台風15号 被害。 台風15号により被害を受けられた皆様へ

【台風15号】千葉市で57・5メートル暴風 県内観測史上最大

台風15号 被害

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2019年9月、千葉県を襲った台風15号にともなう風倒木は、広範囲で電線を寸断し、長期間に及ぶ停電をもたらしました。 私自身、1週間に及ぶ停電の中、復旧救援のために駆け回りつつ、被害の状況を観察して回りました。 今回の倒木多発の原因について、放置人工林の問題が、SNSやメディアでもずいぶんと取り上げられています。 特に、 樹幹内部が腐朽する溝腐れ(みぞぐされ)の生じた杉の人工林について、これを長年放置した行政への批判が目立ちます。 「病気の木々を放置した行政の怠慢」とか、「接道部分の木々は予防的に伐るべきだった」というコメントが、森林専門家を称する人たちからも発信されています。 このような自然の摂理の本質からかけ離れた論調が注目されていることに、非常に危機感を感じ、この機会に今回の風倒木と放置人工林のこと、少しお話しいたします。 ねじれながら成長する山武杉。 このブログに掲載した写真は、特記以外台風15号後に撮影。 材として強度も高く、江戸時代からブランド材だったのです。 この山武杉は、ねじれながら成長するところに特徴があります。 ねじれることで樹幹組織は非常に硬く、かつしなやかな最高クラスの杉材となり、かつては銘木として扱われてきました。 地元の古い大工は今も、「山武杉を一度使ったら、もう他の杉は使う気にならない」と言います。 特に樹齢数百年の山武杉材は構造材としてだけではなく、さまざまな造作材としても重宝されてきました。 ところが近年、この山武杉の多くに、通称「溝腐れ病」という樹幹内部の腐朽が進んでいることが指摘されてきました。 溝腐れ病は、感染性の病気ではありません。 真の理由は、山武杉独特の幹のねじれ成長と、放置林という今の環境自体に問題があるのです。 木が幹をよじりながらねじれて成長する際、樹皮を巻き込んでいきます。 本来の健康な状態の山武杉であれば、ねじれ部分はすぐに癒合して一体化していきますが、不健康な状態の山武杉の場合、樹皮を巻き込んだ部分が癒合せず、そこからゆっくりと腐朽が始まるのです。 樹幹内の腐朽は山武杉に限らず、高齢になれば必ず生じるもので、それ自体は、製材価値という基準を除けば何も問題ではなく、自然界の常のことなのですが、木々が健康に生育できない状態であれば、若齢のうちに腐朽が始まってしまいます。 戦後に植樹された山武杉の、樹齢30年に満たないものから溝腐れがはじまりました。 最近の植樹ではますます早期に激しいねじれが生じて腐朽が進み、人工林として成立しえない例も非常に増えてきました。 山武杉の溝腐れ増加の原因について、「挿し木での植樹のせい」という論調がよく聞かれます。 実際、実生苗と違って挿し木苗の場合、直根が伸びにくく根が浅い傾向があります。 しかしこれも問題の本質ではありません。 山武林業地では江戸時代から挿し木での植林が行われてきました。 では昔と今とで何が違うのでしょうか。 かつての挿し木苗の植林では、健康に育つための環境を、人為的に作ってきました。 それに対し、特に最近は、周辺環境を含め、木が育つための土地のきめ細かな環境条件を考えることなく、画一的な手法で植樹しています。 その違いが杉林の健康状態に大きな差を生み出しているのです。 千葉市緑区。 畑の中に残されたスギ林。 台風の際も大きな幹折れはなかった。 台風後、吹きさらしの平野に存在する山武杉の人工林の中には、ほとんど倒木のない箇所もあれば、壊滅的な幹折れや倒木が発生した箇所もあります。 溝腐れが倒木の原因と言うのであれば、この違いを説明することはできません。 また幹折れは、幹の太さに対して過剰に樹高を伸ばしてバランスを崩したり、傷んで樹液の流れが滞って幹が乾燥し、柔軟性を失った不健全な個体に発生します。 同様に虫の穿孔も、それ自体が台風による大規模な幹折れや倒木発生の原因とは言えず、やはり不健康な状態を作ってしまった環境自体から考えていかねばなりません。 千葉市若葉区。 不健全な人工林で間伐を実施後、3年を経過したところに起こった台風被害。 上の写真は放置状態の人工林に強度の間伐が行われた箇所です。 不適切な間伐によって残った杉は、日照、風の差し込みの変化、土壌表土の乾燥などによって、ますます樹液の流れを悪化させていました。 そこに起きた台風によって、道路境界周辺の木々以外、壊滅的な幹折れが発生したのです。 伝統的な山武杉が植林されたのは、広大な田畑が開墾された平坦地、あるいはなだらかな丘陵地でした。 風が強く乾燥しやすい土地のため、尾根筋や谷筋、道路沿いや敷地の境界には、松やカシなどの高木樹林帯を外周林として残しながら、その陰で適度な面積で植林し、徐々に広げてきたのでした。 台風での倒木を免れた山武杉。 台風での倒木、幹折れは一切なかった林分です。 写真手前のひときわ太い杉の列が境界木です。 植樹の際、外周の境界木をきちんと残しながら、植樹が行われていた、かつての山武林業の名残です。 