覚醒剤 歯 が 溶ける。 【画像】槇原敬之の歯がボロボロ!歯並びは若い頃から?薬で溶けて歯がない?

がん治療と口のケア −がん治療を乗り越えるために−

覚醒剤 歯 が 溶ける

単なる口腔内不衛生以上のことがあるようです。 「メスマウス」という呼称まである、特徴的な症状の一つでした。 情報源は、ほとんどが、アメリカないし英語圏のものです。 折角調べたので、ここに要旨をまとめました。 薬物汚染大国、アメリカでは、最近の5年(2006-2009)位、若干の減少傾向があるとはいえ、ある調査報告(2008)では、12歳以上の総人口の約5%が少なくとも1度はMethを乱用したことがあるとされています。 当然メスマウスも歯科医療上の大問題です。 元歯科医師会長の、「メスマウスが歯科医療費を増大させるのではないか、あるいは既にそうなっているのではないか」という発言もメディアに紹介されています。 米国歯科医師会(ADA)のHPにも、メスマウスの解説記事があり、関係者は「メタンフェタミンに犯された歯は手の施しようがなく、全部抜歯するしかない」と警告しています。 メスマウスができるメカニズムについては、以下のような複数の要因が関係していると言われます。 メタンフェタミンの製造過程では、多数の強酸性化学物質が使用されますが、密造の場合、最終製品にもその不純物残渣が混合しています。 それをあぶりによって使用する場合、高温の酸性腐食性物質が口腔内に広がります。 また、汚染物質が喫煙によって何度も熱せられ、歯肉や歯の表面を腐食し、炎症を起こすとも言われます。 もっとも、医薬品として精製されたメタンフェタミンの乱用者でもメスマウスが見られるという報告もあり、酸性不純物だけが原因とは考えられません。 覚せい剤乱用者が薬物を使用した時に、典型的には約12時間ハイ状態が持続します。 その間、彼らは、口の渇きに対応するため、糖分の多い飲み物を常に持ち歩き頻繁に口にします。 そしてその間、多分、歯磨きをしません。 典型例では、不眠、過活動のハイ状態の後に離脱症状として、強い抑うつ感、脱力感と眠気が出現し、長時間の眠りに入ります。 時々目覚めて半覚醒状態で過食するのも特徴的な症状のひとつです。 覚せい剤乱用者の多くはこの時期には、丁寧な歯磨きなどできません。 そうすると口腔内を糖分や酸性不純物で汚染したまま、口腔粘膜や歯を保護する唾液分泌が不足した状態で長時間放置することになります。 口腔内は、細菌の培養地となります。 このような不衛生な口腔内環境が長期に続くと確実に虫歯ができ、悪化し、広がります。 また、覚せい剤乱用者では、歯ぎしりや歯のくいしばりが見られることが多く、そのため、既に弱体化している歯が摩耗し、亀裂が入ります。 このほか、私自身の経験した症例では、歯痛があっても歯医者には行かず、代わりに覚せい剤を使用していたという患者がいました。 不思議に痛みなど感じなくなる、気にならなくなると言っていました。 また、覚せい剤患者は、一つのことをやり始めるとやり続け止まらなくなります。 別の症例で、つまようじなどで歯をほじり始めると病巣部をいじり続け、出血し始めても止められず、いじり壊すという人もいました。 この方は、耳掻きでも出血するまで止められない、とも言っていました。 まあ、このようないろいろな要因が重なってメスマウスができ上がるのでしょうね。 メタンフェタミン乱用だけでなく、コカインやメチルフェニデート(リタリン)など、アンフェタミン類化合物の乱用でもメスマウスと同様の広範性虫歯が見られます。 酸性不純物が関係すると主張している。 アメリカ歯科医師会の解説記事 Googleのイメージ検索、食欲がなくなるような恐ろしい写真がいっぱいあります。

