現代魔術科。 「現代魔術入門」科学時代の魔法の基礎

[翻譯] 魔術協會(時鐘塔)年表

現代魔術科

当初の手筈通り、フェルメニア・スティングレイを結界内に誘き寄せた水明は現在、魔力炉を起こした事により魔術師としての最大限の力を発揮できる態勢へと移行していた。 圧倒的な戦力差をやっと弁え、焦燥と恐怖に身を縛られるフェルメニア。 彼女を前に、水明は己が持てる知識を用立て、魔力を漲らせて臨む。 いま他の誰かが現状を正しく知ってここに居たとすれば、最大限、全力はいくらなんでもやり過ぎであろうと、そう思うのかもしれない。 フェルメニア・スティングレイは、いや、この世界の魔術師はそれだけ彼らの世界の魔術師に劣っているのだ。 ならば、手加減にこそ気を揉み、無用な魔力の消費を抑えスマートに事を運ぶのが効率的で紳士的だと、そう。 しかし、水明にその意思はない。 いくらこの世界の魔術師が魔術の 系統 しゅるい の多様さを知らなくても、魔法陣の有効な利用法を知らなくても、必須とも言える呪文詠唱の工夫をしなくても、魔術師の基礎たる魔力炉を体内に作っていなくても、彼にとって魔術師は魔術師なのだ。 戦うための舞台を用意して、戦いに招いたホストであるならば、その競い合いがどれ程低レベルなものでも、全力という礼儀を欠いてはいけない。 魔術師なら魔術師らしく、己が全霊の魔術をもって相手の心を魅了して、屈服させる。 確かに今回、状況が状況なため最後にそれ以外の意図も用意しているが、戦いの最中ならば、主催として以上気概をもって臨まなくてはならない。 それが、八鍵水明の魔術師としての誇りであった。 対峙して暫し。 無論この戦いに開始の言葉などない。 もう戦いは既に始まっているのだ。 後はどちらが先に動くかのみ。 戦いの緊張に堪えられなくなったか、先に動いたのはフェルメニアだった。 真理と言うが実際は単に温度が高いだけの炎を発生させる魔術だが、先程の炎は小手調べだったようで、規模は段違いに大きい。 ならば、込められた魔力の量も相当に多い。 俄に生み出された炎はうねる白波が如く渦を巻いてせめぎ合い、辺りに広がると一瞬でこちらに焦点を合わせ、収束しながら向かってくる。 こちらを焼き殺さんと殺到する炎。 その炎に対して感慨は最早ないが、無論黙って受ける気は皆無。 手早く息を吸い込み、視線を集中。 魔力を最適化させて、魔術を行使する。 「Secandum ex Quartum excipio」 (第二、第三、第四城壁、局所展開) これは、自身の持ちうる防御の魔術。 手のひらで受け止めるが如く突き出した腕のその前に、金色の魔法陣が三重を成して盾となる。 熱いだけの炎など効くはずもない。 要塞の壁は頑丈だ。 たかが炎で攻められたとしても落ちはしない。 三重に重なる魔法陣の障壁に阻まれて、敢えなく消えるが関の山。 七条の白炎の火線が轟音を尾に引いて、金色の魔法陣へと墜落する。 阻まれる白炎の光条は衝突と共にその真っ白な火花を散らし、魔法陣を削らんと全ての量が消え失せるまで、これは猛威をもっての突貫だ。 白炎は掘削機械の唸りのような轟音と火花を散らし、あぶれた余波は自身の周囲を蹂躙する。 一秒、二秒、三秒、四秒。 だが、白炎は貫けない。 第二城壁の術式防御に阻まれて、その上第三城壁たる輪転する魔法陣が魔術を構成する術式を解いていく。 それにより、眩い純白は色褪せて元の赤へと回帰しそして最後は第四城壁の 威力反射 リフレクト によって爆裂の前に四散した。 「まだ、まだだっ!」 力のこもった焦りが聞こえるが、しかしそれは次弾の証。 撃ち出された火線は防ぎ切ったが、まだ彼女の言葉が指す通り空中には白炎の燃焼が停滞しているのだ。 再度の「炎よ!」の号令の下、フェルメニアはそれを撃ち出す。 再び襲いくる白炎をやり過ごすため、今度は真横へと駆け抜ける。 その間にも白炎が方向を変え、動きを変えて迫りくる。 さすが宮廷魔導師の肩書きは伊達ではないか。 動かすための魔力の移動も、炎の操作も、素早く且つ最短で行っている。 その、一流と言って差し支えない魔術の運用は確かに感嘆に値する。 だが結局、いくら上手くてもそこに質が伴わなければ意味はない。 城壁を突破する謂れや、破壊の効果を持たない魔術では金色要塞に傷をつける事はできないし、かといって防御を解いての遁走でも、炎は己をコンマ一秒を削って追い掛けるが、コートの端にも引っ掛からず一筋の焦げあとも残せないのだ。 追い付けない白炎を尻目にして、こちらはそのまま反撃に転じる。 彼我の距離は逃走で開いた。 だからこそ唱えたるは、加速の魔術。 重力軽減、質量低減。 Mltitudo. 身体の重さも今はないようなもの。 ならば駆ける。 否、だから翔ぶ。 黒のコートを翻し、迫る白炎を引き剥がして、滑空する飛燕が速度でフェルメニアへと攻め込んだ。 加速した肉薄は瞬間移動と見紛っただろう。 気が付けばその存在は三メートルそこら。 彼女の言の葉を全て聞き終える前に、奴の手前で指を弾く。 一瞬、冷ややかな視線と重なる、驚愕の視線。 指弾の魔術。 現代魔術師たる水明、圧縮した空気を破裂させる事は指を弾く工程のみで発動できる。 簡素な魔術ながら、その力は推して知るべし。 簡素故に速度に優れ、効果の程も影響も、物理的だから分かりやすい。 