをつくっていた あたらしいぶき だとか あたらしいせんりょく だとか いわれてた でも ぜんぶ だめだったみたい もし うまくいってたら みせてくれるはずだもの だから せいかがでない とか おかすだけのかいぶつ とか いわれてたんだ だから へんなところに すてられた へんなのがいて いたいことしてきて あぶないところに そこでみつけた きれいなひと じぶんにない きれいないろ ちかづいてきてくれたから つい やってしまった きもちよくて するたびに いろいろわかって これは かなしい こっちは くるしい じぶんがもってたものが わかっていった きれい すき だいじにしたい でも じぶんのものには ならない じぶんなんかより きれいで つよいひとたちが たすけにき てくれた も の ぃ う ぎ ぁ あ いた い ぃ しんじゃ う の じ ぶん きれい きれいなひと やだ わすれたく ない まって きえないで けさないで きれ い な きれいなあのひと なまえ なんていうの かな なまえ しってたら わすれ な かっ た? しりたかった けど むり だよね だって じぶんに なまえ ない なまえが なかった ら おしえて もら え ないよ わすれ た くない よ ぉ [newpage] 「『新たな戦力』………か」 「こいつら、俺たちを何のために転生させたか忘れたんじゃないのか?」 司書さんから借りた書類を見ながら、司書室で司書さんが戻ってくるのを待つ。 本来ならば僕たちには見せてくれないようなものなのだけど、「今回に限っては当事者ですから」という理由で(それでもはぐらかされてる部分はあるけど)見せてくれた。 の、だが、内容はハッキリ言って気分がいいものではない。 名目上は、「新たな戦力の構築」。 だけど、実情は「侵蝕者をベースとした生命体による生殖実験」だったのだ。 一部の錬金術師にとって、侵蝕者は魅力的なサンプルらしく、使えるならば新たな研究の材料にと求める者は少なからずいるらしい。 そこから僅かに成功者が現れると、今度は安定して生産できるようにしたそうだ。 それが、あの触手の卵であり、子供である。 だが、その全てが産声をあげることなく死に絶えたらしい。 それも、母体諸とも。 元より、母体は使い捨てにする気だったようだが。 そんな彼らが触手を捨てたのは、ざっくり言うと「飽きたから」だ、そうだ。 成果が出ない研究に嫌気が差し、浮浪者や裏の人間を主に使っていたそうだがそれでも足がついて調べられそうになったから、わざと外へ放り出したのだ。 ………何故それが、この図書館に来たのかは分からないが。 「………寛、どうしよっか」 「………久米次第、だろうな」 二人揃って、少し離れた場所のソファーに座る久米と、白い少女を眺める。 「そっくりなんだもんね………」 「どう見てもそっくりなんだよな………」 あの子の父親に、恨みはあるんだけどね。 「悪人の子は、悪人なのか、か」 あの子は、どちらなんだろう。 [newpage] 「………ねえ」 司書さんを待ちながら、僕の隣に座る少女に声を掛ける。 「君は、これからどうしたいんだい?」 「私?」 うーん、と考えた後、明るい声で少女は言う。 「お父様と一緒にいるわ。 だって、お父様が一人になっちゃうもの」 「………そう」 やっぱり、そう言うと思っていた。 ガチャ 「お待たせしました」 「!」 ソファーから立ち上がり、司書さんの元へ向かえば、そこには赤いベルベットで包まれた本らしきものを持った司書さんがいた。 「どうでしたか?」 「はい、上手くいきましたよ。 ほら」 そう言って広げられた布の中には、あの時見た真っ白な本があった。 「意志の疎通も図れましたし、欠損はないものかと」 「わあ!お父様、よかったわ………」 少女が本を受けとると、本から触手が二本出てきて、少女の手に巻き付く。 「それにしても、どうやって治したんですか?僕たちの本とは、勝手が違ったでしょう」 「ええ。 何せ、元が真っ白でしたからね」 「そしたら、どうやって」 「インク消しをかけました」 えっ。 