エボラ ウイルス 日本。 コンゴのエボラついに終息へ、決め手はワクチン接種

エボラウイルスの日本上陸が近い?東京オリンピックの影響か?

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2014年に西アフリカを中心に発生したエボラウイルス感染症(いわゆる「」)は、その感染性や致死率の高さから、世界中を震撼させました。 日本でも、エボラウイルス感染症の疑いのある患者さんが出るたびに、「ついに日本にも第一号患者か?」と緊張が走ったことは、皆さんの記憶に新しいことと思います。 エボラウイルス感染症といえば、全身を防護服で固めて隔離・治療するイメージがあると思いますが、エボラウイルスの感染経路はどのようなものなのでしょうか? 空気感染する可能性はあるのでしょうか? アメリカで医師としてのトレーニングを積み、米国感染症専門医を取得し、現在中部アフリカのルワンダで働いている青柳有紀先生に教えていただきました。 エボラウイルス感染症の感染経路は? エボラウイルス感染症は、エボラウイルスの感染によっておこる病気です。 エボラウイルスに感染した患者さんの血液や体液(尿・唾液・糞便・吐物・精液など)には、ウイルスが排出されていることが知られており、患者さんの血液や体液に傷のある皮膚や体の粘膜(目や口など)が触れることで、エボラウイルスが感染します(「接触感染」)。 また、エボラウイルスが医療器具などに付着した場合、数時間から数日間は感染性を持ち続けることがわかっており、感染した患者さんの血液や体液に汚染された医療器具を介した接触(例えば、針刺し事故など)でも感染します。 エボラウイルスは空気感染しない エボラウイルスが「空気感染」することはありません。 ここで、「そもそも『空気感染』とはなにか」ということを理解していただく必要があります。 たとえ医療関係者であっても「空気感染」と「飛沫感染(ひまつかんせん)」の違いが十分に分かっていないことが多いのではないでしょうか。 その混乱が、エボラウイルス感染症への過度の反応の原因になっているのではないかと思います。 まず、「空気感染」とは、咳やくしゃみをしたときに飛ばされていく粒子(病原体を含む)が極めて小さく(5マイクロメートル未満)、長い距離(90cm以上)を拡散する感染のことです。 空気感染の場合は、長時間にわたって病原体が空気中を漂いながらも、感染する力を失わないので、その病原体を人が吸い込むことによって感染します。 空気感染を起こす代表的な病気として、・(みずぼうそう)・()などがあげられます。 一方で、「飛沫感染」とは、咳やくしゃみをしたときに飛ばされていく粒子(病原体を含む)が空気感染の場合より大きく(5マイクロメートル以上)、長い距離を拡散することはありません(90cm以下)。 空気感染とは違って粒子のサイズが大きいため、病原体は長期間にわたって空中を漂うことができません。 飛沫感染の場合は、この病原体を含んだ飛沫が人の粘膜や傷口に触れる事によって感染します。 飛沫感染を起こす代表的な病気としては、や(ひゃくにちぜき)などがあげられます。 ヒトに症状を起こすエボラウイルスは「空気感染」することはありません。 一方で、エボラウイルスが「飛沫感染」をするのかどうかははっきり分かっていません。 患者さんの体液や血液が、傷ついた皮膚や粘膜に接触することで感染する(「接触感染」)ことは間違いないのですが、「飛沫感染」も起こすかどうかという点は、専門家でも意見が分かれているところです。 エボラウイルスが変異して空気感染する可能性も低い 私自身はウイルスの専門家ではないのですが、「空気感染」をするような変異を起こす可能性は極めて低いというのが多くの専門家の共通見解です。 たとえば、もっとも権威のある感染症研究所の一つであるCDC(Centers for Disease Control and Prevention、アメリカ疾病管理予防センター)のウイルス分野専門家であるPierre Rollinは「エボラは変異しにくいウイルスである」と発言しています。 そもそもエボラが「空気感染」するという噂は、おそらくエボラウイルスを題材にしたリチャード・プレストンの「ホットゾーン」という著書に由来するのではないかと思います。 20年以上前に書かれたノンフィクションなのですが、その中で「レストン型」のエボラウイルスが空気感染する可能性が論じられています。 エボラウイルス属は下記の5つの型に分類されていますが、「レストン型」はその一種です。 ブンディブギョ• レストン• スーダン• ザイール• タイフォレスト(アイボリーコースト) 2014年以降猛威を奮っているエボラウイルスは「ザイール型」です。 一方で、作品の中で空気感染の可能性が指摘された「レストン型」のウイルスは、人に対して症状を起こすことがありません。 したがって、少なくとも人に感染して症状を起こすタイプのエボラウイルス(たとえば「ザイール型」)では空気感染を起こすことはないですし、今後も変異が起こって空気感染を起こすようになる可能性も低いと考えられます。 記事1: 記事2: 記事3: エボラウイルス感染症()が空気感染する可能性は? 記事4: 記事5: 記事6:.