透明な爆弾が透明な爆発を起こしたように、衝撃が空気を押し退けて真下の地面ごと吹き飛ばす。 破裂は至近だったが、先程見たが故か、間一髪で身を投げ出して回避に間に合うフェルメニア。 「うぐ、あ……!」 その退路を塞ぐように再び指を鳴らそうとすると、フェルメニアもまずいと方向転換。 連続して繰り出される衝撃波に踊らされるように命からがらに逃げながら、叫ぶような悲鳴を放つ。 相手が撃ったから今度はこちらが撃つなんて、俺たちはRPGのゲームをやってる訳じゃないんだぞ?」 そう、これはゲームではない。 命を懸けた試し合いだ。 一秒程度の時間を浪費しただけで、容赦なく決着してしまう世界。 フェルメニアの持つ神秘とは訳が違う。 フェルメニアが逃げ惑う隙にポケットから試薬瓶を取り出す。 そしてその試薬瓶の蓋を素早く開ける。 その中には水銀が。 常温で液化する唯一の金属。 錬金学では両性具有の怪物とあだ名される物質が、魔術を掛けろと今か今かと零れ出る。 そして、振り撒くように払い、宙で線を引いた水銀に待ち望まれた言葉を掛ける。 「Permutatio Coagulatio vis lamina!」 変質、凝固、成すは力! まだ液体のままの水銀を掴み、刀の血振るいのように後ろへ振り抜くと、そこには既に形を成した水銀が。 血振るいが故に当然、形骸は剣に。 本質も剣に。 それは水銀刀。 魔術によっていくらでも形が変わる、形なき武器。 射出される小さな小石は、その軌道の上で土を呼び寄せる。 飛来する小石が到達の直前には尖った拳大の悪辣な石弾になっていた。 飛来する石を、造り出した剣で。 魔術師の瞳の前には銃弾とて捉えきれぬものではない。 ならば、飛んでくる石ころなど脅威にはなり得ない。 水銀の刃の切っ先が魔力で練られた石を打ち砕く。 後から飛んでくる石礫も打ち砕く。 剣術の流れに沿って流麗に。 危なげなく。 「クソッ……クソクソクソクソぉおおおお!」 フェルメニアはもう自棄だとばかりに石弾を乱射する。 だが、礫は決して届かない。 衣服に砂埃さえ付けられない。 最後の礫を切り払う。 ばらばらと墜落する土塊。 もう、形を成す事はない。 Coagulatio. vis flagellum」 (変質、流動、鋭くうねろ!) フェルメニアと同期しての詠唱は、しかし文節の短いこちらに分があった。 水銀刀に貫かれるように魔法陣が構築される。 そして手首の返しを最大限に使って一振り。 すると先程まで鋭い鉄の棒だった水銀が、皮紐を 綰 たが ねた鞭が如く変化する。 詠唱文の通り、空をうねる水銀の鞭。 フェルメニアの呪文完成を阻まんと彼女の真横を叩いた。 「ッツ!?」 水銀の切っ先が音速を凌駕して、空砲のような激しい破裂音を響かせる。 深々と抉れる地面。 金属の鞭は、革の鞭などとは比較にならない威力を持っている。 重さも、硬さも、鋭さも、長さでさえも如意自在。 人体はおろか分厚い鉄板ですら、薄紙が同義と突き破ってなお残虐に破断するのだ。 「う、ぐ……そんな、まさか……」 腕の一振りで命を刈り取れる。 そんな事実を突きつけられたフェルメニアは、その場から一歩も動けなくなる。 いつもは詠唱で滑らかに動くだろう口も同様だ。 呪文の一小節も口にできず、苦渋に歪んだ顔から苦渋にまみれた言葉しか出てこない。 顔から血の気が引くのが見える。 これで終わりか。 否、膝を屈っさぬ限り終幕ではない。 浮かぶのが苦渋ならば、まだそれは諦めではないのだ。 その意思の下、魔力炉に今一度激情という名の薪を焼べ、俄に魔力を爆発させた。 地響きと錯覚するような大音と力が、城を震撼させる。 爆裂した魔力の奔流が絡み合い、行き場を失ったそれが群青の稲妻を迸らせて竜の咆哮さながらの唸りを上げて。 そして目の前には戦慄に正体をなくしたフェルメニアが。 決して抗えぬ力の差に、呆然と膝をついたまま畏怖の視線を向けてくる。 それを前に、水明は謳い出す。 「Velam nox lacrima potestas」 (帳の内。 夜の流す涙の威) 足下より、庭園を包み込むほど巨大な魔法陣が展開される。 それが輝かせるは星空よりもなお深い蒼の魔力光。 その一際の輝きは目映く強く、この幻想の世界においてなお幻想的。 「Olympus quod terra misceo misucui mixtum」 (天地の標をあやなして) 小節が終わる都度、事象や現象が立ち替わる。 呪文全てで一つと成し、唱え切ってから一気に現象を覆すこの世界の魔術とは違い、こちらの魔術は詠唱自体が力の具現。 詠唱中も世界が変わり、常に起こすべき奇跡へと状況を推移させていく。 大地から金色の力の粒子が舞い上がり、天を目指せと舞い上がっては星の空へと吸い込まれる。 そして、あまねく空を彩る星を写し出したように、中天に無数の魔法陣が構築された。 「Dezzmoror pluviaincessanter」 (目眩く、降り注ぐ) 気が付けば、空を彩る星のように天球を埋める魔法陣。 種類は多重広域展開型。 属性はエーテルと準える空属性。 系統はカバラ数秘術及びアストロジーを両立させた、現代魔術の代名詞とも言える他系統複合魔術。 単語は残す所あと一つという要所で、水明はニヤリと不敵に笑んで処刑執行を宣告する。 「宮廷魔導師殿。 全力で防御しろよ?」 