左前面の太い樹々が境界樹林帯。 こちらも境界樹林帯の名残です。 境界木の在り方は地域によって差がありますが、山武林業地域の場合は伝統的に、所有者が自分の土地の際にそれぞれ境界木を植えるため、2列の境界林が生じます。 その間に雑木も進入するので、 多種混交林のラインが生まれるのです。 この境界としての外周林は、江戸時代には松が多用されました。 下層に進入したさまざまな広葉樹は、雑木として日常の資材として用いられていました。 尾根筋や道脇など環境上の大切な要のラインは、防風林、環境保全林のように大切な緑地帯が残されますが、これがこの地域の土中環境を豊かに保つための智慧でもあったのです。 境界木が健全な状態を保つ林分では、倒木や幹折れの発生はほとんど見られませんでした。 今回の台風15号で、人工林が交通を分断し、電線を壊す危険因子として見なされる風潮がますます高まってしまいました。 里や街の樹林は人工林ですが、多少の倒木や幹折れが発生しても、樹林が地域に点在することで、台風の猛威を大きく緩和する、見えない働きをしていることを忘れてはなりません()。 海風が吹き込む海岸沿いに比べて、内陸のほうが家屋の屋根や電柱、送電線などの被害が少なかったのは、点々とでも樹林が存在することで風速が大きく緩和されているということを知る必要があります。 ところが、道路拡幅や風倒予防対策で、風や日照を受け止めてきた境界木が伐採されると、放置人工林は急に乾燥し、今回の台風15号の猛威の前に壊滅的なまでの幹折れにつながってしまうのです。 外周となる境界林は環境の要と言えるでしょう。 境界木を伐らずに植林してきた、かつての智慧が忘れ去られ、その大切さが顧みられなければ、ますます危険で住みにくい環境へと変貌してゆくことでしょう。 栃木・日光の杉並木。 江戸時代、日光街道を整備する際に、道を守る環境林として植樹されたのが「日光杉並木」です。 かつては道路ぎりぎりに溝を掘り、掘った土を両脇に盛り、そこに高木樹種の苗木を植えていきました。 ここに限らず、かつての街道は、樹木の力で道を守ってきました。 この環境が悪化すれば当然、倒木や幹折れも起こりますが、樹林帯がよい状態で保たれていれば、台風などの強風も和らげ、めったなことでは倒木にいたりません。 仮に倒木が起きても、反対側の枝葉に引っかかってとどまり、通行のリスクは軽減される。 そんな目的で街道緑地はつくられてきました。 千葉市緑区。 台風15号による道路沿いの倒木。 今回は幹折れが発生し、多くの電線に被害をもたらしました。 しかし、多くは街道緑地の境界木に引っかかってとどまりました。 こうした場所では通行の回復は、それほど大変な作業ではありませんでした。 もし境界木がなければ、周囲の木々はもっと大きな加速度をもって道路に倒れこんだでしょう。 その状況を想像すると、境界木のありがたさが分かります。 しかしながら今、道路沿いの倒木や幹折れが、電線被害をもたらした面ばかりを短絡的にとらえて、危険木として伐採すべきと言う論調が増えていることは残念ですし、危機感を覚えます。 「接道5m以内の高木は伐採すべき」というコメントが、SNS上で多数シェアされていました。 町の環境を台風からも守り、大地深くに根を張って洪水をも緩和してくれている樹木に対し、電線を守るために伐採すべきというのは、接道の樹木を大切に守り育ててきた先人の智慧を知らない論調だと思います。 境界木を伐ってしまえば、風速を緩和してくれる役割を担う林そのものが崩壊し、台風の際にはトタンや看板など、さまざまな飛来物を受け止めるものもなく荒れ狂う、危険な環境になってしまうでしょう。 そもそも、何の景観要素にもならない電柱・電線のような架設物をそのまま張り巡らす、先進国ではありえない状況を、この機会に考え直すべきです。 縦横無尽に張り巡らされる電線を守るために樹木を伐るなど、本末転倒と言うべきでしょう。 千葉県山武郡。 台地に点在する家屋と屋敷林。 このような環境下では、屋根はじめ建物被害は少ない。 点在する森というべき屋敷林の存在が、地域全体の風速緩和に大きく役に立っているという事実を忘れてはなりません。 平坦で乾燥しがちな台地が続く千葉県中西部。 かつてこの土地で暮らすためには、防風のための屋敷林が不可欠でした。 台風が大型化し、災害が多発する今だからこそ、樹木が健康に育つ環境を取り戻し、樹木を活かすことで安全な生活環境を作ってゆくこと。 これを多くの方々と考えていきたいと思います。 千葉市緑区。 ソーラーパネルと山武杉林の崩壊。 県内を回った時の事例をいくつか紹介します。 まず農地にソーラーパネルを敷き詰めた発電所の向かいの山林崩壊の様子です。 パネルの照り返しが木々を傷める上、パネルを伝って地表に流れ落ちた水が地表を削り、泥水となって周辺の土地に流れ込み、表土の微細な空隙を塞いてしまうことがまた、周辺環境をも悪化させます。 こうしたところでは、脆弱な放置人工林は真っ先に崩壊していきます。 埋め立てた土地周辺の山武杉人工林の幹折れの様子。 千葉県は東京近郊であるゆえに産業廃棄物の不法投棄が絶えません。 おおよそ、山林地域に不法投棄は集中します。 