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日本発のエボラワクチンを世界に届けるために:日経メディカル

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4円(1錠) 「アビガン」は、抗インフルエンザウイルス薬。 富士フイルムホールディングス傘下の富士フイルム富山化学が開発し、2014年に製造・販売の承認を得た。 ただし、国が新型インフルエンザの流行に備えて備蓄する特殊な治療薬で、一般に流通はしていない。 国は現時点で200万人分の備蓄を持ち、「タミフル」など既存のインフルエンザ治療薬が効かないような新型インフルエンザウイルスが流行した時に、初めて国がアビガンの投与開始を検討する。 流通していないため、薬価も設定されていない。 なぜ、このインフルエンザ治療薬が、新型コロナウイルスに対して有効だと考えられているのか。 インフルエンザウイルスは、(1)人の粘膜に吸着して細胞内に侵入し、自身の膜を破って細胞中にウイルスの設計図であるRNA(リボ核酸)を放出する。 これを「脱殻」という。 (2)放出されたRNAが、細胞内でさらにウイルスを生む。 これを「複製」という。 (3)そのウイルスが酵素の力を借りて細胞の外に出る。 これを「遊離」という。 これらのどの段階を阻止するかで、薬の種類が異なる。 このうちアビガンは、「複製」を助ける「ポリメラーゼ」と呼ばれる酵素の力を阻害する「RNAポリメラーゼ阻害薬」。 新型コロナウイルスもRNAの複製によって増殖するため、同様の阻害効果が期待されているわけだ。 厚労省によれば、2つの医療機関で投与の具体的な準備に入り、うち1つの機関で22日から投与を開始した。 アビガンのメリットは、条件付きではあるが国の承認が既に得られている点だ。 効果が確認され、新型コロナウイルスに対する承認が得られれば、すぐにでも投与が可能になる。 富士フイルムホールディングスは「アビガンの増産に関する検討要請が政府から来ているのは事実。 現在、検討中だ」としている。 ただし、アビガンは胎児に副作用があるため、妊婦には使用できない。

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日本に研究目的のエボラウイルスが“上陸”、オリンピック前に5種の「危険な病原体」が輸入された理由