その言葉にフェルメニアができた抵抗はなかった。 ただがむしゃらに命を惜しんで防御魔法を展開する。 その言葉を始まりにして、空の魔法陣から逆さに建つ光の柱。 魔力と星気光が混じりあって指向性を持った幾つものそれは、さながら流星が真上に溢れる涙と落ちてきたかのよう。 地上にあったあらゆる音を、その雷めいた轟音で吹き飛ばして範囲内の全ての大地に牙を剥く。 これが星空の魔術、 流星落 りゅうせいらく。 エンスアストラーレの言葉と共に顕現する、八鍵水明の大魔術の一つであった。 ……やがて、流星の雨は収まった。 後に残ったのは、まるで今までの破壊行為が夢であったかのように恙無い本来の白亜の庭園と、黒のスーツを纏った八鍵水明、純白のローブをボロボロの布切れと見紛うほどにしてしまったフェルメニアの姿だった。 へたりこんで動けないフェルメニアの下へ優雅に赴き、その首筋に水銀刀を合わせる水明。 「俺の勝ちだ。 文句はないな?」 勝敗を訊ねると、震える声が返ってくる。 「ば、化け物め……その実力で戦えないなどどの口がほざくか……。 何故魔王討伐を拒否したのだ? 貴様が出向けば魔王とて……」 「倒せるってか? それこそ馬鹿言えって話だろ。 謁見の間でも言ったが、戦いは数が物を言うもんだ。 それは歴史が証明してる。 どれほど強さを持ってても、圧倒的な数には敵わない。 勝った試しは存在しない。 いくら戦う者の質が良かろうと、数の暴力と沢山の意思を束ねた感情のうねりの前には、人間一人なんてちっぽけな一でしかないんだよ」 そう言い切って、水明はまだ言い足りないと口を開く。 「あんたらのお願いを聞いて戦わなきゃならないのは、ナクシャトラとかいう魔王だけじゃない。 その配下である魔族とかいう生物の軍団だってそうだ。 あのバーコードハゲはノーシアスとかいう国を落とした軍勢は百万っつったが、普通に考えて予備戦力やらを集めるとそんな規模じゃないだろうが。 倍か? 三倍か? 百万でも馬鹿げてるのにそんな数を相手にしろってか? いくら少数精鋭で懐まで突っ込む作戦でも、尋常じゃない数とカチ当たらない保証はないんだぜ? どうやったって倒せるわけねぇじゃねぇかよ」 「貴様こそ何を言っているのだ? 戦は個人の武勇が物を言う戦いの場だぞ。 それほどの力があれば勝ちこそすれ、決して敗けはない」 「アホか。 質と量じゃ戦力の種類が違うって言ってるんだ。 必ずしも質イコール量じゃねえだろうが」 「貴様ほどの……貴様ほどの魔法使いがそれを言うのか?」 「はあっ? 俺が? よせよ俺なんかそんな上等な魔術師じゃない。 まあちょっと才能は有るって言われた事はあるが、向こうじゃ精々中の下止まりの魔術師だよ。 ……まーそうだな、確かに向こうの上の上、一番天辺の奴なら鼻で笑ってできるのかも知れないが。 んな話ここじゃ一ミリも関係ない話だ」 「…………」 フェルメニアは今度こそ言葉を失う。 その原因が水明達のいた世界の尋常ない凄まじさに対してなのか、それともそう笑って嘯いてしまう事のできる水明本人になのかは定かではないが、それでも圧倒的な差にそれ以上なにも言えなくなったのは確かだった。 「ま、始める前から分かってはいたけどさ、異世界の魔術ってだいぶ遅れてんだな。 はっきり言ってそこまで楽しくなかったよ。 あんたにゃ酷な言い様かもしれんがね」 そう、水明は今の正直な気持ちを口にする。 自分の知らない神秘を見る喜びが魔術師の戦いと位置付ける彼にとって、未知の魔術、技巧の末に編み出された魔術こそが戦いに求めるもの。 しかし今の戦いには、一つたりとてそれがなかった。 だから、勝つべくして勝った。 それに付随する歓喜は当然、皆無であった。 そして来るべくして来た時だとばかりに、フェルメニアにこの戦いの結果を突き付ける。 「さてと、じゃあそろそろ舞台も幕引きと行こうか、魔法使い」 聞くものの背筋が底冷えするほど、できるだけ声音を変えてその心胆寒からしめんと、そう。 膝をついて立ち上がれもしないフェルメニアにはそれが 止 とど めとなったか、まるでたった一人で世界の終わりを迎えたように、顔を青ざめさせていた。 「こ、殺すのか……?」 「さあどうだろうな? あんたは俺がこの決着をどんな形で落ち着けると思う?」 「た、頼む! それだけは許してくれ!」 フェルメニアはその身の矜持をかなぐり捨てて、水明に平伏する。 助けてくれ、見逃してくれと、もう逆らいはしないとばかりに大人しく、しかしなりふり構わずに。 だが水明は面白くもなさそうに鼻を鳴らして、意地の悪そうに問い掛ける。 「おやおや、あんたは俺のこと殺る気満々だったくせに、いまさら命乞いかよ?」 「ち、違う! 私は元よりスイメイ殿を殺す気などなかった! ただ、知らしめてやろうとしただけで……」 首を激しく横に振るフェルメニアに、注がれるのは興醒めと胡乱が混濁した視線。 命を懸けて場に臨んだ訳ではないにしろ、これでは覚悟がなさすぎた。 相手をぶちのめす気概はあるが相手にぶちのめされる最悪は考えなかったがゆえ、この不様はその代償だろう。 貴族のお姫様だったという話を聞いた覚えがあるが、良くも悪くもそれが影響した性格なのかもしれない。 そして水明は先ほどの発言の真意を問う。 「殺る気はなかったって、ホントかよ?」 「本当だ! 