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厚生労働省:死因順位(第5位まで)別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合

ひめ じ ま 死亡

1.インフルエンザ死亡者数 抗インフルエンザウィルス剤タミフルの副作用として異常行動が問題となり、また、鳥インフルエンザから新型のインフルエンザが生じ、大きな疫病被害に発展する可能性が懸念されるなどインフルエンザが注目されていた。 そうした中、2009年には新型インフルエンザが発生し、死亡者数の急増が懸念されたが、幸いにも弱毒性の病原体であったので、日本における新型インフルエンザによる死亡者数は198人とそれほど多くなく、各国と比較しても死亡率は非常に低かった(図録参照)。 ここでは、インフルエンザによる死亡数の推移の図を掲げた(男女・年齢別の死亡数については図録参照)。 インフルエンザは流行る年と収まっている年とがあり、それが直接の死因となった死者数も毎年の変動が大きい。 1957年の「アジアかぜ」によるピーク7,735人から、1970年代までインフルエンザ死亡者数は、おおむね、減少傾向をたどり、1980年代〜90年代前半は、千人以下の少ないレベルに止まっていた。 ところが、90年代後半から、大きく増加する年が目立つようになり、2010年以降は、増勢の傾向が認められる。 気候変動、国際観光流動、高齢化、栄養状態、検査法など、何らかの傾向的な変化と連動しているかどうか、気になるところである。 なお、近年の死亡者の9割以上は65歳以上の高齢者である点については図録参照。 また、近年のインフルエンザ死亡数の増加傾向の要因として高齢層の拡大が大きく寄与している点については、図録参照。 参考までに月別の死亡数の推移を以下に掲げた。 2019年の9月までの死亡数の対前年比は1. 3%増である。 インフルエンザによる死亡については、直接の死因がインフルエンザではなく、肺炎等の他の疾患による場合は、死因別死亡数にはあらわれない。 従って、WTOや厚生労働省では、超過死亡 excess death, excess mortality の概念でインフルエンザによる死亡数を推計している。 これは、インフルエンザが流行した年に通常年と比較して死亡者数が多くなった場合、それをインフルエンザによる死亡と見なす考え方である(具体的にはインフルエンザ以外の諸要因による死亡者数をベースラインとして推計して実際の死亡者数との差をインフルエンザによる超過死亡とする)。 表示選択の図として、国立感染症研究所による超過死亡概念による推計死亡者数を掲げたが、年によって1万人を超えるなど直接インフルエンザを死因とする死亡者数をかなり上回ることも多い。 なお、人口動態統計のデータは暦年(1月〜12月)であり、超過死亡は冬場をはさんだ流行シーズン期間毎の計算である。 図録で掲げた毎年のインフルエンザ患者率を下に再掲した。 インフルエンザの流行のピークが何月になるかで流行年は微妙にずれる場合もある。 有効な予防策であるワクチンの接種が日本では他のOECD諸国と比べ遅れていた状況については、図録参照。 2020年1月〜2月に中国武漢市(湖北省)を震源地として新型コロナウイルスによる肺炎の流行がはじまり、この図録が非常に多く参照されている。 新型ウイルスなので不安が高まっているが下表のように今のところインフルエンザと同様の恐れという程度のようだ。 新型コロナウイルスとその他ウイルスの感染力と致死率 感染力(感染者1人 から感染する人数) 致死率(%) 新型コロナウイルス 2. 2〜3. 7 2. 0 湖北省 2. 8 うち武漢市 4. 1 湖北省以外 約0. 17 インフルエンザ 2〜3 約0. 1(国内) SARSウイルス 2〜4 9. 6 MERSウイルス 0. 69 35 (注)国立感染症研究所の資料などから。 新型コロナウイルスの感染力は北海道大の西浦博教授の試算。 同致死率は中国の2月6日時点の中国政府発表によるものであり、武漢市の致死率が特に高いことに影響されており、致死率の母数となる感染者数が現在除かれている軽症者まで含め正しくカウントされれば湖北省以外のレベルになると考えられる。 (資料)東京新聞(2020年2月7日) (戦前のインフルエンザ:スペイン風邪) 戦前から1960年代までの推移を表示選択で見れるようにした。 戦前のインフルエンザ死亡者数は戦後よりずっと多かったことが分かる。 特に1908〜09年における「スペイン風邪」の世界的流行には日本も巻き込まれ、1918〜19年と1920年に、それぞれ10万人以上がインフルエンザで死亡したというデータになっている。 新型コロナウイルスでも流行は一波では終わらないかも知れないということの警告として、東京新聞の社説(2020年4月27日)が要領よくスペイン風邪の推移について記述しているので次に引用した。 「1918(大正7)年8月下旬に日本に上陸したスペイン風邪は11月に一気に大流行し、いったん収まった後、翌19年も半月の患者数が55人に達するほど荒れ狂いました。 ようやく3月に感染者が減り始め、6月には月間8千人程度に。 このシーズンの患者は2,117万人、死者は26万人となりました。 これで終わったかと思ったら、同年の10月末から流行が再燃しました。 20年2月まで猛威を振るい、患者は241万人、死者は13万人でした。 衛生局は「本回における患者数は前流行に比し十分の一に過ぎざるも、病性ははるかに猛烈にして、死亡率非常に高く、前回の四倍半にあたれり」と記しています。 大流行といえる期間は、それぞれ3〜4カ月も続きました。 (中略)スペイン風邪からは、数々の教訓が読み取れますが、最大の教えは「波は一度ではない」ということでしょう」。 「スペイン風邪は、二冬目の方がパワーアップしました。 毒性が強くなったのは、ウイルスの遺伝子がわずかに変異したのが原因とみられています。 必ずしも強毒だから恐ろしく、弱毒だからくみしやすいとはいえません。 弱毒のウイルスは宿主を死なせないので、拡散が大規模になりがちです。 相違点は、スペイン風邪は20代、30代の人々が高齢者よりもずっと多く死亡したことです。 高齢者が持っていた免疫が影響した可能性があります。 欧米の感染拡大は、すでにペースを落としており、夏に一服するという見方も出ています。 しかし南半球は、今後寒い季節に入り、北半球にもいずれ冬がやってきます。 次の感染拡大までの準備期間ととらえるべきかもしれません。 衛生局は2度目の傾向として「前回の流行時にかからなかった人が重症となる」「前回激しく流行しなかった地方で、本回は激しく流行した」と記述しています」。 2.新型インフルエンザ発生時のコメント 2009年4月メキシコで発生した豚インフルエンザは、人から人へ感染し、人類にとって免疫のない新型インフルエンザと認定され、29日夜(日本30日早朝)、WHO(世界保健機関)は警戒レベルを人から人への感染が確認されたという現在の「フェーズ4」から、世界的大流行(パンデミック)前夜とされる「フェーズ5」に引き上げた。 当図録にも「インフルエンザ 死者」といった検索で訪れる人が増えているので当図録データと関連した最低限のことについてふれる。 対処法などは最寄りの保健所への問い合わせや厚生労働省のHP閲覧等によって頂きたい。 今度の新型インフルエンザはこれまでのところ全身感染を引き起こさない弱毒性のものであり、人類にとって免疫がないため広範囲に広がるおそれが大きいが、致死率は大きくないのでとんでもない死亡者数には必ずしも結びつかないようだ。 ただ、免疫がないので感染者数自体が非常に多くなり、致死率は低くとも死亡者数の絶対数はかなりの値となる可能性がある。 毎年の季節性のインフルエンザでも多いときには1万人以上の死亡者数(併発した肺炎等による死亡を含む)となっているので、それ以上の死亡者数の発生も可能性としては否定できない。 また「スペインかぜ」も、弱毒性が流行の途中で変化したタイプだったという(YOMIURI ONLINE 2009. 30)ので注意が必要だ。 20世紀に大流行した新型インフルエンザ 発生年 名称 型 死者数 致死率 1918年 スペイン風邪 H1N1型 4000万人 2. 0% 1957年 アジア風邪 H2N2型 200万人 0. 5% 1968年 香港風邪 H3N3型 100万人 0. 5% *季節性インフルエンザは日本で1万人前後(致死率0. 