次の

健康にいいことしていますか? ~虫歯じゃないのに歯が溶ける!?『酸蝕歯』~ |平野歯科クリニック

覚醒剤 歯 が 溶ける

研究班は、メタンフェタミン乱用を経験した35人の男性などにインタビューを行い、 メタンフェタミン乱用によって性行為に関して起こる変化の特徴をまとめました。 対象者はイランの首都テヘランの医療機関で集められました。 多くの人から発言があった特徴として以下のものがありました([]内は引用者注)。 性欲が強くなり、性行為では快感が増す人が多い。 「全身のすべての細胞に快感がある」(44歳男性)• 「これ以上のものは何もない」(28歳男性)• 「唇にキスすると果物のような味がした」(37歳男性)• メタンフェタミンを使用するパートナーとの性行為を好む傾向がある。 「彼女はメス[メタンフェタミン]を使うと僕よりも情熱的になった」(30歳男性)• 「薬を使う女性は普通の人には絶対にできない快感を与えてくれる」(30歳男性)• 性行為の持続時間が長くなる人が多い。 「15分ごとにオーガズムに達したけど、何も起こらなかったようだった」(30歳男性)• 「いくらでも続けたくなる。 体も心も疲れない」(30歳男性)• 「いろいろな体位で3時間続けた。 二人とも少しも疲れなかった」(35歳男性)• 最初の数か月で強い効果を感じる人が多い。 「メス[メタンフェタミン]で初めてセックスしたときの快感は二度とありえない」(35歳男性)• どうしても性行為をしたくてたまらなくなる人が多い。 「セックスのためなら何でもやった。 パートナーを満足させるためにとても努力して何でもやった」(35歳男性)• 不適切な場所での性行為を経験する人が多い。 「廃墟の中で女の子と一緒にいた」(30歳男性)• マスターベーションが増える人が多い。 性欲が強くなるのに勃起不全になる人もいる。 「24時間で7回マスターベーションをした」(35歳男性)• 「ペニスが硬くならない状態では、それが一番トラブルのないセックスだった」(28歳男性)• 強引に性交を求める人もいる。 「従わせるために叩いたり蹴ったりもした」(22歳男性)• 「彼はとても残酷になって、少しも楽しくなかった」(30歳男性の妻)• のぞき見を好むようになる人が多い。 研究班は、これらの結果をふまえて「 薬物乱用の予防、の治療、適切な性行動の教育、害を減らす対処が優先的課題である」と結論しています。 メタンフェタミン乱用に向き合うために 医療用のメタンフェタミンとは? メタンフェタミンは日本で合成された薬物です。 「ヒロポン」などの名前で流通し、第二次世界大戦時に軍需工場の労働者が徹夜作業を行う時に使用されたなどの歴史があります。 「覚醒剤」という名前のとおり、中枢神経系(脳・ 脊髄)の興奮作用があります。 用途として、日中に耐えられない眠気などの症状を起こす「」のほか、各種の昏睡、麻酔剤などによる急性中毒の改善などが効能・効果として承認されています。 本来の医療用の用法・用量に従っていても、依存性などは副作用として注意喚起されています。 「、性欲変化」も添付文書に記載されている副作用のひとつです。 医療用に処方される場合には、医師の診断に基づいた適切な用途の中で、用量・使用期間に注意して慎重に扱われます。 「密造覚醒剤」としてのメタンフェタミンと性機能異常 しばしば乱用が問題となる「密造覚醒剤」としてのメタンフェタミンは、医療用として製造されたメタンフェタミンとは大きく異なる危険性があります。 密造覚醒剤の多くに、ストリキニーネなどの異物が混入されています。 ストリキニーネは少量では神経の興奮剤となりますが、過剰摂取により強直性痙攣などを引き起こし、場合によっては呼吸停止などが現れます。 こうした異物が含まれることで、密造覚醒剤はさらに危険なものになっています。 乱用されるメタンフェタミンは、「クリスタル」「シャブ」あるいは類似物質のアンフェタミンと同様の「スピード」といった通称で呼ばれます。 ここで紹介したイランのほか、アジアの国々でも大きな問題を起こしています。 日本も例外ではありません。 覚醒剤乱用は死に至ることも珍しくありません。 覚醒剤自体や不純物の毒性だけでなく、乱用を続けたことによる栄養障害や 感染症なども大きな危険になります。 ここで紹介したように、性機能異常が反社会的な行動に結び付き、乱用した人だけでなく周りの人にまで被害を及ぼす場合もありえます。 決して見過ごしてはならない問題です。 「ダメ」だけでは対処しきれない問題 薬物乱用から立ち直るためには、周りの人からのサポートも大切です。 では、覚醒剤とは異なる薬物ですが、麻薬乱用者への聞き取りの中で、家族から責められるとむしろ再び薬物乱用をしてしまう傾向が指摘されています。 覚醒剤をはじめとする薬物乱用は、社会全体で立ち向かうべき問題です。 ただ乱用を悪と扱うだけでは解決しません。 ここで紹介した研究が主張するように、「害を減らす対処」という前向きな視点が必要です。 特に性機能異常は行動の大きな変化や周りの人への影響に結び付く可能性もあり、重要な点です。 この調査から改めてその重要さが確かめられたと言えるでしょう。 性行動は薬物を使う「引き金」になりやすいことが知られています。 薬物乱用をやめようとしている人でも、いつも薬物を使っていた状況に出会うことが「引き金」となって再び使ってしまう場合があります。 「引き金」を避けることは治療のための重要な要素です。 聞き取りで挙げられた点は、個々の患者と治療者が「引き金」となっている状況を話し合うための参考になるかもしれません。 危険な性行動はなどのリスクにもなります。 患者の性行動を理解することは感染対策のためにも重要です。 また、マスターベーションが増えたという回答も挙げられています。 薬物乱用をやめるには部屋にこもる生活は望ましくないとされるため、性行動が引きこもりにつながっているような人では、やはり治療のために話し合うべき点となります。 さらに、長時間の性交や暴力によってパートナーが巻き込まれる状況や、パートナーも乱用を誘われてしまう状況などに対してケアが必要であることも読み取れます。 家族やパートナーが薬物乱用を始めてしまった人にとって、こうした問題は患者本人とよく話し合うべきことです。 そのために、共通点がある人の事例を知ることには意味があります。 患者が置かれている状態を理解しようとすることが、前向きで具体的な対策のための第一歩になります。 参考 松本俊彦・今村扶美『RPP-24 物質使用障害治療プログラム』(金剛出版、2015年).