女神アルシュナに誓って、嘘ではない!」 「その女神殿の御名があんたらにとってどれほど重い名前かは知らないが、異世界人で日本人の俺には与り知らないことだ」 カチリと、鍔のない刀が鍔鳴りの音を鳴らす。 フェルメニアは日本人でないゆえ何を示す音かは分からないはずなのだが、本能的に命の距離が縮んだ事を悟ったか懇願が悲痛な哀願へと変わる。 「お、お願いだ! 私はまだ死にたくない! 死にたくないんだ……頼む、この通りだ」 さすがに虐め過ぎか。 これだけ心を打てば、そろそろ本題に入ってもよい頃合いだろう。 そう考えた水明は、意地悪な態度が演技と悟られぬよう、一際つまらなさそうに口にする。 「……じゃあそうだな。 助けてやる代わりに、俺の提示する条件を飲んでもらおうか」 「……じょ、条件?」 「そうさ。 まず一つは、今日ここで起こった事は決して誰にも話さないこと。 二つ目は、俺が魔術師である事を誰にも言わないこと。 特に黎二や水樹には。 いいか?」 睨みを聞かせ、承諾を迫ると慄きに身を 窶 やつ したフェルメニアは、首を思い切り横に振る。 「い、いや、待ってくれ。 レイジ殿やミズキ殿ならまだしも、国王陛下にだけはお前が魔法使いである事をお伝えしている。 その場合どうすれば……」 「へぇ、それは意外だったな。 あんたみたいな自信過剰が誰かに話してるとは驚きだ。 いずれにせよ今後あんたからこの件の詳細は語れなくなるんだ」 提示する条件に最初から外れている危険を回避し、フェルメニアがほっと安堵の息をついたのを見て、水明は最後の最も重要な条件を口にする。 「そして三つ目だ。 あんたには以上の事を踏まえ、この書類にサインしてもらおう」 そして水明は虚空から取り出すような仕草をして、一枚の紙とペンを左手に出現させる。 ペンはいつも彼が使うもので、紙にはつらつらと外国語で何らかの取り決めが書き連ねられていた。 当然、フェルメニアには分からない。 「なんだ、これは?」 「何、ただの証明書さ。 さっき言った事を必ず守るって文言の書かれた、契約文書だよ。 別にそれくらい署名したって構わないだろ?」 「……分かった。 署名しよう」 フェルメニアは少しだけ怪訝に思ったようだが、承諾する。 怪訝に思えど何があるか明確な予想など立つわけでもなし、どちらにせよ彼女に選択肢はない。 証明書きに署名し終え、最後に血の拇印を押す。 水明はそれを最後まで見届けてから、空に浮かぶ月のように白々しく彼女に告げる。 水明は一度水銀刀から手を放し、サインの終わった証書を魔力の灯った指でつつくと、俄に胸を押さえて苦しみだすフェルメニア。 「馬鹿……、ぐっ、ぐああああああっ!?」 「因みに効果はこの通りさ。 心臓を握り潰される感覚は、中々に堪えるだろう?」 証書から指を放す。 すると、心臓を絞り上げた戒めから開放されたフェルメニアはそれだけで息も絶え絶えに変わったか、ぜえぜえと力のない不平を漏らす。 「ぐ、は……そんな、聞いてない」 「聞いていようがいなかろうが、あんたに選択肢はない。 なあに、そんな難しい事はないさ。 単に黙ってればそれで良いんだ。 魔王にケンカ売りに行けって話よりは随分と良心的な話じゃないか、なあ?」 「あ……う……うう……」 訊ねると、しかし返事は返らない。 フェルメニアは目尻に涙を溜めたまま、呆然と嗚咽を零している。 これにはやった本人水明も憐憫の情を禁じ得なかった。 果たしてこの上の追撃に及ぶか。 さすがにそこまで残虐な思考は持ち合わせていない水明は、少しだけ焦ったようにフェルメニアに言う。 「ま、まあそう言う訳だからさ、約束はちゃんと守れよな? 俺も無駄に殺しとか胸くそ悪いしさ」 先ほどよりも幾分口調が柔らかかったのは、同情が先行した故か。 嗚咽を溢し続け、聞いているのか聞いていないのか分からないフェルメニアに焦ったようにそう投げ掛けて、予定したのと些かばかりの齟齬に頭をポリポリ掻く。 そして、これ以上はすることもないかとフェルメニアを置き去りに、白亜の庭園を後にする。 結局落とし前はつけたが、見逃した形であった。 ……魔術師同士の戦いとは、決して命のやり取りと同意ではない。 寧ろ魔術師が魔術師の命を奪うこと事態が希なのだ。 確かに自分の工房に勝手に入った者には容赦しないものではあるが、それ以外であれば魔術師は皆が皆、互いに尊重しあい、手を取り合わなければならない同胞なのである。 昨今、魔術は科学に圧され、衰退ないし発展に歯止めをかけられている。 その中で魔術を志す者の存在は貴重なのだ。 だから、例え行使する魔術の系統が違えど、魔術という技術を地上から絶滅させないために、魔術師は魔術師をみだりに殺さない暗黙のルールが存在する。 そのため、先ほどのような証書がよく利用されるのだ。 殺さない変わりに、これ以上自分に害を及ぼす事ができないようにするために。 そうすれば、一応生かしたままにしておける。 魔術師も減らない。 それ以外の例外については割愛するが、故に魔術師の決闘は殺し合いを念頭に置くものではなく、魔術の競い合い、どれだけ神秘に通じているかなのであって、要は魔術の精度、強さ、術式の複雑さや高度さ、理論、特性、それらを互いに認め合うものに帰結してしまうのだ。 そう考えれば今回の戦いはどうか。 思わず唸りを上げてしまうような魔術はなく、であれば勝利に浸る余韻もない。 だから、こんな感慨しか浮かばないのだ。 「ほんと、遅れてるよな……」 先ほどもフェルメニアに口にしたその言葉が、今の水明を悩ませる。 今後、この世界で生活していかなくてはならない自分。 その心を躍らせる神秘がこの世界にあるのかどうか、という事が。