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2014年夏にその流行のピークを迎えた西アフリカでのエボラウイルス感染症(Ebola Virus Disease, EVD)は世界に大きな教訓を残しました。 特に患者を救おうと寄り添う家族や、患者を助けようと支援する医療従事者の多くが感染し、亡くなったのです。 私はその流行を終息に向かわせようと国連はじめ世界中が取り組みはじめた2014年11月から約3ヵ月間、西アフリカのリベリア共和国でEVD対策に関わりました。 役割はWHOリベリア労働安全衛生コーディネーター(WHO National Occupational Health and Safety Coordinator for Liberia)です。 EVD終息に向けて取り組む現地の支援者(レスポンダー)の健康と安全に向きあいました。 この経験から、レスポンダーの命を守るためには、いかなる感染症が流行しても大丈夫なように、日頃の感染管理技術が、いかに重要であることを学びました。 本稿では、現地で見聞き経験したことから、特に感染症危機管理時に医療従事者の職業感染を防ぐことの重要性をレポートします。 図1 エボラウイルス感染症の臨床経過と病態 2013年末頃に始まった西アフリカにおけるEVDの流行は、ギニア、リベリア、シエラレオネ3ヵ国を中心に猖獗を極めました( 図1)。 これまでの感染者数は28,616名、うち死者数は11,310名、1万名以上の生還者がいます(2016年6月)。 驚くべき事に、流行が終息に向かった時期までに医療従事者のEVD感染は865名で、そのうち504名(死亡率58. 3%)の方が亡くなっています(2015年4月22日、WHO発表資料) 1)。 患者の治療にあたる医療従事者がこれだけ多く犠牲となっている感染症の流行は、近年になかったものです。 EVDは高い致死率、重篤な症状等の独特の疾患自然史に加え、厳格な感染管理、隔離を含む強制措置、特効薬または特異的な治療薬がないことなど、市民社会にも大きな心理的影響を与えます。 人的にも物的にも資源が限られた困難な状況下、現場でEVD対策にあたった支援者や、その支援者のご家族の気持ちはどのようなものだったか、想像を超えます。 EVDに感染した現地の医療従事者は、治癒して生還者となっても、また、家族や同僚をEVDで失っている犠牲者である場合も多いのです。 図2 リベリアで亡くなった医療従事者 2) リベリアでも多くの医療従事者がエボラウイルスに感染し、命を落としました( 図2) 2)。 明るく人柄がよく、患者から信頼されていた外科・産婦人科医であるDr. John Taban Dadaは、モンロビア市内の救急外来で、EVDで切迫流産した若い妊婦の救急対応時に感染し、2014年10月9日に亡くなりました。 リベリア出身で自国の医療改善に意欲のあった若い医師Dr. Thomas Scotlandは、ボランティアで診療にあたっていたモンロビア市内のエボラ治療ユニットで感染し、2014年10月18日に惜しまれて亡くなりました。 彼はエボラ治療ユニットで最後はせん妄状態となって、EVD患者でありながら「俺は医師だ」と叫んで他の患者に点滴をしようとしたり、夜中に泣きながらユニット内を徘徊したりしました。 感染する前の温厚な人柄の彼を知っている同僚は、彼の状態が日に日に悪くなっていく状態に涙しながら懸命に救命に取り組んだと聞きました。 感染経路は不明ですが、非常な混乱のなか治療ユニットで懸命に治療を行っている際に、患者の携帯電話が鳴り、患者の代わりに彼の親戚に状況を伝えようとした時に感染したのではないかともいわれています。 国連スタッフの臨床検査技師(以下、検査技師)も感染しています。 職業感染の発生状況を調査するため訪問した国連クリニックで、彼の感染の状況を聞く機会がありました。 彼はEVD患者の血液を真空採血管に分注する際に、針がシリンジから外れて飛び散った血液を顔面に浴びたのです。 ゴーグル、マスク、全身防護衣などを着用していましたが、脱衣する際に感染したと推測されています。 エボラウイルス感染症は、主に患者からの湿性生体物質である血液、体液に直接触れることで感染するため、接触感染予防策が基本です。 加えて針刺し切創など鋭利器材による損傷も感染経路となるため、針刺しに対する予防策も重要です。 欧米では二次感染が報告されています 3)。 医療従事者の患者との接触は米国147名、スペイン66名でしたが、特に重症患者の体液と接触した3名(米国2名、スペイン1名)に発生しました。 感染した医療従事者の特徴は、勤務している場所が事前に訓練された特別な医療機関ではなかったこと、アフリカ外での診療経験が少ない時期(2014年9月)に発生したこと、感染経路は不明ですが、同僚がPPEの着脱や、医療行為などの行動を確認する仕組みがなかったことなどが明らかとなっています。 図3 国連エボラ緊急対応ミッションのフレーム 図4 WHO労働安全衛生コーディネーターとしての主な活動 国連は、国連エボラ緊急対応ミッション(UN Mission for Ebola Emergency Response: UNMEER)を立ち上げ、患者の隔離と治療、積極的疫学調査、安全な埋葬、エボラに関する社会啓発などの分野から、全方位的にその終息に取り組みました( 図3)。 そのため、現地ではアフリカ、欧州、北南米、アジア出身の多様な国際コンサルタントが参加した緊急時対応組織が形成され、平時は20名前後だったWHOリベリア事務所には、EVD発生以降200名近い人々が活動していました。 