05%) (資料)毎日新聞2009年4月30日 こうした点についてふれた毎日新聞2009年4月30日の記事を以下に紹介する。 新型インフル:ウイルスは弱毒性 田代WHO委員 【ジュネーブ澤田克己】感染が広がる新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の世界的大流行(パンデミック)への警戒レベル引き上げを討議した世界保健機関(WHO)緊急委員会委員の田代真人・国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センター長は28日、記者会見し、今回のウイルスは「弱毒性」との見解を示した。 強毒性のH5N1型鳥インフルエンザが新型に変異した場合に比べ「それほど大きな被害は出ない」とみられ、「全く同じ対策を機械的に取るのは妥当でない」と述べた。 田代氏は毒性について「今後、遺伝子の突然変異で病原性を獲得しないという保証はない」としたうえで、遺伝子解析の「予備的データ」の結果として、現段階で「強い病原性を示唆するような遺伝子はない」と「弱毒性」との認識を示した。 被害については、現在の毒性が変わらなければ、パンデミックを起こしても、約200万人が死亡した57年の「アジア風邪くらいかもしれない」とした。 数千万人規模の死者が想定される強毒性H5N1型と「全く横並びに判断していいものではない」と話した。 致死率などについては、疫学的調査が終わっていないため「実際の数字は分からない」と説明。 そのうえで、メキシコで感染が疑われる患者が1000人を超える一方、同国以外は数十人規模であることから「割合からすれば(他の国で多くの)重症者が出なくても当たり前かもしれない」と述べた。 対策についてはH5N1型に比べ「健康被害や社会的影響は大きく異なる。 全く同じ対策を機械的に取ることは必ずしも妥当ではない。 フレキシブル(柔軟)に考えていく必要がある」と述べた。 日本の対策については「少しナーバスになり過ぎているところがあるかもしれないが、後手後手になって大きな被害が出るよりは、やり過ぎの方がいいかもしれない」とした。 また、「風邪というような判断で特別な検査に至らない状況がある」と発見の遅れに憂慮を示した。 また同氏は、新型インフルエンザウイルスは、北米型とユーラシア型の豚インフルエンザウイルスに、人と鳥のインフルエンザウイルスを加えた4種類の遺伝子が混合したものと説明。 「H5N1型による大流行のリスクが減ったわけではない」と、警戒を怠ることは危険だと警告した。 3.インフルエンザの知識 以下にインフルエンザの知識について、厚生労働白書から引用する。 インフルエンザとは インフルエンザは、かぜ症候群を構成する感染症の一つであり、症状の程度によっては普通のかぜと見分けにくいことから、特に我が国においては、一般のかぜと混同されることが多い。 しかしながら、一般にインフルエンザの症状は重く、特に高齢者や心臓病などの基礎疾患がある場合には重症化しやすい傾向があると言われ、肺炎や脳症などの合併症も問題となっている。 インフルエンザは、時に大流行して多くの犠牲者を出すこともあり、過去の世界的大流行としては、1918(大正7)年に始まった「スペインかぜ」、1957(昭和32)年の「アジアかぜ」、1968(昭和43)年の「香港かぜ」などがある。 中でも、スペインかぜによる被害は甚大で、死亡者数は全世界で2,000万人とも4,000万人とも言われている。 (厚生白書平成12年版) 高齢者を中心とする慢性疾患を有する者が罹患すると肺炎を併発するなど重症化する場合が多く、特別養護老人ホームにおける集団感染の問題や、インフルエンザによる死亡者の約80%以上を高齢者が占めることなど、高齢化が進行している我が国にとってインフルエンザはますます大きな脅威となっている。 さらに、近年、乳幼児において、インフルエンザに関連していると考えられる急性脳症が年間100〜200例報告されている(現在研究が行われている。 (厚生労働白書平成16年版) インフルエンザウイルスについて インフルエンザウイルスは、直径1万分の1ミリメートル(100nm(ナノメートル))という小さなウイルスであり、ヒトに感染した場合は、鼻孔や気道粘膜の表面の上皮細胞に侵入し、その中で増殖する。 