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魔術とは何か? その業は科学であり、世界の研究。 違いはあるか ある魔術師(wizard)が、自らの業を魔術(wizardry)だと言う時、その魔術という言葉は、他に適当な言葉がないから、とりあえず使われてるパターンが多いらしい。 ある魔術師は言う。 魔術を定義するなら、それは「最も総合的な科学(Most comprehensive science)」である。 また魔術は、「世界の研究(Investigation of the world)」であり、「命そのもの(life)」、「意思そのもの(Intention)」でもある。 この世界の何もかもは、繋がっている。 ある人という原子の集まりは、空気の原子、メッセンジャー粒子、愛や友情、社会的概念、想像上の領域で繋がっている。 我々はの共有をする。 ある人が今日の5時に生きてた時に、また別の人も同じ時間に生きている。 意思は、実在性と深く関わる。 我々は互いを、有限の速度である光を通して見る為に、実質的には我々が見る万物は過去のものである。 我々が知っていると思っている、目の前の現在の現実は、すでに現実ではない。 それは我々の想像力が作った虚像にすぎない。 魔術とは『自然の理(theory of nature)』を知り、それを利用する術。 基本的には科学と同じである。 魔術の意味。 言葉と真理 魔術の目的は奇跡を行う事ではないという。 しかし奇跡を起こしてならない訳ではないらしい。 魔術は何らかの目的を持って行うものだが、別にそれは奇跡でも、些細な事でもいい。 言葉は真実を表現するのに向いてない事に注意するべしである。 魔術師がその事を知りながら、言葉を用いるのは、他に表現の道具を知らないからにすぎない。 他の魔術師が考案した魔術を行う場合に、その魔術における言葉、例えば『神(God)』や『精霊(spirit)』、『大地(Earth)』、『宇宙(Universe)』などはよく使われるが、それらの言葉全ての意味を間違えないようにしないと、魔術は意味を失う。 ただいつでも忘れないでいるべきは、特別な者の特別な魔術など、あまり存在しないという事。 真理さえ知るなら、魔術を行うのは、誰にでも出来るのだ。 神秘主義思想。 天使や精霊は実在するか。 『神秘主義(mysticism)』、『超能力(psychic)』、『幻覚(hallucination)』、『妄想(delusion)』。 いずれも魔術とは似て非なるものとされる。 もちろん魔術は宗教とも違う。 よく悪魔がどうたら、という話があるが、悪魔の契約というのは、的な世界が生み出した、それこそ単なる妄想である。 実際、魔術の業として、や悪魔や精霊の力を借りる魔術もある。 しかし魔術師が、その天使や精霊だと解釈しているものが何か、実は魔術師にもわかっていないのだ。 もちろんいくつか説はある。 実際にそのような霊的な存在がいるとする人もある。 それらは自らの意思による、基本的には想定外の力を、理性的な人の脳が理解する為の幻にすぎないという見解もある。 どちらかというと後者の方が真実に近いかと思う。 なぜなら同じ手順を踏んだ、同じ霊の魔術であっても、現れる霊の姿が人によって異なる場合があるからである。 魔術師達の、霊がいるかどうかという議論は、の研究者達の、計算上にしかちゃんと確認出来ない「存在確率の波」や、「より小さな粒子」の実在性の議論に似ている。 ただ魔術師達は、自分達の扱うものの本質がわからない事を、物理学者ほどには深刻な問題とは考えてないという。 魔術師達からしてみれば、天使や精霊が本当は何なのかという事は大した問題でなく、実際にその霊(と思えるような何か)の力が、現実に少しでも作用するのかどうか、という事のみが重要なのである。 そういった意味では、魔術師は実用主義と言えるかもしれない。 魔術諸々 白魔術と黒魔術の違い。 まとめては駄目 勘違いされがちだが、普通の魔術師は『黒魔術(black magic)』を徹底的に嫌う。 そもそも黒魔術とはどのようなものか、と言えば、それは悪の業である。 まともな思考回路をしている魔術師は、黒魔術を使う事もないし、徹底的に嫌悪し、知識としてすら学びたがらない者が多い。 理由は、魔術師が善人ばかりという訳ではなく、恐ろしいからであるからだと思う。 自らを全知全能であるとする魔術師など普通はいない。 なぜなら魔術師は、自分達が行う魔術について何もかも理解している訳ではないからだ。 それに魔術が大前提とする、意志が存在するこの世界についてなどは、ほとんど何も知らない。 悪が悪であるというのは、魔術師でなくとも、人は直感で知っているものだ。 そういう、学ばずとも知っているような直感的な事実は、魔術師を恐れさせる。 なぜなら魔術師は、たいていその直感とやらを頼りに魔術を行うからだ。 