派遣前に想像していた私のミッションはEVD治療に関わるスタッフの職業感染予防でしたが、WHO労働安全衛生コーディネーターとしての活動は幅広いものとなりました。 図4には、私の主なる3つの活動を示しました。 職業感染予防に関する活動もこの中に含まれます。 図5 エボラ治療ユニットETUの様子 左・図6 エボラ対策用個人防護具の着脱訓練の様子 右・図7 模擬ETUでEVD生還ボランティアを前に研修 図8 EVD患者からの血液採取に関する説明書 エボラ対策チームに対する安全衛生の技術的助言活動の一つとして、エボラ治療ユニット(Ebola Treatment Unit, 以下ETU)にも幾度も訪問しました( 図5)。 ETUはリベリア保健省がWHOの支援で設置したものをはじめ、国境なき医師団(MSF)、欧米各国からの政府、NGO支援のユニット等が数多く設置されました。 私が入ったETUには、約20名の患者が隔離されていました(ピーク時には100名以上の患者を隔離)。 ETUでのトレーニングの様子を 図6~7に示します(研修の詳細は拙稿を参照 4,5))。 接触感染予防策が重視され、毎日手洗い訓練が行われるとともに、個人防護具の脱着訓練が繰り返し行われます( 図6)。 整備された模擬ETUでは入室から退室の訓練をし、加えてボランティアのEVD生還者の協力を得ながら診療の訓練を行います。 ゴーグルとマスクを着用しながら、医療面接、処方の対処方針の決定、静脈内補液などをシミュレーションし、会話や行動などが大きく制限されることを学びます( 図7)。 トレーニングではエボラの診断や治療に関して、そして安全な血液の採取方法に関する教育も受けます( 図8)。 エボラ患者の確定診断は、患者血液からの病原体遺伝子の検出(RT-PCR)です。 したがって、患者から安全に血液検体を採取しなければなりません。 西アフリカでの流行時、エボラウイルス曝露によって緊急的に観察対象となった支援者の多くは、ユニット内での針刺し切創などの血液体液曝露が原因でした。 ETUでは患者からの採血には最新の注意が払われており、採血前の環境整備や訓練された検査技師が担当することの重要性が繰り返し教育されていました。 また、採血器材はすべて安全機構付き製品が導入されており、人的支援だけでなく、治療に関連した機材も最新式のものが導入されていたことに驚きました( 図9)。 現地では検査技師を対象とした研修プログラムにも参加し、労働安全衛生の視点から、グループワークを通じて安全な採血方法について、現地スタッフとともに検討しました( 図10)。 今回のEVDの流行では、その対策にあたる多くの支援者、労働者の方が亡くなりました。 感染症対策緊急時の支援者(レスポンダー)の安全と健康確保は、国際的な支援の中でもより一層重視されてきています。 緊急時の支援は多様な専門家や非医療者を含めて対応チームが作られます。 その際、レスポンダーが現地でマラリアに罹患し死亡する、エボラ患者の治療中に針刺しなどでエボラウイルスに曝露するなどの職業上の健康障害の発生は、対応チームの士気やその能力発揮、費用・時間を含めて大きな損失を生じます。 現地において緊急時の対応チームの安全健康管理の優先度を整理し対応することは、そのチームの能力を最大限発揮するために重要です。 今回のエボラ現地支援のなかで、緊急時の職業感染管理対策は、日頃の訓練と、今ある感染管理技術がとても大切だということも学びました。 適切な手洗いは、数日学んだだけでは身につきません。 PPEの着脱も慣れが必要です。 懸命に患者を治療している同僚が職業感染で命を落とす場面を経験する前に、緊急時であっても自分を守り、同僚を守りながら、患者の治療に専念できる、そういう労働環境を作っていくことが、国際緊急支援であっても、また感染症危機感としても水準の高い医療を提供しているといえるのではないでしょうか。 職業感染等を含む支援者や労働者の健康障害のリスクを減らすには、現地に行かないことがその際たるものです。 しかし、逆にそのリスクの場面に飛び込むことによって、死に直面している命が救われ、人道支援としての価値が生まれ、新しい知見が生まれます。 支援者の安全健康支援は、その支援価値を最大限に高めるために、大きな役割があると実感しています。 引用文献 1)WHO. Health worker Ebola infections in Guinea, Liberia and Sierra Leone, Preliminary report. who. Remembering health workers who died from Ebola in 2014. The Lancet 2014;384 9961 :2201-2206. 3)Uyeki TM, Mehta AK, Davey RT , et al. ; Working Group of the U. —European Clinical Network on Clinical Management of Ebola Virus Disease Patients in the U. and Europe. Clinical management of Ebola virus disease in the United States and Europe. N Engl J Med 2016;374:636—46. 4)吉川徹.西アフリカにおけるエボラ臨床ケア研修の実際 1 :COLDトレーニング. 労働の科学2015;70 3 :166-172. 5)吉川徹.西アフリカにおけるエボラ臨床ケア研修の実際 2 :HOTトレーニング. 労働の科学2015;70 4 :224-230.

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