その場所が山林崩壊の甚大な地域とも重なる面があるように思います。 農地を転用し、さまざまな廃棄物を埋めてしまったことは、周辺の匂いからも分かることです。 あまりにも粗雑で、環境にとっても有害な土地利用の縁に位置する木々もまた、短期間で痛み、崩壊していきます。 元農地のキワの山林崩壊の様子です。 埋め立てたのはわずか1年前なのですが、たった一年で周辺環境はがらりと変貌し、崩壊した林地はもはや森に戻ることはなく、何も生みださない荒れ地となっていきます。 巨大台風直撃でもなお、何事もなかったように佇む山武杉の境界木です。 幹折れも倒木もせずに存在する光景を目の当たりにすると、「木材価値がないから伐採すべき」という論調が、いかに人間の身勝手な考えであるか感じざるを得ません。 思考を停止して、破壊と建設を繰り返す傲慢な発想ではなく、今あるいのちの営みを尊重し、木々をより健康にする多種共存の環境へと導いてゆくためにどうすべきか。 そんな発想から始めることが大切です。 千葉市若葉区、山武杉とカシの混交林。 山武郡周辺地域の人工林には、挿し木の杉の間にカシやシイを混交して育成した名残があり、大切なことを伝えています。 それは、広葉樹も杉と競争しながら まっすぐな樹幹となるということです。 そのように育った材は、太いものは家屋の床下の大引き材に用い、細いものは荷馬車の柄の材料などに使われました。 こうした混交林育成は、挿し木苗だけの植林の環境的な弱さを補ってくれます。 根の浅い挿し木苗の杉と、深く根を張るカシやシイの根が、土中で絡み合うことによって、水と空気が行き来する健全な環境が深くまで育っていきます。 表土も乾燥しにくい良い環境のもと、杉も健康になり、溝腐れすることなく、ブランド材として良材になります。 安全で豊かな「杜」は、人工林でも可能なのです。 山武杉とカシの混交林。 台風15号直撃後である。 上の写真は戦前から続く人工林で、放置されても健全な環境がかろうじて保たれています。 30mの高木群は、一部幹折れしながらも強風を緩和し、人知れず周辺環境を守っていました。 このことを知る人は少ないでしょう。 見えない木々の働きに「おかげさま」と、そう思える心から、私たちは取り戻していきたいと思います。 山武杉とカシをはじめとする広葉樹混交林からは、挿し木苗を健康に育てつつ、やせた吹きさらしの台地を守ってきたかつての智慧の深さを感じます。 こうした人工林においては土中の環境も自然の森と同様に育ってゆくことが多く、台風でも林分が崩壊するという事態には至りません。 今ある広大な山武杉植林地を伐採して再植林しても、現代の技術と視点では決して良い環境にはならず、ますます国土の荒廃を進めることになるでしょう。 現場を見ている私たちにははっきりと感じられてしまうのです。 では現在の環境をスタート地点にしてどう育ててゆくか。 松や雑木林を活かしながら、無理なく挿し木の杉を増やし、風が強く乾燥する痩せた台地土地を育み、ブランド材を産出する有名林業地にまで育て上げ、その営みを数百年にわたって持続させてきた、そんなかつての智慧を、今の社会はどのようにしたら取り戻せるでしょうか。 奈良・吉野山、奥千本 誤った伐採植樹に伴う環境の荒廃。 また長いブログになってしまいましたが、最後に、日本屈指の林業地である、奈良県吉野山、奥千本で起こっていることを紹介します。 戦後の拡大造林によって植え過ぎた杉を大量伐採し、広葉樹を植える取り組みが全国で行われています。 ここでは数年前から桜の植樹が行われてきました。 しかしながら環境の荒廃は進み、植樹された苗木が健康に生育できない箇所が非常に多く見られます。 当然です。 密植された放置人工林をいきなり伐採し、地表を大面積にわたってむき出しにしてしまえば、そこから急速に土中の環境が劣化するからです。 山道の際に植えられていた境界木が伐採された切り株。 環境の要である境界木さえ伐られ、人間が目的とする樹種のみ一斉に植える森林施業が、全国至るところで行われています。 作業効率を優先し、智慧を忘れ、今生きている木々への畏敬の念も持たない。 心無い森林管理の先には、更なる環境の悪化しかないでしょう。 岩に張り付いていた大木の根元の剥離。 境界木伐採後、土中環境が悪化したことによる乾燥が原因。 事実、境界木を伐採してわずか数年で、残された森林の岩盤の台地が呼吸しなくなって乾燥してしまいました。 岩に張り付いて健全に生きてきた大木も、はがれるように倒木していきます。 桜を植樹した隣地の杉林もまた、乾燥して幹折れがはじまり、林分が崩壊してゆきました。 その間わずか数年のことなのです。 つまり、杉林がバタバタと幹折れするのはなにも溝腐れの起こした山武杉に関係なく、どこにだって生じることなのです。 それは、周辺環境を悪化させてしまったり、健全な人工林を育てる配慮が足りなければ、どこでも短期間で起こりうることなのです。 いま生きている樹木を尊重し、くらしの環境をともに守るためにはどうすべきか。 山武杉、人工林が悪いとか、接道部分の木々は伐れとか、そのような論調が今後ますます土地の力を劣化させて、危険で暮らしにくい環境に繋がってゆくことを危惧して、このブログを急遽投稿いたしました。