黒魔術を使うなら、自らが悪である事を認めるのと同義。 しかし魔術師はそれが恐いのである。 そういう訳で、黒魔術を学びたがる者は、むしろ無知な素人が多いという。 そして本物の(あるいはそうだと完全に冷静に自認している)魔術師が使う魔術は、基本的に白、つまり善の業な訳である。 悪の業、善の業と言うが、業自体に違いはなく、違うのは悪の為に使うか、善の為に使うか、という使用目的のみ。 (コラム)悪でも善でもなし 善と悪しかないのかなって思う。 どちらとも言えない灰色魔術はないのかなって。 まああまり聞いた事ないけどさ。 召喚術(conjuration)。 精霊召喚の魔術儀式 精霊術(Spirit magic)と呼ばれる場合もある。 普通、天使とか精霊とかを出現させ、それらによる影響を扱う。 『召喚(Summons)』とは伝統的な言い方であり、使用する上では、あまりに意味する範囲が広い事に注意する。 『儀式術(Ritual magic)』は召喚術と実質的に同義である事が多い。 儀式を絶対的に必要とする魔術が、主に召喚術だからである。 召喚術の儀式には、大まかに3種あるという。 まず第一が、『献身(dedication)』。 これは信仰心厚い宗教信者がやってる事とほとんど同じ。 つまり自らが崇拝する何らかの存在へ、自らが思う最適のやり方で、自らの愛や友情を捧げるというもの。 第二が、『召喚儀式(ritual of summoning)』。 おそらく創作などでも最も馴染み深い、適切な儀式により、何らかの存在を呼び出す、あるいは実体化するもの。 第三が、『劇(theater)』。 これは、召喚対象を、絵画や音楽、演技などで表現するもの。 世の芸術活動とほぼ同義である。 これらは組み合わせられる場合もある。 例えば、自らの神が川遊びを所望した場合に、その望みを叶える為(第一)、紙に川を描く(第三)。 適切な儀礼の手順を踏んでいたならば、実際に川で遊ぶ神が現れる場合もある。 (第二) それがあなたにしか見えない光景であっても、あなたの世界の光景であるなら、それは確かに真実であるのだ。 (注釈)異世界、異次元 地獄、天界、アストラル界。 召喚術で呼び出される霊が、平時に存在する場とされるものはいくつもある。 これら異世界、あるいは異次元の存在の解釈については、霊そのものの実在性と同じで、魔術師達の見解はバラバラである。 よくある解釈としては、そのような「~界」は、イメージ上に、召喚対象を段階的に 配置する為の空間であるというもの。 召喚術とは、実は非実在を実在として捉える業であるという観点らしい。 非実在を実在とする為に、まずは非実在の世界にそれを置く訳である。 そうしてから、非実在の世界(つまり~界)のみを消しされば、そこにいた本来は非実在の霊が現実に姿を現す訳である。 錬金術(alchemy)。 現代科学との大きな関わり 元素術(element magic)とも言う。 術というより、知識、知恵に近い。 一般的に言う化学とほとんど同義である。 古くさい模式を重視する向きもあろうが、実用主義であるたいていの魔術師にとって、それは賢いスタイルではない。 なぜなら化学知識の乏しい昔の人達が行う、化学の業の実用性が低いのは当たり前であるからだ。 また量子論が、現代のだと考える人もいるかもしれないが、それらは似て非なるものと個人的には思う。 なぜなら量子論は、根元主義的か不可知論的な性質を多分に含んでいると思えるからだ。 つまり量子論者は、この世界のあらゆるものが、最も基本的な何かの組み合わせにより説明可能と考えているか。 あるいは、この世界の本質の中には、誰にも理解できない何かがあると考えている傾向が強いのだ。 魔術師とは違う。 魔術師は(そんなものがあるとして)最も基本的な性質など重視しない。 それに(やはりそんなものがあるとして)誰にも理解できない事など扱う対象ではない。 要約すると、錬金術とは、人が実用的なレベルで扱える範囲での物質の支配の業である。 その範囲での最小が原子とは思わないが、真に最小の何かとも思えない。 (注釈)史上最悪の魔術 おそらく歴史の中で、錬金術の最悪の成果は核兵器である。 そして原子爆弾の投下は、人間が行った最も恐ろしい黒魔術である。 まともな神経の魔術師が黒魔術を嫌うのもわかるだろう。 数秘術(numerology)。 情報暗号学の魔術的使い方 主に純粋数学、暗号学、情報学などに関連した魔術。 というかある種の暗号記法だと考えられている場合も多い。 『神名(God name)』や『呪文(magic spell)』などは、数秘術関連であるとする説もある。 いずれも口から音として発するだけで、効果があるようなイメージが強いが、それはなどから連想された妄想にすぎない可能性が高い。 音はただの物質原子の規則的な振動にすぎない。 概念は、意思の力と関係していようが、その概念に万人共通のものはない。 数字は最も共通性が高い。 1羽の鳥を「鳥」でなく「bird」という人がいても、使いなれた言語が違うと思うだけだが、1羽の鳥を10羽いると言ったなら、それは明らかにおかしい。 そういうのは常識だと考える人もいるかもしれないが、魔術師にとってはそれは大切な直感である。 魔術を否定する科学者でも、数字は信じられるという人は多いだろう。 