次の

お酒の飲み方次第で歯が溶ける!?口腔の健康は糖尿病・認知症にも関係します|Dr.純子のメディカルサロン|時事メディカル

覚醒剤 歯 が 溶ける

目 次• がん治療の進歩と口の関係 1981年以降、がんは日本人の死因第1位の病気です。 最新のがん統計では、年間36万人近い方ががんで亡くなり、新たにがんと診断される人は年間75万人にのぼります。 生涯のうち、日本人の男性2人に1人、女性では3人に1人はがんにかかると言われており、まさにがんは他人事ではない、身近な病気と言えます。 がんは一昔前までは不治の病といったイメージがありましたが、近年では治療方法もめざましく進歩し、がんは治る病気、あるいは長く共存できる病気になり、がん患者さんの6割は、治療を乗り越えて社会復帰を果たしています。 しかし同時に、がんの治療が強力に、かつ徹底的に行われるため、治療によっておこる副作用や合併症の問題も深刻になってきています。 副作用が辛すぎると、がん治療を最後までやり遂げることが難しくなり、結果として治療の効果そのものが低下してしまうことも分かってきました。 がん治療は「ただがんが治りさえすればよい」という段階から、「なるべく治療の苦痛は少なく、かつ安全にがん治療を乗り越える」ことにもきちんと目を向け、その上で治療の効果も当然確保することが求められる時代になってきたのです。 がん治療中には、口の中にも様々な副作用が高い頻度で現れます。 口の副作用は、痛みで患者さんを苦しめるだけではなく、食事や会話を妨げ、口の細菌による感染を引き起こすなど、がん治療そのものの邪魔をします。 そのため米国ではがん治療を開始する前に歯科で口のケアを受け、合併症を予防しようとすることが一般的になっています。 このような「がん治療における口のケア」の取り組みが、日本でも注目されています。 抗がん剤治療による口の副作用 抗がん剤の治療中には、薬の副作用によって様々な口の副作用が起きます (表1)。 その頻度は高く、米国の国立がんセンターの報告では、一般的な抗がん剤治療を受ける患者さんの約40%、造血幹細胞移植治療のような強い抗がん剤治療を受ける患者さんの約80%に口に関係する何らかの副作用が現れると報告しています。 口内炎は、口腔内合併症の代表的なものです。 がんの種類や抗がん剤の内容によって、その頻度や重症度の差はありますが、ほとんどの抗がん剤治療で口内炎が認められています (写真1)。 口内炎はふつう、抗がん剤投与から1週間から10日くらいで起こり、その後は自然に治っていくのですが、全身状態が悪かったり、口の清掃状態が悪く細菌が多いと、口内炎の傷から感染が起こり、症状が重症になったり治癒が遅れたりします。 抗がん剤治療によって口内炎になった人の約50%が重症の口内炎のために、抗がん剤の投与量の減量や治療スケジュールの変更など、がん治療そのものに悪影響を受けています。 またほとんどの抗がん剤治療中は、骨髄抑制といって、細菌に対する体の免疫力が低下する副作用があります。 がん治療中の吐き気やだるさなどで口の清掃が難しくなり口の細菌が増えることと重なると、口の感染症が非常に起こりやすくなります。 また免疫力が低下した時の口の感染は、全身に広がってしまう危険もあります。 実際、むし歯や歯周炎などの歯の治療がされていない状態で抗がん剤の治療が始まってしまうと、今まで症状のなかった歯が急に悪化し、痛みや腫れが起こることがよくあります (写真2)。 また細菌の感染に限らず、カンジダ(真菌:カビの一種)やヘルペスウイルスなどの特別な感染症も起こりやすくなります (写真3)。 まだ今の医療では、残念ながら副作用をゼロにするような画期的な治療法がありません。 