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【台風15号】千葉市で57・5メートル暴風 県内観測史上最大

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強風でビニールがはがれたパイプハウス=伊勢原市下平間 [写真番号:851902]• 県栽培漁業協会が水槽で飼育するアワビは停電による被害を受けた=三浦市三崎町城ケ島 [写真番号:851903]• 激しく損壊した「南本牧はま道路」=12日午前9時半ごろ、横浜市中区の南本牧ふ頭 [写真番号:843716]• 管理棟が被災し、桟橋が落下した本牧海づり施設=9日、横浜市中区の本牧ふ頭 [写真番号:843717]• 台風15号による高波で東京湾に面した横浜市金沢区の護岸が崩れ、隣接する工業団地に海水が流れ込んだ。 多くの工場や事業所で機械が損壊するなどの被害が出ているが全容は分かっておらず、復旧の見通しも立っていない [写真番号:843706]• 高波を受けて1階部分が被災した工場=11日午前9時35分ごろ、横浜市金沢区 [写真番号:843707]• 台風の高波を受けて崩壊した護岸=11日午前9時55分ごろ、横浜市金沢区 [写真番号:843708]• 護岸が損壊して大量の海水が流れ込んだ工場団地=11日午後0時10分ごろ、横浜市金沢区 [写真番号:843709]• 正門入り口の門柱に倒れ掛かったヒノキ=明月院 [写真番号:843704]• 境内の倒木に驚く男性=12日午後1時ごろ、鎌倉市佐助2丁目 [写真番号:843847]• 重機も使い、倒木を撤去する自衛隊員=11日午前9時25分ごろ、鎌倉市二階堂 [写真番号:843705]• 強風で倒れ、道路をふさいだ電柱や木=10日午後6時5分ごろ、鎌倉市二階堂 [写真番号:841325]• 土砂崩れや倒木で停電が続いている鎌倉市二階堂=10日午後6時25分ごろ [写真番号:841330]• 台風の影響で土砂崩れが起きた栄光坂=鎌倉市玉縄 [写真番号:841329]• 屋根などが損壊し、落下物による被害が出た現場=横浜市内(住民提供) [写真番号:843848]• 三浦市内では10日も、電線が垂れ下がって通行止めになった市道があった=10日午後0時15分ごろ、三浦市三崎町城ケ島 [写真番号:841326]• 停電で臨時休館した横須賀美術館=横須賀市鴨居 [写真番号:841328]• 停電で営業を中止した観音崎京急ホテル=横須賀市走水 [写真番号:841327]• ガラス窓が割れたホテル「マホロバマインズ」のレストラン=9日午前8時40分ごろ、三浦市南下浦町上宮田 [写真番号:841091]• 倒木で道路がふさがれた米海軍横須賀基地の三笠ゲート前=9日午前9時10分ごろ、横須賀市稲岡町 [写真番号:840517]• 園内の公衆トイレの屋根にケヤキが倒れた厚木市の山中陣屋跡史跡公園=9日午後1時ごろ、同市下荻野 [写真番号:840716]• 倒木のため、通行止めとなった国道412号=9日午前11時20分ごろ、愛川町田代 [写真番号:840518]• 鎌倉市と逗子市をつなぐ小坪トンネルの逗子側で起きた倒木=9日午前10時20分ごろ、逗子市 [写真番号:840257]• 倒木によってふさがれた歩道=午前9時55分、平塚市の八幡山公園 [写真番号:840631]• 逗子海岸では解体中の海の家の建材が散乱し、国道134号の信号機の支柱がへし折れていた=9日午前9時半ごろ、逗子市新宿1丁目 [写真番号:840566]• 飛ばされた海の家の屋=9日午前9時半ごろ、逗子市新宿 [写真番号:840256]• 倒れた信号機=9日午前9時半ごろ、逗子市新宿 [写真番号:840255]• 支柱がへし折れた国道134号の信号機=9日午前9時半ごろ、逗子市新宿1丁目 [写真番号:840567]• 三浦海岸の海の家が倒れ、通行止めとなった国道134号=9日午前9時20分ごろ、三浦市南下浦町上宮田 [写真番号:841092]• 倒壊した三浦海岸海水浴場の海の家=9日午前9時半ごろ [写真番号:840507]• 倒壊した三浦海岸の海の家=9日午後0時20分ごろ、三浦市南下浦町上宮田 [写真番号:840508]• 台風の被害を受けたライブ会場=9日午後1時50分ごろ、三浦市南下浦町上宮田 [写真番号:840514]• 多くの建物が損壊した三浦市三崎の下町地区=9日午後0時15分ごろ [写真番号:840512]• 窓ガラスが割れたワゴン車=9日午後0時40分ごろ、三浦市南下浦町上宮田 [写真番号:840511]• 天井の一部が崩落したガソリンスタンド=9日午後0時55分ごろ、三浦市南下浦町上宮田 [写真番号:840515]• 歩道に落下した手すりの一部=9日午後1時ごろ、三浦市南下浦町上宮田 [写真番号:840510]• 大きく傾いた道路標識と駐車場のフェンス=9日午後1時10分ごろ、三浦市南下浦町上宮田 [写真番号:840516]• 台風15号の影響で水没した山下公園の沈床花壇=9日午前、横浜市中区 [写真番号:840608]• 