実は数字を一番信頼してるのは、魔術師も同じなのである。 数秘術をどう扱うか、魔術師には主に2タイプある。 1つが応用数学と同義なタイプ。 この観点から言うなら、や量子や時空間を見つけた計算の業は数秘術である。 コンピューターも、数秘術による開発である。 もう1つは、数字を用いた世界の探求である。 こちらは完全に純粋数学的であり、例えば0や複素数、無限とかの探求となる。 占星術(astrology)。 惑星の意味を探る 日本語の名称に「占」の字が使われてる為、占いの術のイメージが強いが、別に占いに限った魔術ではない。 召喚術にかなり近いが、あちらが霊を呼び出すのに対し、占星術は、実在する星を霊に見立て、あるいは霊の媒介として利用する。 「実在する星」とは、実は夜空の星に限らない、惑星が使いやすいからよく使われるが、それは架空の星でも、そもそも星でなくともよい。 ただし生命体は使えないという説がある。 生命体の意志が、霊の振る舞いを拒否できるかららしい。 占星術はある意味で、小宇宙創造であり、そこで星である諸々を用いて、行う業なのである。 召喚術では、段階的に使う異世界概念の方をメインとした術とも言えるかもしれない。 呪術(sorcery)。 基礎的な魔術。 高等魔術 最も基礎的な魔術であるが、極める難易度が低い訳ではない。 ただ、(効果を発揮できるかはともかく)概念的に理解しやすく、実践もしやすい。 自然の理を理解し、利用する魔術の総称。 つまりその意味が含む範囲はかなり広い。 ある意味で、呪術とは、召喚術、錬金術、数秘術、占星術以外の全ての魔術の総称である。 ただし呪術を高等魔術の意味で使う流儀も多いという。

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ノーリッジ

現代魔術科

概説 [ ] では広義の呪術について magic 、 sorcery 、 witchcraft といった分類がなされるが、それとは別に、現代の英米の実践家の間では magic と妖術 sorcery と witchcraft はある程度区別される用語となっている。 のまとめたところによると、大まかに以下の二つに分けられる。 儀式魔術 Ceremonial magic 高等魔術 High magic とも。 的な階層構造をもつ、カバラ を中心とした枠組みに基づく秘教体系。 19世紀末の黄金の夜明け団が体系化した。 古代やの神話伝説のシンボリズムを折衷的に取り入れ、儀式や瞑想を行う。 ペイガン魔術 Pagan magic を含む、呪術的な面を有する先キリスト教のヨーロッパの復興運動()。 自然魔術とも(ルネサンス思想史の文脈で言われる自然魔術とは別)。 歴史 [ ] 期、儀式魔術 : Magia ceremonialis という言葉は霊と交渉する魔術()の類を指し、キリスト教的な通念では異端的な忌まわしいものとされていた。 こうした古典的な儀式魔術はと呼ばれる古い魔術書群に遺されている。 一方、一部のらは自然の理に基づいた賢者の知恵としての魔術、すなわち自然魔術 : Magia naturalis に言及している。 中でもが著した『隠秘哲学』三書は後代の魔術に大きな影響を与えた。 近代の英国では、19世紀までと呼ばれる人々を担い手とする民衆魔術の伝統が生き残っていたが、一方でゴシック趣味が隆盛した18世紀には、魔術への多分にロマン主義的・中世趣味的な関心が呼び覚まされた。 19世紀初頭には ()がアグリッパやグリモワールの魔術をまとめ上げ、 The Magus を著した。 これは英国における魔術復興の嚆矢となった。 19世紀半ばのフランスではが『高等魔術の教理と祭儀』などを著し、魔術思想を説いた。 そして19世紀末のイギリスにできた魔術結社、黄金の夜明け団は、/的儀礼とと古典的な儀式魔術とを総合・体系化し、魔術に新たな息吹を吹き込んだ。 この出来事を魔術史家 ()は魔術の「復興」と表現している。 は、1913年に発表された『第四の書』第二部において魔術の表記を magic から Magick に転換した。 これは自分の提唱する魔術を手品や洗練されていない旧来の魔術から区別するために、19世紀以前に用いられた近代英語の古い綴りを復活させたものであった。 クロウリーの提唱した"Magick"概念の内容についてはを参照。 周辺領域 [ ] セレマ Thelema アレイスター・クロウリーが創始した宗教/実践哲学。 聖典は『』、儀式魔術との実修、「グノーシスのミサ」という宗教儀礼などがある。 詳細は「」を参照 技法 [ ]• 追儺 ついな Banishing• 聖別 Consecration• Invocation• Evocation• 護符魔術 Talismanic magic• Divination:、• Scrying, Skrying:幻視• Astral projection• ヴィジョン Tattwa vision• パスワーキング Pathworking:小径の作業、道行き。 