インフルエンザウイルスは、そのたんぱく質の違いに基づいてA型、B型、C型に分類されるが、このうちヒトに感染し発症するのは主にA型とB型である。 A型は、ヒト以外にもブタやトリなど実に多くの動物を自然宿主とする人獣共通のウイルスであり、その表面に突き出た突起の組み合わせの違いによって香港型、ソ連型に区別されている。 また、A型は突然変異を起こして大流行することがあり、これまでもスペイン風邪を始めとする甚大な健康被害をもたらしている。 なお、同じA型であっても毎年少しずつ変化しており、以前にA型インフルエンザに罹って免疫がある者であっても、再び別のA型インフルエンザに感染し、発症することがある。 (厚生労働白書平成16年版) 新型インフルエンザウイルスの出現の仕組み 1993(平成5)年の第7回ヨーロッパインフルエンザ会議では、新型インフルエンザによる汎流行が発生した場合は、国民の25%が罹患発病すると仮定して行動計画を策定するよう勧告を出しており、我が国では、約3,200万人の患者が発生し、少なくとも3〜4万人の死者が出る可能性があることになる。 このような新型のインフルエンザウイルスは、アジア風邪、香港風邪が中国南部で出現していることから、その出現の仕組みとして、 1 元々鳥インフルエンザウイルスを保有しているカモなどの水鳥が中国南部に飛来し越冬する間に、ガチョウなどの家禽類にインフルエンザウイルスが伝播する 2 中国南部は、家禽類、ブタなどの家畜と人間との接触が濃密な生活様式であるため、家禽類からブタやヒトに感染しやすく、そのため、特に、ブタがトリのインフルエンザウイルスとヒトのインフルエンザウイルスに同時に感染し、ブタの体内で混合、進化し、新たなインフルエンザウイルスが誕生することが考えられている。 (なお、中国南部に限らず世界のどの地域においても新型インフルエンザが出現する可能性は否定できないことに留意が必要である。 ) 昨今の鳥インフルエンザが脅威とされているのは、トリからヒトへと感染するだけでなく、このような大きな仕組みによってヒトからヒトへと感染する能力をインフルエンザウイルスが獲得し、ヒト間で感染が拡大する可能性が指摘されているからである。 (厚生労働白書平成16年版) 効果的な予防策 インフルエンザに対する最も効果的な予防策は、流行前に予防接種を受けることである。 毎年、我が国では、WHOが推奨したウイルス株を基本に、これまでの我が国での流行状況などを勘案し、流行する株を予測してワクチンを作っており、この約10年間、ワクチン株と実際に流行したウイルス株とはほぼ一致している。 しかし、我が国においては、ワクチン接種率は他の先進国に比べて低く、インフルエンザによる死亡や入院を低減させ、ひいては流行を防止するに当たっての課題となっている。 特に高齢者についてはワクチン接種の有効性が高いことが確認されており、予防接種を受けずにインフルエンザに罹患した者の約7〜8割の者は、予防接種を受けていれば罹患せずに済んだか、又は軽い症状で済んだとされている。 こうしたことから、2001(平成13)年の予防接種法改正により、65歳以上の者等については、インフルエンザが定期の予防接種の対象疾患と位置づけられ、高齢者への予防接種が促進されている。 (厚生労働白書平成16年版) (2007年3月27日収録、5月8日高倉健吾氏の指摘により超過死亡概念による死亡者数追加、2008年12月2日更新、2009年4月30日・9月30日更新、11月7日最近のピーク週の定点当たり患者数推移を追加、2010年11月2日更新、2011年6月2日更新、2013年5月9日更新。 6月5日更新、2014年6月15日更新、2015年6月5日更新、2016年5月24日更新、2017年6月9日更新、2018年6月1日更新、2019年1月26日週別患者数グラフ新規、12月20日更新、近年の動向コメント改訂、2020年1月28日検査法要因追加、1月31日月別データ、2月7日新型コロナウイルスとインフルエンザ等との比較、2月15日月次更新、超過死亡数を表示選択に、2月24日表示選択に戦前からの推移図追加、3月7日【コラム】新型コロナとインフルエンザの比較、4月27日一波で終わらなかったスペイン風邪の教訓、2020年6月10日更新).