台風による強風で落下した御成通りの看板=9日午前10時ごろ、鎌倉市御成町 [写真番号:840297]• 御成通り出入り口のアーチが倒壊し、近くのビルの窓ガラスを直撃した=9日午前10時10分ごろ、鎌倉市御成町 [写真番号:840521]• 倒壊した御成通り出入り口のアーチの解体撤去作業が進められた=9日午前11時15分ごろ、鎌倉市御成町 [写真番号:840298]• 強風で落下した飲食店のひさし部分=9日午後、川崎市川崎区 [写真番号:840520]• 台風による強風で路上に落下した看板=9日午前7時前、横浜市中区 [写真番号:840184]• 台風15号の風により落下した看板=9日午前7時20分、横浜市中区山下町 [写真番号:840513]• 足場の一部が崩れた工事現場=9日午後3時半ごろ、横浜市金沢区 [写真番号:841093]• 一部倒壊した建設中の工事現場=9日午前6時35分、横浜市西区みなとみらい [写真番号:840154]• 一部倒壊した建設中の工事現場=9日午前6時36分、横浜市西区みなとみらい [写真番号:840159]• 一部倒壊した建設中の工事現場=9日午前6時43分、横浜市西区みなとみらい [写真番号:840162]• 一部倒壊した建設中の工事現場=9日午前6時45分、横浜市西区みなとみらい [写真番号:840157]• 台風15号の影響で足場などが崩れ資材が散乱したとみられるJR相模線沿いの工事現場=9日午前8時ごろ、海老名市泉1丁目 [写真番号:840185]• 台風による強風で傾いた街路樹=9日午前5時すぎ、横浜市中区 [写真番号:840230]• 台風15号の影響で道をふさいだ倒木=午前6時25分、横浜市本町2丁目 [写真番号:840186]• 台風の影響で折れ曲がった作業用クレーン=9日午前8時ごろ、平塚市紅谷町 [写真番号:840296]• JAグループ神奈川ビル前では街路樹が軒並み倒れていた=9日午前10時10分ごろ、横浜市中区 [写真番号:840238]• 冠水する道路=9日午前6時26分、横浜市西区みなとみらい [写真番号:840161]• 冠水する道路=9日午前6時30分、横浜市西区みなとみらい [写真番号:840153]• 冠水した道路=9日午前6時35分、横浜市中区 [写真番号:841094]• 台風15号の影響で冠水した道路=9日午前7時35分ごろ、横浜市中区山下町 [写真番号:840519]• 台風15号による強風を受けて横転したトラック=9日午前7時半ごろ、横浜市中区の山下ふ頭 [写真番号:840176]• 台風15号による波で押し流され、重なり合う数多くの中古自動車=9日正午ごろ、横浜市中区の南本牧ふ頭 [写真番号:840389]• 船舶が衝突して損壊し、通行止めとなった南本牧はま道路=9日正午ごろ、横浜市中区の南本牧ふ頭 [写真番号:840388]• 漂流した浮きドック(第3管区海上保安本部提供) [写真番号:841095]• 係留索が切れて漂流した旅客船「シーバス」。 横浜港内で衝突したのか船体が損傷している=9日午前7時50分ごろ、横浜市中区 [写真番号:840222]• 係留索が切れ、横浜港内で漂流した旅客船「シーバス」。 自走で桟橋に戻った=9日午前7時半ごろ、横浜市中区 [写真番号:840223]• 台風の影響で混雑する道路=9日午前7時半ごろ、横浜駅東口 [写真番号:840180]• 道路も大渋滞=9日午前7時半ごろ、横浜駅東口 [写真番号:840175]• 「架線切断が発生したため、始発から運転を見合わせています」との張り紙が掲げられた相鉄線横浜駅=9日午前7時ごろ [写真番号:840160]• 切れた架線の復旧作業が行われている相鉄線=横浜市旭区 [写真番号:840231]• 改札口前で運転再開を待つ人たち =9日午前6時55分,横浜駅 [写真番号:840155]• 改札口前で運転再開を待つ人たち =9日午前6時55分、 横浜駅 [写真番号:840158]• 運転再開を待つ人たち=9日午前7時10分ごろ、横浜駅 [写真番号:840156]• 台風の影響で鉄道各社の運転見合わせが続く中、改札前で長蛇の列を作って運転再開を待つ利用客=9日午前7時45分ごろ、横浜市西区の横浜駅 [写真番号:840232]• 多くの人が並んだタクシー乗り場= 9日午前6時59分、横浜駅西口 [写真番号:840174]• 大勢の人が並んだタクシー乗り場=9日午前7時ごろ、横浜駅西口 [写真番号:840173]• 電車の運転再開を待つ人々=9日午前10時20分ごろ、横浜駅 [写真番号:840300]• 京急線は改札規制を行い、長蛇の列ができた=9日午前10時20分ごろ、横浜駅 [写真番号:840299]• JR各線の運転再開を待つ駅利用客ら=9日午前8時ごろ、JR大船駅 [写真番号:840509]• 改札前から駅前バスロータリーまで伸びた通勤客らの列=9日午前8時15分、JR平塚駅 [写真番号:841096]• 京急新逗子駅で電車を待つ通勤客ら=9日午前10時15分ごろ、逗子市 [写真番号:840258]• 乗客が詰めかけた東急東横線横浜駅=9日午前10時40分ごろ [写真番号:840259].