しかし、副作用のリスクを下げ、少しでも症状を和らげ、一日でも早く治す為には、口の中を清潔で整った環境にしておくといった、いわゆる「口のケア」が有効であることが様々な研究で報告されています。 「がん治療の開始前、できれば2週間前までには歯科を受診しておくこと」「がん治療中も継続して口腔内を清潔で良好な環境に維持するよう努めること」がとても大事です。 口の周囲に放射線が当たる治療による口の副作用 口や喉のがんで、放射線が口の周辺にあたる治療を行う場合は、ほぼ全員に口の中に何らかの副作用が現れます (表2)。 口の副作用がひどくなると、治療を続けることができなくなってしまうこともあります。 放射線治療は途中で止めてしまったりお休みをしたりすると、治療の効果が弱まってしまうことが知られています。 そのため治療が最後まで予定通りに順調に進むように、口のケアによってできるだけ副作用を抑えていく必要があります。 放射線の口腔の副作用で最も重大なものは口内炎です。 抗がん剤治療による口内炎と比べて重症で長引く傾向があります。 放射線治療が始まり1〜2週間くらいで口の粘膜はだんだんと赤み帯びて、腫れぼったくなり、ひりひりとした軽い痛みを感じるようになります。 その後治療が進むにつれて粘膜炎は強くなり、強い痛みが続き、重症の場合は水を飲むことも辛くなります。 放射線治療が終わると通常は3〜4週間ぐらいかけて少しづつ粘膜は元に戻ってきます。 しかしその途中で傷に感染を起こしたりすると、治りが遅くなることもあります。 放射線による口内炎は、治療を最後までやり遂げることを邪魔する、大きな合併症です。 口のケアによって症状を緩和し、二次的な感染のリスクを抑えます。 また放射線によって唾液の量は減り、ネバネバになります。 この影響は年単位で長く続き、完全には回復しません。 唾液が少ないと、口の中がガサガサと不快になり、食事の味も感じづらくなります。 また汚れがこびりつき、口の細菌が増えやすくなるため、感染を起こしやすくなり、非常にむし歯ができやすくなります。 そのため放射線の治療が終わったあと、急にむし歯だらけになってしまう(放射線性う蝕と言います)ということもあります (写真4)。 そして最も重症な副作用が、放射線による顎骨の壊死(顎の骨が腐る)です。 放射線が当たった顎の骨は、ちょっとしたことがきっかけで感染を起こし、壊死を起こすことがあります。 最も多いきっかけは抜歯です。 放射線治療が終わって何年か経過すれば安全に抜歯できるだろう、と思われがちなのですが、実際は放射線治療後何年経っても、顎骨壊死の危険性はほとんど変わらない、と言われています。 放射線治療が終わった後も、抜歯をしなくて済むように定期的に歯科で口のチェックやケアを受け続ける必要があります。 骨を強くする薬による口の副作用 がんが骨に転移した時の治療の一つに、転移した部分の骨折などを予防し、痛みを和らげるために、骨を強くする薬剤(ビスフォスフォネート製剤や抗ランクル抗体といった、骨修飾薬と呼ばれる薬)を使用することがあります。 この骨修飾薬を長い期間使用すると、顎骨壊死(顎の骨が腐る)という重症な副作用が起きることがあります (写真5)。 この副作用の起こる割合は1〜2%程度と決して高くはないのですが、もし起こってしまうと痛みで食事や会話を妨げる上、治療に苦労することが多いため、起きないように予防することがとても重要です。 顎骨壊死の副作用は、口の衛生状態が悪く細菌が多いと起きやすく、また歯を抜いた傷から起きることが多いです。 予防には骨修飾薬を使い始める前に必ず歯科を受診し、問題のある歯はあらかじめ抜歯をしておくこと、口を清潔に保つための衛生指導(歯ブラシ指導など)を受けておくこと、また投与中も口の衛生状態に気を配り、定期的な歯科のチェックやケアを行うこと、薬剤使用後は抜歯をできるだけ行わないことが大切です。 