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Aneひめ Vol.8

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エボラ出血熱の死亡率は? 「エボラ出血熱の死亡率は50-90%と高く、・・・」というような記述を見かけることがあります。 この記述は誤りで、正しくは、「エボラ出血熱の致死率(致命率)は50-90%と高く、・・・」です。 ある病気Aの死亡率、あるいは、ある病気Aの致死率(致命率)といった場合、死亡率も致死率(致命率)も、割り算で、「ある病気Aの死亡者数」を割ることにより算出しますが、何で割るかが違います。 死亡率の場合は、総人口で割ります。 致死率(致命率)の場合は、「ある病気Aの患者数」で割ります。 ですから、例えば、「B国でエボラ出血熱の死亡率は50%だった。 」という場合には、「B国国民の総人口の半数がエボラ出血熱で死んでしまった。 」ということになってしまいます。 「B国でエボラ出血熱の致死率(致命率)は50%だった。 」ということであれば、「B国ではエボラ出血熱患者の半数が死亡した」ということになります。 日本では、2002年において死亡率が高いのは、死因の上位を占める悪性新生物 癌 、心疾患 心臓病 、脳血管疾患 脳卒中 といった死因です。 日本では、2002年においてエボラ出血熱による患者も死者も発生していません。 ですから、日本では、2002年においてエボラ出血熱の死亡率は、0%です。 死亡者数を使って算出する、公衆衛生の指標はいくつかあります。 ここでは、死亡率、致死率(致命率)、死亡割合について、触れます。 死亡率について 「死亡率」=「一定期間における死亡者数」/「総人口」 上記の死亡率(death rate、mortality rate)は、粗死亡率(crude death rate)とも言います。 総人口としては、日本・アメリカ合衆国といった国々のこともあれば、東京都や横浜市、川崎市といった行政単位のこともあります。 一定期間としては、1年間が用いられるのが通常です。 人口1000人あたりの率として、表示することが多いです。 平成13(2001)年の日本における死亡率を計算してみましょう。 日本の総人口としては、平成13(2001)年10月1日の推計人口125908000人を用います。 平成13年1年間の日本の死亡者数は、970331人です。 計算すると 「死亡率」=970331人/125908000人=0. 007707=7. 707人/1000人 となり、平成13(2001)年の日本における死亡率は、7. 707(人口1000対)となります。 さて、どんな病気で亡くなる人が多いのかということを考える場合には、病気別の死亡者数を数えて、病気別の死亡率を計算します。 「ある病気Cの死亡率」=「一定期間におけるある病気Cによる死亡者数」/「総人口」 この死亡率は、死因別死亡率と呼ばれます。 総人口としては、日本・アメリカ合衆国といった国々のこともあれば、東京都や横浜市、川崎市といった行政単位のこともあります。 一定期間としては、1年間が用いられるのが通常です。 人口10万人あたりの率として、表示することが多いです。 近年、日本での死因の1位を独走しているガン(悪性新生物)について、平成13(2001)年の死因別死亡率を計算してみましょう。 平成13年1年間の日本のガンによる死亡者数は、300658人です。 日本の総人口としては、平成13(2001)年10月1日の推計人口125908000人を用います。 計算すると、 「ガンの死亡率」=300658人/125908000人=0. 002388=238. 8人/100000人 となり、平成13(2001)年の日本におけるガンの死亡率は、238. 8(人口10万対)となります。 さて、この死亡率ですが、国際間の比較に使おうと思うと不便な点があります。 計算する際に総人口を必要とすることです。 世界には、総人口がよくわからない国が少なくありません。 総人口がわからないと、死亡率もわからないということになります。 そこで、総人口がわからない場合でも計算できる、死亡割合が、発展途上国も含めた国際間の比較ではよく使われています。 死亡割合について 死亡割合は、死亡者の統計によって計算されます。 