イギリス 首相 コロナ。 イギリスのジョンソン首相、新型コロナ感染から退院。問われる復帰後の指導力

アフターコロナのイギリス社会:3人の英首相スピーチ(ジョンソン、サッチャー、チャーチル)

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一方で、7日には政権幹部のマイケル・ゴーヴ内閣府担当閣外相も、家族が発症したため自主隔離に入った。 ゴーヴ氏には症状はなく、自宅で業務を続けているという。 検査入院から集中治療室へ 官邸報道官は7日の声明で、「首相は夜から朝にかけて安定した状態で、気持ちも元気だ。 標準的な酸素治療を受けており、それ以外の補助もなく呼吸している」と説明。 「機械的な呼吸器具や非侵襲的呼吸支援も必要としていない」という。 人工呼吸器は患者の肺が十分に機能しなくなった時に、肺の代わりに患者に酸素を送り込むための装置。 官邸によると、ジョンソン首相は肺炎も起こしていないという。 3月末に感染が確認されたジョンソン首相は5日、検査入院のためロンドン市内のセント・トマス病院に入院。 症状悪化のため6日午後に集中治療室に入ったという。 英胸部医療協会のジョン・ベネット会長は、首相が鼻チューブや顔につける酸素マスク経由で酸素を補給される「標準酸素治療」を受けているのは「喜ばしい」と説明。 重篤だった場合は、機械的に患者に酸素を送り込む持続陽圧呼吸療法 (CPAP)や、侵襲的な人工呼吸器を使うはずだからだという。 <関連記事>• バッキンガム宮殿によると、エリザベス女王は首相の家族と妊娠中のパートナー、キャリー・シモンズさんにメッセージを送り、首相の素早い快復を祈っていると伝えた。 エリザベス女王は首相官邸からジョンソン首相の健康状態について、継続的に報告を受けているという。 毎週定例の女王と首相の面談は中止された。 ジョンソン首相は6日昼、「新型ウイルスの症状が続いているため、医師のアドバイスのもと、定期検査のために昨晩入院した。 気分は良いし、このウイルスと闘い、皆さんが安全でいられるよう、引き続きチームと連絡を取り合っている」とツイートしたばかりだった。 ドミニク・ラーブ外相が公務を代行 ジョンソン氏は自主隔離中も公務を継続していたが、入院を受け、ドミニク・ラーブ外相が公務を代行している。 ラーブ外相は、政府には首相を支える「すばらしく力強いチーム精神」があると述べ、ジョンソン首相の指示による新型ウイルス対策を「できるだけ早く」実現すると話した。 「それが、我々が新型ウイルスという苦難からイギリスを救う方法だ」 ラーブ外相は6日午前にも、ジョンソン首相に代わって定例会議の議長を務めた。 その後の記者会見でラーブ氏は、ジョンソン氏は病院から政権を主導していたと強調。 それは適当かとの問いには、ジョンソン氏は「医師のアドバイスを受けている」と答えていた。 一方でラーブ氏は、首相とは4日以降、話をしていないと述べた。 BBCのローラ・クンスバーグ政治編集長は、首相はこれまで「連絡が取れている」、「公務を続けている」という通常営業の状態だったが、ICUに入ったことで状況が全く変わったと指摘。 ラーブ外相に代行を要請する必要が出てきたのは大きな変化だと話した。 BBCのクリス・メイソン政治編集委員によると、ジョンソン首相は集中治療室に入る前の6日午後にも、酸素吸入を受けたという。 また、COVID-19で集中治療を受けている患者の3分の2は、24時間以内に人工呼吸器が必要になると説明した。 「最高の治療を受けている」 ジョンソン氏の容体の変化を受け、リシ・スーナク財務相は、首相とシモンズさんのために祈っていると言い、ジョンソン氏は「強くなって戻ってくるだろう」と述べた。 最大野党・労働党のキア・スターマー党首も、「とても悲しいニュースだ」、「この困難な時に、全国民が首相とその家族のことを思っている」と話した。 スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン首相は、「(ジョンソン氏の)健康を祈っている」と述べた。 また、ロンドンのサディク・カーン市長は、セント・トマス病院は「世界でも有数の優秀なスタッフがいる」と話し、首相は「最高の治療を受けている」と語った。 イギリスでは6日時点で5万1608人が新型ウイルスに感染。 この日は439人が亡くなり、全体の死者は5373人となっている。 「誰のことも差別しない」ウイルス COVID-19を発症して自主隔離を行い、4日に職務に復帰したマット・ハンコック保健相はツイッターで、「ボリス・ジョンソン首相と彼の愛するすべての人たちへ、幸運を祈る。 首相が我々のすばらしいNHSから、可能な限り最善の治療を受けると確信している」とエールを送った。 テリーザ・メイ前首相と最大野党・労働党のジェレミー・コービン前党首は、自分たちの思いはジョンソン氏とともにあると表明。 メイ氏は、「この恐ろしいウイルスは誰のことも差別しない」と述べた。 ウェールズのマーク・ドレイクフォード首席大臣は、「気がかりな知らせだ」と述べた。 英国教会のジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教は、今回の知らせについて、「すべての重症者への慈悲を深めるものだ」とした。 また、アイルランドのリオ・バラッカー首相がジョンソン氏の「迅速な回復」を願ったほか、フランスのエマニュエル・マクロン大統領も、ジョンソン氏が「この試練をすぐに克服する」ことを願っていると述べた。 欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長も、ジョンソン氏の「素早い全快」を願った。

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イギリス首相府が、抗新型コロナ薬提供を申し出た米大統領の提案を拒否

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2020年5月24日 日 新型コロナが問う日本と世界 「社会が存在する」 英首相発言 背景は… 新型コロナウイルスに感染し生還したイギリスのボリス・ジョンソン首相が、自己隔離中にビデオメッセージで「社会というものがまさに存在する(there really is such a thing as society)」と発言したことが関心を引きました。 国際的にも注目 この発言が国際的にも注目されたのは、大きな背景があるからです。 サッチャー元首相の言葉とは、「社会なんてものはない。 あるのは個々の男たちと女たち、家族である」というもの。 戦後イギリスの福祉国家体制を否定し、徹底した個人の「自己責任」を強調する新自由主義の「哲学」を表明したものでした。 新自由主義とは、「市場原理至上主義」ともいわれるように、すべてを市場の競争に任せ、資本=企業に対する規制は少ないほど良いという主張と政策です。 労働力の売買=雇用をめぐる規制緩和が重要な内容で、派遣労働をはじめとする非正規雇用の拡大や労働時間規制の緩和が進められてきました。 巨大企業の税負担、社会保障負担の軽減と一体に社会保障そのものを削減し、個人や中小企業を守るための企業活動に対する規制も徹底的に緩和してきました。 「NHSを守れ」 ジョンソン首相は保守党党首で、「サッチャー哲学の継承者」「新自由主義の申し子」と目されてきた人。 そのジョンソン首相が、「コロナウイルスは『社会というものがまさに存在する』ことを証明した」と発言し、「われわれのNHS(国民保健サービス)を守れ」と発信したことが、驚きをもって受け止められたのです。 