「ですから、インク消しで全部消して漂白したんです。 書き足すようなものや訂正するようなものがないからでしょうね、すっかり元通りになりましたよ」 「は、はあ………」 な、治ったからよかったのかな………? 「さて、久米先生」 「はい」 手にあった布を畳んだ司書さんが、僕を見上げてくる。 「あの怪物の処置ですが、久米先生はどのようなものを望みますか?」 ………落ち着け、こうなることは、分かっていた筈だ。 「今回の件で、一番の被害者は貴方です。 先生が望むならば、殺処分も可能ですよ」 「………お母様」 少女が、不安げに僕を見上げてくる。 ………まあ、ほとんど決めていたようなものなのだけど。 「司書さん」 「はい」 「あの方を、僕のところで預かってもいいですか?」 「えっ」 「ええ!?」 「はあ!?」 うん、そういう反応されるのも分かってたよ。 「く、久米!?正気かい!?」 「お前、何されたのか忘れた訳じゃないだろ!?」 「うん。 忘れた訳じゃないし、忘れられない。 だけど」 貸して、と少女に囁いて、白い本を受けとる。 「彼も、彼なりに、僕を愛してくれているんだよ。 僕はそれを、無下にできない。 それに、この子に僕と同じ思いをさせたくないんだ」 父親がいない悲しさなんて、知らなくていい。 「………駄目かい?」 一応確認を取ろうと芥川くんと寛に問えば、二人揃ってやれやれといった顔をする。 「………いいよ。 久米が決めたことだからね、止めないよ」 「そこまで言うなら、俺が止めたって変えないんだろ?なら、好きにしろよ」 「二人とも………ありがとう」 くるりと司書さんの方を見れば、司書さんはどこか納得したような顔をしていた。 「………ありがとうございます。 私としても、殺したくはなかったんです」 「司書さん………」 「それに、渡された手配書がどう見ても煽ってるように見えて腹立たしかったんですよね」 わあ、すごい晴れやかな顔をしている……… 「さて、怪物に関しては適当に並べてはぐらかすとして、そこの子はどうしましょうか」 「………僕の部屋にいさせます、いいでしょう?」 「ええ。 ですが、混乱を避けるために公表はできませんよ」 「大丈夫よ。 お父様とずっといればいいんでしょう?」 「不自由を強いることになりますが」 「お父様といた場所より、もっと広いところにいられるのよ?それだけでも嬉しいわ!」 と、三人で話していると、芥川くんと寛が少女の方へ近付いてきた。 「そうなったら、この子の名前をどうにかしないとね」 「なあ、アンタの名前、教えてくれるか?」 「名前?ないわよ」 「「えっ」」 「だって、あったとしても、呼んでくれる人はいないもの」 ………そっか、この子には、まだ名前がないんだ。 「名前………名前………そうだわ!お母様!私、お母様の色の名前がほしいわ!」 「えっ!?ぼ、僕の色?」 「ええ!この色の名前がほしいわ」 そう言って指差したのは、僕のブローチに飾られた宝石だった。 「紫………うーん………そのままつけるのはちょっと………」 「もうちょっと捻りたいよね………」 「紫………紫………紫色の花の名前にするってのはどうだ」 「ああ、それがいい」 「そしたら、桔梗………菖蒲………菫………紫苑………」 「それがいいわ!」 ガッ 「ごふっ!」 紫苑、と呟いた瞬間、少女が思いっきり腹にぶつかってきた。 「しおん!しおんがいい!ねえお母様、しおんって、どう書くのかしら?」 「え、えっと」 「久米先生、どうぞ」 「あっ、はい、ありがとうございます」 司書さんからメモ帳とペンを借り、「紫苑」と大きく書いて、書いた紙を千切り取って少女へ渡す。 すると、 「こう書くんだよ」 「わあ………これが、〝しおん〟って字なのね!」 し、お、ん、と少女が読み上げた瞬間、ぺらりひらりと文字が剥がれて、少女の口へと吸い込まれていったのだ。 「「「 」」」 「ほう………侵蝕者をベースにしているだけはありますね」 「ふっふーん、もう私の名前だけなら書けるわ!え、えっと、えっーと………」 「ああ、私のことは司書とでも呼んでくださいな」 「えっと、司書、さん!