がんの外科手術を乗り越えるための口の管理 最近ではがんの手術を安全に乗り越えるため、手術前に口のケア受けることの有用性も注目されています。 がんに限らず、全身麻酔で手術を受ける患者さんは、人工呼吸器のチューブが口から喉を通して気管の中に挿入されます(気管内挿管といいます)。 この際、気管のチューブを通して肺に入り込んだ口の細菌が、術後肺炎の原因となることがあります。 また、チューブを気管に入れる時に、歯を痛めてしまい抜けてしまうこともあり、手術後の食事開始の妨げになることもあります。 手術を受ける前にあらかじめ口のケアを行うことで術後の肺炎を予防し、歯を守り、手術後の食事開始を助けることで、回復を早める手助けとします。 また口や喉のがん、食道のがんなどでは、手術前に口のケアを行い細菌を減らしておくことによって、手術後の傷の感染や肺炎などの合併症を減らすことができた、というがん治療の成果そのものへの貢献も証明されつつあります。 手術を行う前に口腔のケアを取り組みが、全国様々な施設で広がっています (表3)。 がん治療が始まる前に行う口のケア がん治療中に起こる口の副作用への対応は、治療の開始後、つまり口のトラブルが起きてから対応するのではなかなか間に合いません。 がん治療を始める前にあらかじめ口の中を清潔にして、トラブルが起きにくいように準備することが大事です。 口の副作用が起きる可能性が高い治療を予定されている患者さんは、治療が始まる前に歯科を受診し、あらかじめ口の中を良好に整える管理を行ってからがん治療を行うのです。 では、実際にがん治療前に歯科ではどんなケアを行うのでしょうか。 1)口の中の検査 大きなむし歯や歯周炎など、がん治療中にトラブルになりそうな歯がないかをチェックします。 もしそのような歯があれば、がんの主治医の先生と相談しながら、最低限がん治療が落ち着くまで問題なく過ごせるように、応急的な治療を可能な範囲で行います。 2)口の中の掃除 口の中の細菌感染を防ぎ、治療時のトラブルを抑えたり軽くしたりするために一番大切なのは、『トラブルを引き起こす原因になる細菌の数を減らすこと』です。 細菌の数を減らすためには、歯科のクリーニングの機械を使って歯石やプラークを徹底的にきれいにする、口の中の大掃除が必要です。 3)セルフケア指導 口の中の掃除が終了したら、その状態を保つために必ずやっていただきたいことがあります。 それは『正しい歯みがき』です。 歯科でどんなに口をきれいにしても、その後にきちんとした歯みがきができていないと、すぐに細菌が繁殖してしまいます。 口の中を細菌の少ない良い状態に維持するのは、患者さんご自身による口の管理 セルフケア にかかっています。 歯科で指導を受けた『正しい歯みがき』によって、効率よく口の清潔を保ちましょう。 あなた自身の手で細菌から体を守って下さい。 がん治療時に口の副作用が現れたら 1)口内炎 抗がん剤や口への放射線によって起こる口内炎を抑える画期的な薬の開発には、もう少し時間がかかりそうです。 起きてしまった口内炎の対策は、 1 口の中をきれいにして、感染を予防する 2 口の中を潤った状態に維持し、乾燥させないようにする 3 痛みを和らげるよう、様々な痛み止めをしっかり使うこと、この3つが基本になります。 1 感染予防 口内炎に感染を起こすと、痛みは急に強くなり、治りも遅れます。 感染予防には、歯ブラシによる口の清掃が基本となります。 痛い部位に触れないよう、やさしく歯ブラシを行います。 またカンジダ(カビの一種)やヘルペスといった特殊な感染が起こることもあります。 カンジダの感染は「じっとしていてもヒリヒリ、ピリピリする痛み」が、ヘルペス感染は「針で刺すような激しい痛み」が特徴です。 