揺らぐ新自由主義 (写真)早稲田大学(地方自治)小原隆治教授 早稲田大学の小原隆治教授(地方自治)は、イギリスのエディンバラでの在外研究から3月29日に帰国しました。 帰国直前の2週間、イギリス政府がそれまでの放任政策から急激にロックダウン(強制封鎖)と休業補償に政策転換したのを目の当たりにしました。 小原氏は「ジョンソン首相が、インペリアル・コレッジ・ロンドン専門家チームの科学的知見にきちんと耳を傾け、労働党のコービン党首のお株を奪うかのように『われわれのNHS(国民保健サービス)を守れ』と訴えたときには、耳を疑った」と語ります。 ジョンソン首相はコロナ対策をめぐり、当初、「なすがままに(レッセフェール)」で集団免疫獲得「戦略」を打ち出しましたが、専門家の意見を聞き「感染抑止」に政策を急転換させました。 その中でジョンソン首相は、ロックダウンと合わせて、給与所得者や自営業者に所得の8割を給付するなど手厚い損失補償も約束したのです。 小原氏は「『社会は存在する』という発言と一連の政策転換を合わせて考えると、サッチャー政権以来、とくに保守党政権で進められてきた新自由主義路線からの転換のようにも受け取りうる」と述べます。 さらに「過半数議席の獲得を目指し解散・総選挙を行おうとしました。 そのためには任期固定制議会法に基づき庶民院(下院)の3分の2の賛成が必要でしたが、これが3度否決されたことから、12月には、新たに過半数の賛成で解散できるとする法案(早期議会総選挙法案)を提起し、任期固定制議会法を無視して『脱法』的に解散するなど、その非民主的運営が批判されてきた」と解説します。 「そのジョンソン首相が『社会はある』などといっても、額面通りに受け止められないかもしれない」としつつ、保守党政権の政策とは思えないNHSの保護・振興や休業補償政策などをみると、「ジョンソン首相の『本心』はともかく、この間のコロナとのたたかいで、『人は1人では生きられない』『連帯が必要だ』と再認識したのではなかろうか」 新型コロナウイルスに感染し、一時はICU(集中治療室)に入り「助からない可能性があった」というジョンソン首相は退院の日(4月12日)、看護に尽くしてくれたNHSのスタッフの名前を一人ひとりあげ「一生感謝する」と表明。 「NHSは脈打つこの国の心臓であり、この国の最良の部分だ」と述べました。 「社会はある」と、社会の再発見を語ったジョンソン首相の言葉は、新自由主義へのインパクトとなりました。 コロナ危機がいま、世界中で新自由主義の世界観を揺さぶっています。 財界への従属性 日本ではどうか。 小原氏は「自治体間で良い政策を競い合うことは相互に政策波及効果をもたらす。 だが、自治体間には財政力に格差があり、この間の地方公務員削減など新自由主義的な改革で疲弊している自治体も多い。 どこでも十分なコロナ対策ができるわけではない」と語ります。 同時に「自治体間の政策の差は、営業・外出規制のより弱い所へ、補償の手厚い所へと、感染拡大を抑えるにはもっとも避けるべき『人の移動』を生み出す。 政府による全国一律ナショナルミニマムの営業・外出規制と手厚い補償のセットをまず実現し、自治体政策はその次だ」と述べます。 しかし、政府は補償に一貫して後ろ向きです。 小松氏は「コロナウイルスとのたたかいで、各国首相の支持率は上昇しているのに対し、日本の安倍首相は、休業補償に冷淡で、『自粛を決めたのはあなた。 責任もあなたにある』と言わんばかりで、究極の新自由主義的『自己責任』論だ。 これでは支持率を落とすのも当然」とし、「憲法25条の生存権の保障に基礎を置く政治に今こそ転換すべきだ」と強調します。 頑強なまでに補償に後ろ向きな政権の姿勢の根本には、新自由主義と同時に、日本独特の財界への強い従属性もあるように思われます。 (中祖寅一).