書くもの貸してください!」 「どうぞ」 まだ僕が持っていたメモ帳とペンを渡すと、一番上の紙に危なっかしい手つきで文字を書き始めた。 「んっしょっ………と!できた!」 ほら!と見せられた文字は、お世辞にも綺麗とは言えないが、しっかりと「紫苑」と書かれていた。 「これは………教育のし甲斐がありそうですね………興味深い………」 「司書さん?目が怖いよ?おーい?」 「おっ、よく書けたなーえらいぞー」 「わーい!」 わいわいと盛り上がるなか、小脇に抱えていた本からにょろりと触手が一本伸びて、僕の手をなぞってきた。 「………はい、どうかしましたか?」 『じぶんも なまえ が ほしい』 「………そうですね。 貴方にも、名前が要りますね」 ………安価な名前だとは思う。 だけど、この方を称する名前は、これ以外にないだろう。 「貴方は、どこを見ても真っ白なので。 これ以外思いつきませんでした」 『ありがとう うれしい』 「あはは………よろしくお願いしますね、白紙さん」 『よろしく』 まだ楽しげな声が続く司書さんたちのところへ戻る最中。 何も書かれていなかった白い本の表紙には、 『白紙さん』 と、掘り込まれていた。 [newpage] [chapter:【次回予告】] 「ほう………やはりあの方がそうなのですね………」 【グクルゥゥルゥ】 「いい子ですよ………ああ………やはり分解したい………」 【キュウゥゥ?】 「大丈夫ですよ、アナタに手はかけませんから」 【キュグクルゥ!】 「ええ、ええ。

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abnormal (あぶのーまる)とは【ピクシブ百科事典】

あぶのーまる 意味

abnormalとは• 「異常な」、「正常以上の」、「変態の」、「病的な」• 「非常に大きい」 ではない状態、正しい状態ではない事を表す。 日本の「アブノーマル」は、主に精神面を表す意味で用いられるが、英語では健康診断等の検査の数値や結果が「異常な」という場合でも用いられる。 ちなみに 共に「異常な」と訳される「」と「」の違い。 「 unusual」は、 とは異なる状態ということ。 こうだろうという予想や期待と違ったというニュアンスで、「 通常とは 違った、変わった」という意味で用いられる。 「abnormal」は、よくないという意味を含むが、「unusual」は特に悪い意味を含まない。 「 extraordinary」は、 ではあり得ない状態を表す。 特に際立って普通とは異なることを強調し「まれな、非常に変わった」、「非凡な」「人並み外れた」となる。 関連記事 親記事.

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アブノーマルとは?プレイ一覧&アブノーマルな彼氏への対処法

あぶのーまる 意味

概要 [ ] 冷めた性格の少年・秕シンヤと、彼の周りにいる7人の個性的な女たちの狂気と恋愛に満ちた生活を描いた漫画作品。 作者である真田は、本作の誕生のきっかけについて「当時、乙一の『』や米澤穂信のといった、主人公たちが日常の裏で様々な事件に巻き込まれるミステリ小説を気に入っており、ミステリの要素のある漫画をやりたいと考え、『ヒャッコ』連載休止中も常にアイデアを考えていた」と話しており、「構想当初は様々な属性の少女たちに振り回される少年を描いた、コメディ色の強い作品にする予定もあったが、ヒロインの中に殺人鬼がいたため自然と現在のような形になった」と述べている。 初期構想のシンヤは個性的な少女たちに振り回されて慌てふためく役柄だったが、サスペンス寄りになった時点でヒロインと淡々と付き合えるようにしたいという真田の考えから、現在のようなキャラクター付けになった。 真田は本作のコンセプトを「ヒロイン全員が変な属性もち」としており、自身の作品はキャラクターを主軸としているという考えから、ヒロインたちのデザインをそれぞれの属性に合わせたものにしたと述べている。 