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台風15号にともなう風倒被害と山武杉(さんぶすぎ)のお話│地球守

台風15号 被害

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2019年9月、千葉県を襲った台風15号にともなう風倒木は、広範囲で電線を寸断し、長期間に及ぶ停電をもたらしました。 私自身、1週間に及ぶ停電の中、復旧救援のために駆け回りつつ、被害の状況を観察して回りました。 今回の倒木多発の原因について、放置人工林の問題が、SNSやメディアでもずいぶんと取り上げられています。 特に、 樹幹内部が腐朽する溝腐れ(みぞぐされ)の生じた杉の人工林について、これを長年放置した行政への批判が目立ちます。 「病気の木々を放置した行政の怠慢」とか、「接道部分の木々は予防的に伐るべきだった」というコメントが、森林専門家を称する人たちからも発信されています。 このような自然の摂理の本質からかけ離れた論調が注目されていることに、非常に危機感を感じ、この機会に今回の風倒木と放置人工林のこと、少しお話しいたします。 ねじれながら成長する山武杉。 このブログに掲載した写真は、特記以外台風15号後に撮影。 材として強度も高く、江戸時代からブランド材だったのです。 この山武杉は、ねじれながら成長するところに特徴があります。 ねじれることで樹幹組織は非常に硬く、かつしなやかな最高クラスの杉材となり、かつては銘木として扱われてきました。 地元の古い大工は今も、「山武杉を一度使ったら、もう他の杉は使う気にならない」と言います。 特に樹齢数百年の山武杉材は構造材としてだけではなく、さまざまな造作材としても重宝されてきました。 ところが近年、この山武杉の多くに、通称「溝腐れ病」という樹幹内部の腐朽が進んでいることが指摘されてきました。 溝腐れ病は、感染性の病気ではありません。 真の理由は、山武杉独特の幹のねじれ成長と、放置林という今の環境自体に問題があるのです。 木が幹をよじりながらねじれて成長する際、樹皮を巻き込んでいきます。 本来の健康な状態の山武杉であれば、ねじれ部分はすぐに癒合して一体化していきますが、不健康な状態の山武杉の場合、樹皮を巻き込んだ部分が癒合せず、そこからゆっくりと腐朽が始まるのです。 樹幹内の腐朽は山武杉に限らず、高齢になれば必ず生じるもので、それ自体は、製材価値という基準を除けば何も問題ではなく、自然界の常のことなのですが、木々が健康に生育できない状態であれば、若齢のうちに腐朽が始まってしまいます。 戦後に植樹された山武杉の、樹齢30年に満たないものから溝腐れがはじまりました。 最近の植樹ではますます早期に激しいねじれが生じて腐朽が進み、人工林として成立しえない例も非常に増えてきました。 山武杉の溝腐れ増加の原因について、「挿し木での植樹のせい」という論調がよく聞かれます。 実際、実生苗と違って挿し木苗の場合、直根が伸びにくく根が浅い傾向があります。 しかしこれも問題の本質ではありません。 山武林業地では江戸時代から挿し木での植林が行われてきました。 では昔と今とで何が違うのでしょうか。 かつての挿し木苗の植林では、健康に育つための環境を、人為的に作ってきました。 それに対し、特に最近は、周辺環境を含め、木が育つための土地のきめ細かな環境条件を考えることなく、画一的な手法で植樹しています。 その違いが杉林の健康状態に大きな差を生み出しているのです。 千葉市緑区。 畑の中に残されたスギ林。 台風の際も大きな幹折れはなかった。 台風後、吹きさらしの平野に存在する山武杉の人工林の中には、ほとんど倒木のない箇所もあれば、壊滅的な幹折れや倒木が発生した箇所もあります。 溝腐れが倒木の原因と言うのであれば、この違いを説明することはできません。 また幹折れは、幹の太さに対して過剰に樹高を伸ばしてバランスを崩したり、傷んで樹液の流れが滞って幹が乾燥し、柔軟性を失った不健全な個体に発生します。 同様に虫の穿孔も、それ自体が台風による大規模な幹折れや倒木発生の原因とは言えず、やはり不健康な状態を作ってしまった環境自体から考えていかねばなりません。 千葉市若葉区。 不健全な人工林で間伐を実施後、3年を経過したところに起こった台風被害。 上の写真は放置状態の人工林に強度の間伐が行われた箇所です。 不適切な間伐によって残った杉は、日照、風の差し込みの変化、土壌表土の乾燥などによって、ますます樹液の流れを悪化させていました。 そこに起きた台風によって、道路境界周辺の木々以外、壊滅的な幹折れが発生したのです。 伝統的な山武杉が植林されたのは、広大な田畑が開墾された平坦地、あるいはなだらかな丘陵地でした。 風が強く乾燥しやすい土地のため、尾根筋や谷筋、道路沿いや敷地の境界には、松やカシなどの高木樹林帯を外周林として残しながら、その陰で適度な面積で植林し、徐々に広げてきたのでした。 台風での倒木を免れた山武杉。 台風での倒木、幹折れは一切なかった林分です。 写真手前のひときわ太い杉の列が境界木です。 植樹の際、外周の境界木をきちんと残しながら、植樹が行われていた、かつての山武林業の名残です。 