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一方で、7日には政権幹部のマイケル・ゴーヴ内閣府担当閣外相も、家族が発症したため自主隔離に入った。 ゴーヴ氏には症状はなく、自宅で業務を続けているという。 検査入院から集中治療室へ 官邸報道官は7日の声明で、「首相は夜から朝にかけて安定した状態で、気持ちも元気だ。 標準的な酸素治療を受けており、それ以外の補助もなく呼吸している」と説明。 「機械的な呼吸器具や非侵襲的呼吸支援も必要としていない」という。 人工呼吸器は患者の肺が十分に機能しなくなった時に、肺の代わりに患者に酸素を送り込むための装置。 官邸によると、ジョンソン首相は肺炎も起こしていないという。 3月末に感染が確認されたジョンソン首相は5日、検査入院のためロンドン市内のセント・トマス病院に入院。 症状悪化のため6日午後に集中治療室に入ったという。 英胸部医療協会のジョン・ベネット会長は、首相が鼻チューブや顔につける酸素マスク経由で酸素を補給される「標準酸素治療」を受けているのは「喜ばしい」と説明。 重篤だった場合は、機械的に患者に酸素を送り込む持続陽圧呼吸療法 (CPAP)や、侵襲的な人工呼吸器を使うはずだからだという。 <関連記事>• バッキンガム宮殿によると、エリザベス女王は首相の家族と妊娠中のパートナー、キャリー・シモンズさんにメッセージを送り、首相の素早い快復を祈っていると伝えた。 エリザベス女王は首相官邸からジョンソン首相の健康状態について、継続的に報告を受けているという。 毎週定例の女王と首相の面談は中止された。 ジョンソン首相は6日昼、「新型ウイルスの症状が続いているため、医師のアドバイスのもと、定期検査のために昨晩入院した。 気分は良いし、このウイルスと闘い、皆さんが安全でいられるよう、引き続きチームと連絡を取り合っている」とツイートしたばかりだった。 ドミニク・ラーブ外相が公務を代行 ジョンソン氏は自主隔離中も公務を継続していたが、入院を受け、ドミニク・ラーブ外相が公務を代行している。 ラーブ外相は、政府には首相を支える「すばらしく力強いチーム精神」があると述べ、ジョンソン首相の指示による新型ウイルス対策を「できるだけ早く」実現すると話した。 「それが、我々が新型ウイルスという苦難からイギリスを救う方法だ」 ラーブ外相は6日午前にも、ジョンソン首相に代わって定例会議の議長を務めた。 その後の記者会見でラーブ氏は、ジョンソン氏は病院から政権を主導していたと強調。 それは適当かとの問いには、ジョンソン氏は「医師のアドバイスを受けている」と答えていた。 一方でラーブ氏は、首相とは4日以降、話をしていないと述べた。 BBCのローラ・クンスバーグ政治編集長は、首相はこれまで「連絡が取れている」、「公務を続けている」という通常営業の状態だったが、ICUに入ったことで状況が全く変わったと指摘。 ラーブ外相に代行を要請する必要が出てきたのは大きな変化だと話した。 BBCのクリス・メイソン政治編集委員によると、ジョンソン首相は集中治療室に入る前の6日午後にも、酸素吸入を受けたという。 また、COVID-19で集中治療を受けている患者の3分の2は、24時間以内に人工呼吸器が必要になると説明した。 「最高の治療を受けている」 ジョンソン氏の容体の変化を受け、リシ・スーナク財務相は、首相とシモンズさんのために祈っていると言い、ジョンソン氏は「強くなって戻ってくるだろう」と述べた。 最大野党・労働党のキア・スターマー党首も、「とても悲しいニュースだ」、「この困難な時に、全国民が首相とその家族のことを思っている」と話した。 スコットランド自治政府のニコラ・スタージョン首相は、「(ジョンソン氏の)健康を祈っている」と述べた。 また、ロンドンのサディク・カーン市長は、セント・トマス病院は「世界でも有数の優秀なスタッフがいる」と話し、首相は「最高の治療を受けている」と語った。 イギリスでは6日時点で5万1608人が新型ウイルスに感染。 この日は439人が亡くなり、全体の死者は5373人となっている。 「誰のことも差別しない」ウイルス COVID-19を発症して自主隔離を行い、4日に職務に復帰したマット・ハンコック保健相はツイッターで、「ボリス・ジョンソン首相と彼の愛するすべての人たちへ、幸運を祈る。 首相が我々のすばらしいNHSから、可能な限り最善の治療を受けると確信している」とエールを送った。 テリーザ・メイ前首相と最大野党・労働党のジェレミー・コービン前党首は、自分たちの思いはジョンソン氏とともにあると表明。 メイ氏は、「この恐ろしいウイルスは誰のことも差別しない」と述べた。 ウェールズのマーク・ドレイクフォード首席大臣は、「気がかりな知らせだ」と述べた。 英国教会のジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教は、今回の知らせについて、「すべての重症者への慈悲を深めるものだ」とした。 また、アイルランドのリオ・バラッカー首相がジョンソン氏の「迅速な回復」を願ったほか、フランスのエマニュエル・マクロン大統領も、ジョンソン氏が「この試練をすぐに克服する」ことを願っていると述べた。 欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長も、ジョンソン氏の「素早い全快」を願った。

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