また、「フィクションではあるものの世界観がリアル寄りであるため、女の子が何人もいて全員美人というのはおかしい」という考えから、ヒロインすべてを美少女として描くことはせず、たとえば吸血鬼である赤鐘を若干崩れた顔つきにしたと真田は述べている。 その一方、真田はストーカーである十華のデザインに苦労し、表紙を飾ったこともあるメインヒロインであるため、最終的には美少女として描いたと振り返っている。 登場人物の名前はそれぞれの属性を意味する読み方や漢字が用いられており、たとえば十華は読み方を変えるとストーカーに結びつくように名付けられている。 登場人物 [ ] 主要人物 [ ] この節のが望まれています。 秕シンヤ(しいな シンヤ) 本作の主人公。 八日館高校に通学している男子生徒。 基本的に無骨かつ事なかれ主義な性格。 刃物を蒐集する趣味がある。 女性を「ロクなものじゃない」と冷やかな目で見ているが、自分の周囲にいる女子たちをそれなりに大切に思っている描写もある。 妹の迷を「世界一可愛い妹」「お兄ちゃん子(あまえんぼ)」と評する程の。 翼十華にストーカーされている。 迷と男(鈴木朝人)が一緒にいた事を赤鐘から聞き、迷が狙われているのではないかと思い十華に調査を依頼、その調査報告で迷が朝人に狙われている事を確信、朝人が十華の警告を2度も無視した事で朝人の自宅で待ち伏せ、オモチャの銃を用いて彼に対して警告を行い、その場を後にした。 鈴木朝人が殺害された事については「偶然」としているが、十華には疑われている。 御種の家にあった刀「霞のうた」を持ち出して黒へに渡していたが、霞のうたが盗品であった事と賽子がその刀を捜している事を知り、賽子と黒へを会わせたくないと考えたシンヤは霞のうたの回収を決意、朝人が撮影していたスナッフビデオと交換することで回収に成功、霞のうたは家に持ち帰らず雅美に預けている。 第3巻の発売を記念したプロモーションビデオでは、がシンヤ役を務めた。 万壌夜子(ばんじょう よるこ) 八日館高校に通学している女子生徒。 薄い影に隠れた切れ長の瞳と真っ直ぐに切りそろえた前髪、ストレートのロングヘアが特徴。 黒タイツを愛用。 さつきを危険視しており、彼女に関わらないようシンヤに忠告したが、聞き入れられなかった。 「前世のシンヤは小国の領の主で、夜子はそれを守る騎士」と自称しており 、彼に「妄想電波女」と称されている。 シンヤのことはシンヤ様と呼び、彼に対して従順かつ丁寧な口調で接し、シンヤの妹である迷のことを「妹君」と呼んでいる。 シンヤが声を掛ける以前は、友達が一人もおらず会話も一切せず、常に本を読んでいた。 シンヤが1年生の頃、彼に些細な用事から話し掛けられたことがきっかけで会う度に少しだけ言葉を交わす仲となる。 「08」でシンヤの依頼で迷を見張り、「09」では十華が朝人に警告する際には十華と行動を共にした。 「15」では朝人の自宅に侵入し、スナッフビデオが記録されたディスクを持ち出していた。 色村雅美(しきむら まさみ) 八日館高校に通学している女子生徒で、学校では優等生として知られている。 若干ウェーブのかかった髪とが特徴。 シンヤの友人にあたり、彼のことは秕君と呼ぶ。 で、それを偶然知ってしまったシンヤを「自分の変わった趣味に付き合ってくれる貴重な『遊び相手』」と巻き込んで相手をさせている。 夜子に「ド変態」と称されている。 シンヤとは中学生の頃に知り合い、この時から前述の性癖は既にあった。 威刈さつき(いかり さつき) 同じ学校に通うシンヤの幼馴染で、彼のことはシンちゃんと呼び、シンヤの妹の迷とは幼少から面識があった。 前髪を額の上で結い上げた(所謂、ちょんまげ)頭が特徴。 ジャージを愛用。 虚ろな瞳に薄笑いを浮かべ、呂律が回らない口調で、一人称の「あたし」を「あらし」と言う 他、「どこ」を「ろこ」と言ったり「お年玉」を「おろし玉」と言っている。 女狐黒へ(後述)とは知り合い。 如月市内で発生している「連続通り魔殺人事件」(後述)の犯人。 夜子に危険視されている。 10年前は泣き虫でいつもシンヤの後ろばかり付いてきていたが遠くへと引っ越し、それから10年後に彼と再会した。 