左前面の太い樹々が境界樹林帯。 こちらも境界樹林帯の名残です。 境界木の在り方は地域によって差がありますが、山武林業地域の場合は伝統的に、所有者が自分の土地の際にそれぞれ境界木を植えるため、2列の境界林が生じます。 その間に雑木も進入するので、 多種混交林のラインが生まれるのです。 この境界としての外周林は、江戸時代には松が多用されました。 下層に進入したさまざまな広葉樹は、雑木として日常の資材として用いられていました。 尾根筋や道脇など環境上の大切な要のラインは、防風林、環境保全林のように大切な緑地帯が残されますが、これがこの地域の土中環境を豊かに保つための智慧でもあったのです。 境界木が健全な状態を保つ林分では、倒木や幹折れの発生はほとんど見られませんでした。 今回の台風15号で、人工林が交通を分断し、電線を壊す危険因子として見なされる風潮がますます高まってしまいました。 里や街の樹林は人工林ですが、多少の倒木や幹折れが発生しても、樹林が地域に点在することで、台風の猛威を大きく緩和する、見えない働きをしていることを忘れてはなりません()。 海風が吹き込む海岸沿いに比べて、内陸のほうが家屋の屋根や電柱、送電線などの被害が少なかったのは、点々とでも樹林が存在することで風速が大きく緩和されているということを知る必要があります。 ところが、道路拡幅や風倒予防対策で、風や日照を受け止めてきた境界木が伐採されると、放置人工林は急に乾燥し、今回の台風15号の猛威の前に壊滅的なまでの幹折れにつながってしまうのです。 外周となる境界林は環境の要と言えるでしょう。 境界木を伐らずに植林してきた、かつての智慧が忘れ去られ、その大切さが顧みられなければ、ますます危険で住みにくい環境へと変貌してゆくことでしょう。 栃木・日光の杉並木。 江戸時代、日光街道を整備する際に、道を守る環境林として植樹されたのが「日光杉並木」です。 かつては道路ぎりぎりに溝を掘り、掘った土を両脇に盛り、そこに高木樹種の苗木を植えていきました。 ここに限らず、かつての街道は、樹木の力で道を守ってきました。 この環境が悪化すれば当然、倒木や幹折れも起こりますが、樹林帯がよい状態で保たれていれば、台風などの強風も和らげ、めったなことでは倒木にいたりません。 仮に倒木が起きても、反対側の枝葉に引っかかってとどまり、通行のリスクは軽減される。 そんな目的で街道緑地はつくられてきました。 千葉市緑区。 台風15号による道路沿いの倒木。 今回は幹折れが発生し、多くの電線に被害をもたらしました。 しかし、多くは街道緑地の境界木に引っかかってとどまりました。 こうした場所では通行の回復は、それほど大変な作業ではありませんでした。 もし境界木がなければ、周囲の木々はもっと大きな加速度をもって道路に倒れこんだでしょう。 その状況を想像すると、境界木のありがたさが分かります。 しかしながら今、道路沿いの倒木や幹折れが、電線被害をもたらした面ばかりを短絡的にとらえて、危険木として伐採すべきと言う論調が増えていることは残念ですし、危機感を覚えます。 「接道5m以内の高木は伐採すべき」というコメントが、SNS上で多数シェアされていました。 町の環境を台風からも守り、大地深くに根を張って洪水をも緩和してくれている樹木に対し、電線を守るために伐採すべきというのは、接道の樹木を大切に守り育ててきた先人の智慧を知らない論調だと思います。 境界木を伐ってしまえば、風速を緩和してくれる役割を担う林そのものが崩壊し、台風の際にはトタンや看板など、さまざまな飛来物を受け止めるものもなく荒れ狂う、危険な環境になってしまうでしょう。 そもそも、何の景観要素にもならない電柱・電線のような架設物をそのまま張り巡らす、先進国ではありえない状況を、この機会に考え直すべきです。 縦横無尽に張り巡らされる電線を守るために樹木を伐るなど、本末転倒と言うべきでしょう。 千葉県山武郡。 台地に点在する家屋と屋敷林。 このような環境下では、屋根はじめ建物被害は少ない。 点在する森というべき屋敷林の存在が、地域全体の風速緩和に大きく役に立っているという事実を忘れてはなりません。 平坦で乾燥しがちな台地が続く千葉県中西部。 かつてこの土地で暮らすためには、防風のための屋敷林が不可欠でした。 台風が大型化し、災害が多発する今だからこそ、樹木が健康に育つ環境を取り戻し、樹木を活かすことで安全な生活環境を作ってゆくこと。 これを多くの方々と考えていきたいと思います。 千葉市緑区。 ソーラーパネルと山武杉林の崩壊。 県内を回った時の事例をいくつか紹介します。 まず農地にソーラーパネルを敷き詰めた発電所の向かいの山林崩壊の様子です。 パネルの照り返しが木々を傷める上、パネルを伝って地表に流れ落ちた水が地表を削り、泥水となって周辺の土地に流れ込み、表土の微細な空隙を塞いてしまうことがまた、周辺環境をも悪化させます。 こうしたところでは、脆弱な放置人工林は真っ先に崩壊していきます。 埋め立てた土地周辺の山武杉人工林の幹折れの様子。 千葉県は東京近郊であるゆえに産業廃棄物の不法投棄が絶えません。 おおよそ、山林地域に不法投棄は集中します。 その場所が山林崩壊の甚大な地域とも重なる面があるように思います。 