死亡者の死因や年齢などによって、分類して死亡者数を数えます。 大きな分類Dの中に小さな分類Eが含まれる場合、 「大分類Dに占める小分類Eの死亡割合」=「小分類Eの死亡者数」/「大分類Dの死亡者数」 となります。 %で表示することが多いです。 日本の平成13(2001)年の全死因に占めるガン(悪性新生物)の死亡割合を計算してみましょう。 平成13年1年間の日本のガンによる死亡者数は、300658人です。 平成13年1年間の日本の死亡者数は、970331人です。 計算すると、 「全死因に占めるガン(悪性新生物)の死亡割合」=300658人/970331人=0. 310=31. 0人/100人 となり、平成13(2001)年の日本における全死因に占めるガン(悪性新生物)の死亡割合は、31. 0%となります。 平成13(2001)年の日本における全死因に占める死因別の死亡割合は、1位(悪性新生物)から10位までで、下の表1の通りです。 また、日本では、どこの部位のガンで亡くなる人が多いかということで、全ガン(悪性新生物)に占める部位別ガン(悪性新生物)の死亡割合が計算されることがあります。 1位が気管,気管支及び肺の悪性新生物で18. 3%、2位が胃の悪性新生物で16. 6%となっています。 タバコを吸うのは、控えましょう。 平成13年(2001)年の日本における全死因に占める死因別の死亡割合 死因 死亡者数 死亡率(人口10万対) 全死因に占める死亡割合(%) 全死因 970,331 770. 7 100. 0 悪性新生物 300,658 238. 8 31. 0 心疾患 148,292 117. 8 15. 3 脳血管疾患 131,856 104. 7 13. 6 肺炎 85,305 67. 8 8. 8 不慮の事故 39,496 31. 4 4. 1 自殺 29,375 23. 3 3. 0 老衰 22,145 17. 6 2. 3 腎不全 17,690 14. 0 1. 8 肝疾患 15,848 12. 6 1. 6 慢性閉塞性肺疾患 13,069 10. 4 1. 3 さて、年齢で分類して死亡者数を数え、算出する死亡割合があります。 死因がわからなくても年齢がわかれば良いです。 どこの国でも比較的算出されやすい公衆衛生の指標です。 死亡総数に占める50歳以上の死亡割合(PMI 50:Proportional Mortality Indicator 50)です。 %で表示することが多いです。 PMI 50=「50歳以上の死亡者数」/死亡総数 PMI 60=「60歳以上の死亡者数」/死亡総数 PMI 80=「80歳以上の死亡者数」/死亡総数 PMI 85=「85歳以上の死亡者数」/死亡総数 公衆衛生の状態が良ければ良いほど、長生きし、死亡者の年齢は高い人が多くなると考えられます。 100%に近いほど公衆衛生の状態は良好と考えられます。 日本のPMI 50は、2000年で93. 6%で世界的にも高いレベルです。 致死率(致命率)について 「ある病気Cの致死率」=「一定期間におけるある病気Cによる死亡者数」/「一定期間におけるある病気Cの患者数」 致死率(case-fatality rate)は、死因ともなりえる急性の病気の流行が起こったときに、よく使われます。 一定期間とは、流行期間に留まらず、ある病気Cによるすべての死亡を見届けるのに十分な期間です。 すべての患者は、病気Cが原因で死亡するかしないかが、はっきりするまで経過を追われます。 エボラ出血熱の致死率は50-90%、新型肺炎SARSの致死率は14-15%とされています。 致死率(致命率)と死亡率とは、違います。 間違いのないように、用語を使い分けましょう。 [増補 1] 平成23(2011)年の日本における死亡割合について 平成24年 2012年 9月6日発表の厚生労働省「平成23年 人口動態統計(確定数)の概況」によります。 日本の総人口としては、平成23(2011)年10月1日の推計人口126,180,000人 総務省統計局 を用いています。 平成23(2011)年の日本における全死因に占める死因別の死亡割合は、下の表2のとおりです。 表2. 平成23年(2011)年の日本における全死因に占める死因別の死亡割合 死因 死亡者数 死亡率(人口10万対) 全死因に占める死亡割合(%) 全死因 1,253,066 993. 1 100. 