「09」の終盤で朝人を殺害。 彼に対して怒りを露わにしていたが詳細は不明。 翼十華(つばさ とおか) 八日館高校に通学している女子生徒。 シンヤの友人に当たり、彼のことをシンヤ君と呼ぶ。 ロングヘアの後頭部に大きなリボンをつけて登校することが多く、シンヤのクラスメイトの純太から「可愛い」と評されている。 シンヤと夜子に「『ツキマトイ』」と揶揄されるほど、シンヤに行為を繰り返しているが、自身がストーカーという自覚は無い。 シンヤに「一番手間のかかる女」と評されている。 日課は盗撮したシンヤの画像コレクションの整理。 シンヤをストーキングする際にかかる費用は十華自身が負担しているが、シンヤの依頼で朝人を調査した際は、依頼したシンヤに対して調査に掛かった費用を請求していた。 本人によれば当初は盗撮・盗聴器類を取り付けてはシンヤに外されるを繰り返した後、数ヵ月に一度シンヤが思い出したように盗撮・盗聴器類を撤去するに留まるまでに進歩した(その翌日には新しい機器を設置している)とのこと。 リアルタイムでの映像収集も行っている。 前述の盗聴・盗撮に加え、シンヤの私物の窃盗も行っている。 更に「少なくともシンヤ君のことを守りきってくれるだろうから」と、夜子をシンヤの所に送り込むこともある。 本人によれば、シンヤの行く所・寄る所を全て網羅しているが、彼を捕捉することに関してだけは夜子にわずかに及ばないとのこと。 「15」の終盤、シンヤの依頼を受けて朝人が撮影していたスナッフビデオを夜子経由で入手したが、シンヤに渡す際の失言が原因で、ネットカフェでのシンヤと赤鐘の会話を盗聴していた事をシンヤに気付かれる。 賽子と黒へに対して何かしたのかというシンヤの問いかけに、「サイコ女(蓮墨賽子)とキツネ女(女狐黒へ)がとにかく困ればいいと思った、そのついでに吸血鬼と殺人鬼も困ればいいなと思った」という理由で、賽子に彼女が捜している物の情報をメールで2回教えた ことをシンヤに打ち明けた。 第3巻の発売を記念したプロモーションビデオでは、が十華役を務めた。 内田夢路(うちだ ゆめじ) 八日館高校に通学している女子生徒。 機械は好まず、携帯電話を持つようにシンヤに言われても拒否している。 シンヤの友人であり、彼のことを秕くんと呼ぶ。 下ろした黒髪を2つに束ねている。 生まれつき起きている事ができない体質で、1日の大半を眠って過ごしており、数日間眠り続ける事もある。 また、323Hzの声や音が聴こえた時、目が醒めたり眠りについたりする。 登校しているがから出た事がなく、寝姿を校内の生徒達に目撃されており、「眠り姫」のアダ名がついている。 を読むことが唯一の趣味。 「連続通り魔殺人事件」「如月市の殺人鬼」についてシンヤと話をしているが、彼に「当たらない推理ごっこ」と言われたことがある。 シンヤが「連続通り魔殺人事件」の5人目の犠牲者となった鈴木朝人の事を「天罰で殺された」と発言した際、シンヤを不謹慎と注意したが、彼の「当たらない推理ごっこするのも不謹慎じゃないのか」という反論に対しては「私には関係ない出来事」と返している。 奥居赤鐘(おくい あかね) 八日館高校に通学している女子生徒。 シンヤの友人にあたり、彼のことをシイナシンヤと呼ぶ。 日光に酷く弱い体故、日傘と日焼け止めがないと外出もままならず、晴れの日は絶対に登校しない。 ツインテールと夜目の利く瞳、白い肌と牙のような歯が特徴。 前述の容姿と人の生き血を啜って生きていることから、シンヤに「吸血鬼」と称されている。 過去に何度も「突如同級生に噛み付き血を吸った」として問題を起こしている。 血の味には好みがあるようで、シンヤのものは「美味い」と好んでいる。 御種迷(みたね めい) 苗字は違うがシンヤの妹であり、彼のことをお兄ちゃんと呼ぶ。 若干つりあがった大きな瞳と黒髪のショートボブが特徴。 城下女子高等学校に通学している。 シンヤに対して強い独占欲があり、「シンヤの携帯電話の履歴を調べて、知らない着信履歴を見つけると消去する」「異性の友達をつくる事を許可していない」 などシンヤを束縛しており、彼に依存している。 