界層の上昇 Rising on the planes• Sex magic k 行法 [ ]• Reverse Meditation• リズム呼吸 Rhythmic Breathing:• Meditation:受動瞑想と能動瞑想• 日拝 Four Adorations• 小五芒星追儺儀式 the Lesser Banishing Ritual of the Pentagram 略称 LBRP• 中央の柱 the Middle Pillar 道具 [ ] 四大元素武器や各種ワンド(杖)等の道具は自分で作成して聖別することになっている。 儀式魔術• 四大元素武器 Elemental weapons• を象徴する火の棒、水の杯、風の短剣、地の。 流派によっては棒(杖)を風の象徴とし、短剣を火の象徴とする。 ロータスワンド Lotus wand• 黄道十二宮の12色に塗り分け、先端に睡蓮の花を模したものを取り付けた棒。 短剣 Dagger• 小五芒星儀式などで用いられる汎用の短剣。 元素武器の風の短剣とは区別される。 魔法日記 Magical Diary• 行った訓練や儀式の内容、状況、感想などを記録。 Tarot pack• 魔女宗• アセイミーまたはアサミー Athame• 黒い柄の両刃のナイフ。 Pentacle• 五芒星などが描かれた円盤状のもの。 チャリス Chalice• を模した杯。 コールドロン Cauldron• 魔女の大釜。 儀礼 [ ]• 儀式魔術• イニシエーション(秘儀参入の儀式)• 春分・秋分の儀式• 魔女宗• イニシエーション• サバト:年8回の季節の祝祭• エスバト:満月の夜の集会 組織 [ ] 儀式魔術 結社には上位組織と下位組織がありそれぞれに位階がある。 魔女宗 13人のである。 13人以上になるとカヴンを分ける。 人物 [ ]• 鏡 2003, pp. 18-20. の Kabbalah の伝統そのものではなく、ルネサンス期以来の () Cabala の影響を受けた、 () Qabalah とも称されるもの。 吉村 2013, p. クロウリーの『第四の書』第二部 Book Four, Part II の脚注に「の学をそのあらゆる紛い物から区別するために Magick という古い綴りを採用する」旨が記されている。 119. ウイッチクラフト、ウイッカ、魔女宗といった言葉の適用範囲については、楠瀬啓(2014年9月23日閲覧)を参照のこと。 以下、本項ではウイッチクラフトとウイッカの双方を含むものとして魔女宗という呼称を用いることとする。 参考文献 [ ]• 鏡リュウジ 『鏡リュウジの魔女入門』 柏書房、2003年。 吉村正和 『図説 近代魔術』 河出書房新社、2013年。 ロバート・A・ウィルソン 『コスミック・トリガー』 武邑光裕監訳、八幡書店、1994年。 フランシス・キング 『黄金の夜明け魔法大系5 英国魔術結社の興亡』 江口之隆訳、国書刊行会、1994年。 The Magus. York Beach, ME: Samuel Weiser. Mathers, S. Liddell MacGregor 2000. The Key of Solomon the King. York Beach, ME: Samuel Weiser. Stealing Fire from Heaven - The Rise of Modern Western Magic. New York: Oxford University Press. フランシス・キング 『イメージの博物誌4 魔術--もう一つのヨーロッパ精神史』 訳、、1978年、 『オカルト 上』 中村保男訳、河出文庫、、1995年、 コリン・ウィルソン 『オカルト 下』 中村保男訳、河出文庫、河出書房新社、1995年、 魔女宗に関する図書 『ウイッチクラフト(魔女術) -都市魔術の誕生-』 、1994年(新装版)、 鏡リュウジ 『鏡リュウジの魔女入門』 柏書房、2003年、(上の改訂増補版だが、参考文献と索引が削られている) マリアン・グリーン 『ナチュラル・マジック』 河出書房新社〈聖なる知恵入門シリーズ〉、1996年、 マーガレット・A・マレー 『魔女の神』 西村稔訳、人文書院、1995年、 『魔女 上』 藤田浩一郎訳、現代思潮社、1967年 『魔女 下』 藤田浩一郎訳、現代思潮社、1967年 その他の関連書 「」1992年2月号(特集=魔術)、 フランシス・キング 『アレイスター・クロウリー著作集 別巻1 アレイスター・クロウリーの魔術世界』 山岸映自訳、国書刊行会、1987年 『コスミック・トリガー』 監訳、八幡書店、1994年 ブランチ・バートン 『悪魔教』 小森雪枝訳、、1995年、 クリストファー・マッキントッシュ 『薔薇十字団』 吉村正和訳、平凡社、1990年、(現行版はちくま学芸文庫より) レイチェル・ストーム 『ニューエイジの歴史と現在』 高橋巌・小杉英了訳、角川書店〈角川選書〉、1993年、 上山安敏 『神話と科学 -ヨーロッパ知識社会 世紀末~20世紀-』 〈岩波現代文庫〉、2001年、 『若きとその時代』 平河出版社、 リチャード・ノル 『・カルト カリスマ的運動の起源』 月森左知・高田有現訳、、 関連項目 [ ]• 外部リンク [ ]• (英語).

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