0 悪性新生物 357,305 283. 2 28. 5 心疾患 194,926 154. 5 15. 6 肺炎 124,749 98. 9 10. 0 脳血管疾患 123,867 98. 2 9. 9 不慮の事故 59,416 47. 1 4. 7 老衰 52,242 41. 4 4. 2 自殺 28,896 22. 9 2. 3 腎不全 24,526 19. 4 2. 0 慢性閉塞性肺疾患 16,639 13. 2 1. 3 肝疾患 16,390 13. 0 1. 3 悪性新生物 がん は、昭和56年 1981年 以後、脳血管疾患にかわって死因第1位となりました。 全死亡者の約3. 5人に一人は、悪性新生物 がん で死亡しています。 心疾患 心筋梗塞・狭心症等 は、昭和60年 1985年 以後、脳血管疾患にかわって死因第2位となりました。 全死亡者の約6. 5人に一人は、心疾患 心筋梗塞・狭心症等 で死亡しています。 肺炎は、平成23年 2011年 、脳血管疾患にかわって死因第3位となりました。 全死亡者の約10人に一人は、肺炎で死亡しています。 脳血管疾患 脳梗塞・脳出血等 は、昭和26年 1951年 、結核にかわって死因第1位となりました。 昭和45年 1970年 をピークに低下が見られました。 昭和56年 1981年 、悪性新生物 がん にかわって死因第2位となりました。 昭和60年 1985年 、心疾患 心筋梗塞・狭心症等 にかわって死因第3位となりました。 平成23年 2011年 、肺炎にかわって死因第4位となりました。 全死亡者の約10人に一人は、脳血管疾患 脳梗塞・脳出血等 で死亡しています。 なお、結核は、平成23年 2011年 、死因第25位 死亡者数2,162人 です。 不慮の事故は、平成23年 2011年 、東日本大震災の影響で大幅増加して、老衰にかわって平成22年 2010年 の死因第6位 40,732人 から死因第5位となりました。 全死亡者の約21人に一人は、不慮の事故で死亡しています。 なお、全死亡者の約24人に一人は、老衰で死亡しています。 従来、3大死因として、悪性新生物 がん 、心疾患 心筋梗塞・狭心症等 、脳血管疾患 脳梗塞・脳出血等 の3疾患が注目されて来ました。 肺炎が、平成23年 2011年 、脳血管疾患にかわって死因第3位となったことから、今後は、肺炎も加えた4大死因として、肺炎にも注意して行く必要があります。 [増補 2] 平成23(2011)年のアメリカ合衆国における死亡割合について 平成24年 2012年 10月10日、アメリカ合衆国CDCの国立保健統計センター発行の「死亡統計:2011年 暫定数 」によります。 アメリカ合衆国の総人口としては、平成23(2011)年7月1日の推計人口311,591,917人 アメリカ合衆国商務省国勢調査局: U. Census Bureau を用いています。 平成23(2011)年のアメリカ合衆国における全死因に占める死因別の死亡割合は、下の表3のとおりです。 表3. 平成23年(2011)年のアメリカ合衆国における全死因に占める死因別の死亡割合 死因 死亡者数 死亡率(人口10万対) 全死因に占める死亡割合(%) 全死因 2,512,873 806. 5 100. 0 心疾患 596,339 191. 4 23. 7 悪性新生物 575,313 184. 6 22. 9 慢性下気道疾患 143,382 46. 0 5. 7 脳血管疾患 128,931 41. 4 5. 1 不慮の事故 122,777 39. 4 4. 9 アルツハイマー病 84,691 27. 2 3. 4 糖尿病 73,282 23. 5 2. 9 インフルエンザ及び肺炎 53,667 17. 2 2. 1 腎不全 45,731 14. 7 1. 8 自殺 38,285 12. 3 1. 5 アメリカ合衆国における死因の一位は、心疾患 心筋梗塞・狭心症等 です。 アメリカ合衆国においては、心臓病対策は大きな課題です。 表2と表3とを、死亡率(人口10万対)および全死因に占める死亡割合に注目して比較すると、アメリカ合衆国で多いのは、心疾患 心筋梗塞・狭心症等 などです。 日本で多いのは、悪性新生物 がん 、脳血管疾患 脳梗塞・脳出血等 、自殺などです。

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