幼少からの面識があったなどの理由により、さつきの事は「超がつく特例(シンヤ談)」で許可しているが、シンヤの携帯からさつきのアドレスを「間違って」と称して消している。 連続通り魔殺人事件の犠牲者 [ ] この節のが望まれています。 官林理絵子(かんばやし りえこ) 母親と二人暮らしをしていた、広告デザイナーの女性。 名前と姿のみの登場。 享年29歳。 葛木の住宅街の用水路傍で死亡している所を発見された。 連続通り魔殺人事件の最初の犠牲者とされている。 小暮悠太(こぐれ ゆうた) 市内の食品販売会社に務めていた男性。 名前と姿のみの登場。 享年38歳。 自身が勤務していた会社所有の倉庫の駐車場で遺体が発見された。 連続通り魔殺人事件の2人目の犠牲者。 圓環(つぶら たまき) 市内にある総合病院の医療事務として働いていた女性。 名前のみの登場。 享年35歳。 泉町の雑居ビルの路上で遺体が発見された。 連続通り魔殺人事件の3人目の犠牲者。 浅間清香(あさま さやか) 春川中学校に通学していた女子生徒。 名前と姿のみの登場。 享年13歳。 萩原にある林道で血塗れの状態で倒れている所を発見された。 連続通り魔殺人事件の4人目の犠牲者。 鈴木朝人(すずき ともひと) 城下女子高等学校で勤務していた男性教師。 連続通り魔殺人事件の5人目の犠牲者。 享年26歳。 「『情熱的になり過ぎず、踏み込み過ぎず、かといって突き放し過ぎず、付かず離れず そこはかとなく程ほどに』のスタンスで大抵の事は上手くこなせる」を持論としており、生徒達からはそれなりに懐かれていると自負していたが、本性は女性を強姦して殺害することに興奮を憶える異常性癖の持ち主で、初登場時点で既に3人殺害していた。 十華に「人を殺める事に躊躇も罪悪感も無い」と指摘されている。 本人も独白で「ヒトの倫理は既に棄てている」「たとえ終点が破滅だと決まっていても、私は獣として生きる」と語っている。 スナッフビデオを撮っていたが、記録されたディスクが夜子によって持ち出され、十華経由でシンヤの手に渡り、最終的には女狐黒への手に渡った。 迷を4人目の標的に定めていたが、シンヤの依頼を受けた十華から4枚の写真を送り付けられ、これを無視した事で夜子を連れた十華に警告をされたが、これも無視して逆上、真由を4人目の標的として殺害、十華を5人目の標的に定めて真由の遺体を埋めて帰宅した後、待ち伏せていたシンヤにオモチャの銃を向けられ「引退」するよう警告され彼がその場から立ち去った後、外出した所をさつきにナイフで刺され死亡。 直江建牛(なおえ けんご) レンタルショップ店員の男性。 享年22歳。 名前と姿のみの登場。 なのはな公園の敷地内で遺体で見つかった。 連続通り魔殺人事件の6人目の犠牲者。 はすみメンタルクリニック [ ] この節のが望まれています。 蓮墨賽子(はすみ さいこ) はすみメンタルクリニックで勤務している精神科医の女性。 シンヤを少年(ボーイ)と呼んでいる。 酒に弱く、酔っている時に話した内容を全て憶えていない。 約15年前に発生していた「東京都辻斬り連続殺人事件」(後述)の犯人で、3人殺害していた。 赤鐘曰く、犯行動機は「世直しのつもりだった」3人殺害して犯行をやめた理由は「大学が忙しくなってきたから」。 自身の宝物としていた刀を何者か(賽子曰く「下らない連中」)によって盗まれ、その行方を捜している。 シンヤを呼び出して「狐」という名の人物と遭遇していないか質問した。 後に黒への友人と、その同業者を数人殺害している。 賽子からは「クラリッサ」、赤鐘からは「リサ」と呼ばれている。 マンションクローエ [ ] この節のが望まれています。 女狐黒へ(めぎつね くろへ) 眼鏡を掛けたポニーテールの女性。 マンションクローエの大家。 死体愛好者でシンヤにコレクションである死体の写真を無理やり見せた事があり 、シンヤに「現代に蘇った辻斬り事件」について質問して、彼が知らないと答えた途端、事件に興味があると思い込みマシンガントークを繰り広げた。 