急に口内炎の痛みが悪化した時は、感染が起こっている可能性がありますので、早めに医師、看護師またはかかりつけの歯科医師に相談しましょう。 2 保湿 粘膜が乾燥すると、痛みは強くなりやすく、感染も起きやすくなります。 軽度の口内炎は、口が潤っただけで症状が和らぎます。 うがいを頻回に行い、粘膜が乾かないようにします。 アルコール(エタノール)を含むうがい薬は、粘膜の水分を奪うので使用を控えます。 保湿効果の高いうがい薬や、ジェル・軟膏・スプレーなど自分の症状にあったものを選んで使います。 3 痛みの緩和 痛みを我慢しても、良いことは一つもありません。 粘膜炎の痛みには、痛み止めの薬が効きますので、主治医の先生に相談して、しっかり痛み止めを飲みましょう。 また、表面麻酔薬という粘膜の知覚を一時的に麻痺させる薬を痛む部位に直接塗ったり、うがい薬に混ぜて使うことで、痛みが和らぎ食事が摂りやすくなります。 2)口の感染症 むし歯や歯周病の悪化など、口の感染が起きた場合は、歯科での治療や処置が必要になります。 がん治療中に歯科の治療を受けるためには、がん治療の妨げとならないように、必ずがんの主治医や歯科医師と相談して行ってください。 がんの治療中でも安心して歯科を受診できるよう、厚生労働省が認めた講習会で研修を受けた「がん連携歯科医院」も増えてきています。 ぜひご活用ください (表4)。 しかし、何よりも予防が大切です。 口の感染症がなるべく起きないように、がん治療が始まる前に歯科を受診して、がん治療前であること、これからのがん治療のスケジュールを歯科医師に説明し、むし歯や歯周病のチェックや、応急的な処置を受けておきましょう。 口の健康は、がん治療を支えます 長く大変ながんの治療中は「食べる」ことが患者さんにとって、とても大変な作業になることがあります。 健康な口でしっかり食べられることは、体力を維持し、つらい治療を乗り切るために、とても大事です。 そしてがん患者さんの口の健康状態は、口の副作用の発生や重症度に関連します。 口を清潔で健康な状態に維持することは、がん治療のあらゆる段階で重要です。 是非がん治療開始の「前」に歯科を受診して、口の中を安定させてからがん治療に臨んでください(もっと言えば、がんになってからではなく、日頃からかかりつけ歯科をつくり、口の定期ケアを受けていただければと思います)。 そしてがん治療中に口の副作用が出た場合は、我慢をせずがんの主治医と相談して、歯科を受診してください。 がん治療中だからと歯科を敬遠するのではなく、がん治療中だからこそ、歯科で口の中をしっかりと管理しなければなりません。 がんの治療を安全に、苦痛少なく乗り越えるためには「口から自然な形で、おいしく食事が食べられること」が、大きな鍵の一つなのです。 参考文献• 国立がん研究センターがん対策情報センター:がん統計情報• 全国共通がん医科歯科連携講習会テキスト 第一版:平成24年度厚生労働省・国立がん研究センター委託事業:国立がん研究センターがん対策情報センター編:2013年• National Cancer Institute HomePage :• MASCC:Multinational Assosiation of Supportive Care in Cancerのガイドライン:Hadorn D, Baker D, Hodges J, Hicks N. Rating the quality of evidence for clinical practice guidelines. J Clin Epidemiol. 1996;49:749-754. 国立がん研究センター 口腔外科医長 上野尚雄.

次の