農地を転用し、さまざまな廃棄物を埋めてしまったことは、周辺の匂いからも分かることです。 あまりにも粗雑で、環境にとっても有害な土地利用の縁に位置する木々もまた、短期間で痛み、崩壊していきます。 元農地のキワの山林崩壊の様子です。 埋め立てたのはわずか1年前なのですが、たった一年で周辺環境はがらりと変貌し、崩壊した林地はもはや森に戻ることはなく、何も生みださない荒れ地となっていきます。 巨大台風直撃でもなお、何事もなかったように佇む山武杉の境界木です。 幹折れも倒木もせずに存在する光景を目の当たりにすると、「木材価値がないから伐採すべき」という論調が、いかに人間の身勝手な考えであるか感じざるを得ません。 思考を停止して、破壊と建設を繰り返す傲慢な発想ではなく、今あるいのちの営みを尊重し、木々をより健康にする多種共存の環境へと導いてゆくためにどうすべきか。 そんな発想から始めることが大切です。 千葉市若葉区、山武杉とカシの混交林。 山武郡周辺地域の人工林には、挿し木の杉の間にカシやシイを混交して育成した名残があり、大切なことを伝えています。 それは、広葉樹も杉と競争しながら まっすぐな樹幹となるということです。 そのように育った材は、太いものは家屋の床下の大引き材に用い、細いものは荷馬車の柄の材料などに使われました。 こうした混交林育成は、挿し木苗だけの植林の環境的な弱さを補ってくれます。 根の浅い挿し木苗の杉と、深く根を張るカシやシイの根が、土中で絡み合うことによって、水と空気が行き来する健全な環境が深くまで育っていきます。 表土も乾燥しにくい良い環境のもと、杉も健康になり、溝腐れすることなく、ブランド材として良材になります。 安全で豊かな「杜」は、人工林でも可能なのです。 山武杉とカシの混交林。 台風15号直撃後である。 上の写真は戦前から続く人工林で、放置されても健全な環境がかろうじて保たれています。 30mの高木群は、一部幹折れしながらも強風を緩和し、人知れず周辺環境を守っていました。 このことを知る人は少ないでしょう。 見えない木々の働きに「おかげさま」と、そう思える心から、私たちは取り戻していきたいと思います。 山武杉とカシをはじめとする広葉樹混交林からは、挿し木苗を健康に育てつつ、やせた吹きさらしの台地を守ってきたかつての智慧の深さを感じます。 こうした人工林においては土中の環境も自然の森と同様に育ってゆくことが多く、台風でも林分が崩壊するという事態には至りません。 今ある広大な山武杉植林地を伐採して再植林しても、現代の技術と視点では決して良い環境にはならず、ますます国土の荒廃を進めることになるでしょう。 現場を見ている私たちにははっきりと感じられてしまうのです。 では現在の環境をスタート地点にしてどう育ててゆくか。 松や雑木林を活かしながら、無理なく挿し木の杉を増やし、風が強く乾燥する痩せた台地土地を育み、ブランド材を産出する有名林業地にまで育て上げ、その営みを数百年にわたって持続させてきた、そんなかつての智慧を、今の社会はどのようにしたら取り戻せるでしょうか。 奈良・吉野山、奥千本 誤った伐採植樹に伴う環境の荒廃。 また長いブログになってしまいましたが、最後に、日本屈指の林業地である、奈良県吉野山、奥千本で起こっていることを紹介します。 戦後の拡大造林によって植え過ぎた杉を大量伐採し、広葉樹を植える取り組みが全国で行われています。 ここでは数年前から桜の植樹が行われてきました。 しかしながら環境の荒廃は進み、植樹された苗木が健康に生育できない箇所が非常に多く見られます。 当然です。 密植された放置人工林をいきなり伐採し、地表を大面積にわたってむき出しにしてしまえば、そこから急速に土中の環境が劣化するからです。 山道の際に植えられていた境界木が伐採された切り株。 環境の要である境界木さえ伐られ、人間が目的とする樹種のみ一斉に植える森林施業が、全国至るところで行われています。 作業効率を優先し、智慧を忘れ、今生きている木々への畏敬の念も持たない。 心無い森林管理の先には、更なる環境の悪化しかないでしょう。 岩に張り付いていた大木の根元の剥離。 境界木伐採後、土中環境が悪化したことによる乾燥が原因。 事実、境界木を伐採してわずか数年で、残された森林の岩盤の台地が呼吸しなくなって乾燥してしまいました。 岩に張り付いて健全に生きてきた大木も、はがれるように倒木していきます。 桜を植樹した隣地の杉林もまた、乾燥して幹折れがはじまり、林分が崩壊してゆきました。 その間わずか数年のことなのです。 つまり、杉林がバタバタと幹折れするのはなにも溝腐れの起こした山武杉に関係なく、どこにだって生じることなのです。 それは、周辺環境を悪化させてしまったり、健全な人工林を育てる配慮が足りなければ、どこでも短期間で起こりうることなのです。 いま生きている樹木を尊重し、くらしの環境をともに守るためにはどうすべきか。 山武杉、人工林が悪いとか、接道部分の木々は伐れとか、そのような論調が今後ますます土地の力を劣化させて、危険で暮らしにくい環境に繋がってゆくことを危惧して、このブログを急遽投稿いたしました。

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