さつきと知り合いで、彼女を「さっち」と呼んでいる。 「ヤの付く者」をしていた友人 が何者かに殺害され、殺害現場の写真画像を見て、友人を殺害したのは「東京都辻斬り連続殺人事件」の犯人である辻斬りと確信。 シンヤに刀「霞のうた」を本当は何処で入手し誰の所有物だったのか、刀の刃先に錆びついた血は誰の物かを問い詰めたが、シンヤに「霞のうた」を返してほしいと頼まれた上に、さつきを守ってもらわないと困るから危ない事に首を突っ込み過ぎないようにと言われて腹を立てたが、シンヤが「霞のうた」は辻斬りの刀ではないと説明、「代わりを用意する」と発言した為これを了承した。 その他の人物 [ ] この節のが望まれています。 事件 [ ] 連続通り魔殺人事件(れんぞくとおりまさつじんじけん) 物語開始時点の半年以上前から如月市内で発生している連続殺人事件。 強盗目的でなく怨恨でもなく、被害者達は年齢・性別・職業が全て異なり接点も無く、唯一の共通点は「凶暴過ぎる」と夢路に評される程の殺害方法。 連続殺人と報道されているが、警察は一度も連続殺人という見解では発表しておらず、一部のメディアは独自に集めた情報を根拠に「連続殺人否定説」を推し出している。 東京都辻斬り連続殺人事件(とうきょうとつじぎりれんぞくさつじんじけん) 約15年前に発生していた連続殺人事件で、「現代に蘇った辻斬り事件」とも称されている。 被害者は「国の金で私腹を満たした強欲政治家」「女子供に薬を撒いた似非芸能人」「危険思想宗教団体幹部の女」の計3人。 学校 [ ] 八日館高校(ようかかんこうこう) シンヤ、夜子、雅美、さつき、十華、夢路、赤鐘、純太が通学している高校。 城下女子高等学校(じょうかじょしこうとうがっこう) 迷が通学している女子校。 朝人が勤務していた。 地名 [ ] 如月市(きさらぎし) 物語の舞台。 さつき曰く「田舎」。 大津町(おおつちょう) 名前のみ登場。 この町の河川近くの路上で、鈴木朝人の遺体が発見された。 葛木(かつらぎ) 名前のみ登場。 ここにある住宅街の用水路傍で官林理絵子が遺体で見つかった。 泉町(いずみちょう) 名前のみ登場。 この町の雑居ビルの路上で、圓環の遺体が発見された。 萩原(はぎはら) 名前のみ登場。 ここにある林道で、浅間清香の遺体が発見された。 東新川(ひがししんかわ) 名前のみ登場。 なのはな公園 東新川にある森林公園。 この公園の敷地内で、直江建牛の遺体が発見された。 その他 [ ] はすみメンタルクリニック 心療内科。 霞のうた 御種の家にあった刀。 黒へに渡すために、シンヤによって持ち出された。 シンヤ曰く「人斬りの刀ではなく、霞のうたが斬り捨てた命は自分と迷の母親」とのこと。 評価 [ ] 編集者の冨岡晶は本作の1巻について、「ライトな見た目ながらも、小説のような読み応えがある」と評した。 単行本 [ ]• 真田ジューイチ 『危ノーマル系女子』 〈メテオCOMICS〉、既刊3巻• 2013年1月10日発売• 2014年2月12日発売• 2015年8月11日発売 脚注 [ ] [] 注釈 [ ]• RBB Today. 2016年5月14日閲覧。 ナタリー. 2016年5月14日閲覧。 ナタリー. 2016年5月14日閲覧。 第3巻、63頁。 第1巻、25頁。 第1巻、24頁。 第3巻、142頁。 第1巻、156頁。 第3巻、33頁・103頁。 第1巻、69頁。 第1巻、70頁。 第3巻、3頁・34頁。 第1巻、71頁。 第2巻、「09」。 第1巻、80頁。 第1巻、104頁・105頁。 第2巻、「09」。 第3巻、85頁・87頁。 第3巻、99頁。 1巻・73頁参照。 第3巻・14、15頁。 第3巻、20頁。 第3巻、80頁。 第3巻、157頁・158頁。 関連項目 [ ]• 外部リンク [ ]• - 『COMIC メテオ』無料配信ページ.

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